救急車で搬送してもらいました

自転車のページで予告したのだけれど
 実は不注意から怪我をしまして、たいした怪我で無かったのですが、パニックになってしまい札幌市の救急車で救急病院に搬送してもらいました。
振り返ってみると本当に有り難かったです。もし病院に連絡するにしても、適切な病院が解らず、また搬送してもらうにもタクシーを呼んでも乗車拒否だったかもしれません。
娘が「救急車にお願いするのが良い」と言ったのが幸いで大事に至らずに済みました。家族は気が付いていないかもしれないけれど、本人は出血多量で意識が無くなるようなら救急車を呼んだほうが良いと思っていたのですが、流れる血を止めるのに必死で、手配は考えられなかったのですから。
 我が家は築15年以上の借家で大家さんとの2世帯混合メゾネットタイプなのです。おとうさんの家事は唯一風呂の用意なのですが、これは何故か定着しています。
その日(5月26日)風呂の用意をして、風呂から脱衣所に出た時にアクシデントは起こりました。
環境を説明しておくと、風呂と脱衣所の境は昔のいわゆるガラスの戸になっています。今ならアルミサッシで出来た折畳み型のドアが多いのでしょうが、我が家は古いので木造の扉にガラスがはめ込まれ、蝶番で留められているドアです。脱衣所はユーティリティスペースでリノリュームが張ってあり、洗濯機なんかが置いてあります。
このリノリュームの床が洗濯機から漏れた水で濡れていたのです。
風呂の掃除を終えて水を張り始めたので、風呂から脱衣所を通って居間に戻ってテレビでも見ようと思ったのです。風呂から段差15cm程上の脱衣所に一歩を踏み出した時に、運悪く水で濡れた部分を踏んでしまったようです。
境のドアが開いていれば風呂場に転げ落ちた程度だったのでしょうが、滑って後転して頭をこのドアに突っ込み、突き破ったドアに鼻を打ったのです。
瞬間、鼻の痛みと鼻血で、「まずいなぁ」と思ったのですが、割れたドアを見て、「これだけの怪我じゃ無いかもしれない」と思ったのです。自分の見える範囲なんか限られているので家族を呼び「何処を怪我してるか見てくれ」と叫んだのです。
妻が来て、「頭が切れている」と言うので手を伸ばしてみると、あの怪我をした時のいやな感覚、グジュグジュしてるのです。まずは、怪我の手当てと思い、脱衣所から居間に移ったのですが、後頭部の怪我は半端な出血で無いのは感じていました。タオルを強く当てていてもガラスで切れた部分は複数のようで、一番大きな傷が何処なのか解りません。服の肩にはかなり血が流れています。
あまり大きな怪我をした事が無いのではっきり判断できませんが、いわゆる怪我の範囲を越えている気がします。でも、プロレスなんかで流血試合が有っても傷口を強く押し付けると出血が止まるって話を聞いていたのでタオルをあてがってました。

うん、救急車をお願いしよう
頭の怪我ってのは怪我の規模より出血が多いのですが、とても自分で留められる出血では無いと気づき始めたのです。左手でティッシュを鼻に当てて鼻血の対応、右手で後頭部のたぶんガラスで切れた傷を押さえていると首筋を伝わる血の流れが感触として伝わってきます。「たぶん病院での処置が必要なくらいの怪我なんだろうな」と自分で思い始めた頃に、「どうしよう」って妻の声に「救急車呼ぶしか無い」って娘の声が答えているのをぼんやり聞いてました。実は本人は「何処の病院に連絡すれば良いかな」なんて考えていたのです。たぶんこの種の怪我は交通事故と同じで札幌の大通にある医師会の主催する救急病院が良いかなと思ったのです。で、そこまでどうやって行くかなんてことを考えていたのです。
で、搬送のためにはとりあえず血を止めなくては、で止まらないから救急なんだけど。
妻が119番に電話して手配をお願いした時には「ま、預けてみよう」と思いましたよ。と言うか、それしか選択が無いなと思っていたのです。流れる血が止まるならタクシーも可能でしょうが、どれくらい切れているか解らないけど、とにかく治療の最初は止血、で、自分では出来ないのだから。

救急車到着
 我が家は幸いなことに、100m程先に消防署があるので、救急車は数分で到着すると思われる。まさか即入院ってことは無いと思うが、妻に保検証、着替えの用意を指示し、娘には時間が解らないので留守番するように指示。しかし、流れる血は止まらない。
娘が「救急車の音がする」と言っていたのは電話から5分程か。
考えてみると札幌の救急車の電波を受信していて、「いろいろな事故があるなぁ」なんて聞いていたのだけれど、その当事者に自分がなるなんて。
救急車には歩いて行ったのだけれど「依頼者は歩いて乗り込めます。このまま収容します」なんて無線の交信が「生で」聞こえる。「頭を打っているのと出血が多いので○○病院に搬送依頼を願いたい」。まさに傍受していた会話そのもの。その救急車で僕はタンカに寝ているのだけれど。ダオルを外して包帯を巻いてくれるのだけれど、素人の僕にもタオルで傷口を押さえていたほうが良いように思う。
 あ、女性の救急救命師。バイタルセンサーを左手の人差し指にはめられる。妻は救急車定番のヒアリングを受けている。僕は、この救急車のサスペンションが硬いことを気にしていた。救急隊員の人に「硬くて身体に振動がきつい」と言ったら「柔らかいと車酔いする人も居ますから」って返事。修学旅行じゃないのだから車に酔うことと傷口に負担がかかることは別だろう。とにかく車に酔うことが不快な人は緊急性が無いのだから救急車を使うことは止めて貰いたい。

病院到着
 通報の内容が「滑ってガラスに突っ込み頭を切った」なので、救急病院も外科の脳神経科の病院となる。運が良いのか当日は我が家から2km程の病院が指定病院。救急車で到着とともに病院の移動担架に移される。ここから処置室へ担架のまま動かされる。おっと、これって、40年くらい前のテレビ・ドラマの「ベンケーシー」の世界。担架で運ばれながら「何処が痛いですが」、「意識は異常無いですか」と婦長さんに聞かれながら処置室にガラガラガラと担架の車輪の音を発しながら向かうのは快感だったりする。今、救急病院24時間なんかの主人公に僕がなっているのだから。
処置室に移されて医師の診断。看護婦の「血管が切れているのでしょうか、血が止まりません」とか「先生の手袋は7号か7号半でしたよね」って会話が聞こえて来る。当方は後頭部の治療のためにうつぶせで、耳からしか情報が無い。
先生が到着。切り口を見て「止血よりも縫合」って指示を出す。見えないけど結構切れているようだ。(後で家族に聞いたけれど、頭の芯までパックリ切れたように見えたそうです。そんな馬鹿な!)。
最近の縫合は簡単で、自動メスで傷口の回りを麻酔し、そして縫う。その前に頭なので髪の毛を剃るのは手作業。クイーン、キュって感じで縫う音が5回から7回。「5針くらいですか」と聞いたのだけれど婦長さんは「針数で保険が決まるのはそうとう昔ですよ」って返事。

さらに精密検査
 医師の指示でCTとMRIの撮影もする。救急指定病院なのでスタッフも待機している。
検査の必要性も解るが、縫ったばかりで出血は止まっていない。検査室に歩くのにも首を伝って血が流れている。処置室で押さえていたタオルも無くしてしまった。検査機器に横たわってもベットや枕が血で汚れる。そこはティッシュを引いてカバーしてるのだけれと、正直言って一般の検査技師が接する出血を越えていると思う。
両方の検査を終えて初めて医師の診断。
縫われた時に思ったのいだけれど、頭皮が剥けたと言うよりもガラスで圧迫されて切れた感じで、傷口もガラスの厚さなみではないかと思う。つまり左右に切れた状態を縫合すると言うよりは、ガラスで擦られて失われた幅3mm程の頭皮を寄せて縫ったのではないかと思っていた。(縫う時にツッパリ感があった)。
結局ガラス故の「汚い傷口(医師談)」で、圧迫による擦り傷の拡大したもの。全治1ヶ月、抜糸まで1週間。今のところ打撲による脳の損傷は見られないとのこと。
とりあえす今日の山場は越える。検査室に行く前に着替えたTシャツを帰してもらうが、黄色いTシャツの半分が血で真っ赤。タオルは血を吸ったスポンジのようになっている。しかも、縫っただけの傷口からの出血は止まっていない。
本人の判断で出血量は100CC以下とは思うけど、かなり目に付く。

事後総括、状況判断を的確に
 結局、最大の選択岐は救急車を呼ぶかどうかだったと思う。日赤の救急講習なんかも受けたが、自分の処置の範囲を越えた判断ってのは、教えられないのか未知数だった。今回も、自分で病院に行くべきなのか迷った。なんせ、一般の人にとって風邪で病院に行くのは多いけれども怪我で病院に行く機会(と言うのかチャンス)は少ないと思われる。交通事故なんかで明確に生命に危険がある場合は別として、なかなか救急車を呼ぶ適切な傷(って、表現で良いのかぁ?)には巡り合わない。
 今回、学校で「将来の職業」ってテーマで悩んでいる娘が明確に「医者と看護婦には成れない」と思ったのは、出血の少し先の流血で自ら貧血を起こしそうになったから。僕は死に到る出血ってのは目にしているが、いざ自分がなると、その前段の意識が無くなることが怖くて必死でタオルを当てていた。結構、圧迫による止血ってのは効果的で、残念ながら頭なので首を縛る訳にいかないけど、他の部位なら止血はかなり有効な生命維持方法になる。
救急車に乗った時に安心感でホットしたのは、これからは任せて置けば良いって安心感だろう。家庭で怪我をした時に、特に流血に到る怪我の時には手遅れにならないうちに救急車をお願いしたほうが良い。
縫合したけれど、出血は翌日の夜まで続いたのだから。もし、タオルを当てたまま夜を過ごしたら、明け方には出血多量で意識を失っていたかもしれない。
札幌市消防局の救急車運営にたずさわている方々に、感謝を込めて。

Back
1999.05.26 Mint