プロ野球>楽天で決まりのデキレース
楽天もライブドアもやれやれな企業
パリーグの空いた1つの球団枠を巡って、ライブドアと楽天が新球団を申請したが、別にどうでも良い話だ。プロ野球そのものが興行として成り立たない実態を、マーケットに聞くのでは無く、ワンマン企業経営論理の「目立ちたい」で行動しているのだから、結果よりもプロセス重視の姿勢には「やれやれな奴」としか感想が無い。
最近一時期離れていたNHKの大河ドラマ「新撰組」を再度見始めたのだが、三谷氏の脚本は近藤勇と新撰組みを時代から遊離した気違い集団として描きたいようだ。まるで、浅間山荘事件を引き起こした連合赤軍と描写が同じなのだから。
で、この件は無視と思っていたのだが、ダイエーが産業再生機構の支援を仰ぐことになった段階でヤフーがダイエー球団の獲得に動き出して、いわゆる「IT関連企業のやれやれな経営」に、本当に「やれやれ」になってしまったのだ。
まず、楽天の動きだが、近鉄買収が当初の戦略で、オリックスとの合併決定は読み違いだったのだろう。そもそも地ならしに多大な金を使ったのだろうが、もらった誰も口を割らないだろう。その失敗にもめげず新球団申請に結び付ける行動はいかがなものかと思うが、ま、経営者がワンマンであるから方針変更で進んだのだろう。基本的に近鉄球団移管から見たら新球団設立は経費もかさみ経営的には二の足を踏む事態なのだが。
ライブドアは単に「堀江の目立ちたがり」以外の何者もないだろう。古い時代の瓦版の大手が仕切っている「やっちゃ場」に新しい時代の同じく瓦版屋が仲間に入れてよと擦り寄っただけだ。旧体制に擦り寄った新興勢力ってことでしかない。これは先の「新撰組」の位置づけだ。自ら時代を切り開くか、時代に迎合するか、これは時代が判断する大局的判断に委ねられる。
で、ヤフーなのだが、語るに落ちる。
「火事場泥棒」とても表現すれば顰蹙を買うだろうか。報道の両雄である朝日新聞、毎日新聞がいわゆる「焼け太り」で阪神大震災や戦争報道等で部数を伸ばして来た事実は周知のことだ。
孫氏の発想は「最低の投資で最大の効果」ってことだろう。名乗りを上げて露出を稼げばそれで十分なのだろう。記者会見で「そもそもヤフーの起点はここ福岡でした」って発言は「浪花節かよぉ、何処に下心が有るんだって叫んでしまった。ライブドアや楽天に露出を任せておけないってことだろう。そんなのは我が侭でしかない。単なる経営者の見栄なのだ。その見栄に孫氏が陥った、歳相応の判断力が無いのは、やはり経営者としてどこか感覚が飛んでいるのだろう。
時代の流れに乗って多額の資金を得た時に単なる「ラッキー!」と思うか、これを基礎に歴史に名を残す人間になりたいと思うか道の分かれるところだが、所詮アブク銭なので過去回帰に向かうのが大方の経営者の道だ。
例示を沢山出来るがあえて上げるとパソコンソフトのハドソンの工藤兄弟。何処に事業計画があるのかSLオタクを発揮してSL運行のスポンサーになったり、自社の研究所のベランダに路線を敷設したり。これは子供の頃に夢見た事の実現。それくらい小さな夢しか無い人間なのかよぉと僕は思ってしまうのだが。
翻って、ビルゲイツって人間は常に未来を見てる。唯一ビルゲイツの過去回帰は「BASIC」って名称へのコダワリだのだが、これは当方も拘っているので許す(笑い)。それに比べて孫氏のダイエー球団へのアプローチはなんと志が低いことか。
プロ野球球団経営てのはゲームのテーマ
甲子園に出場するチームを育てるとか、ダービーで優勝する馬を育てるとか、所詮ゲームの世界の楽しみでしか無い。実際に身銭を切って参画することが出来ないからヴァーチャルなのであって、実際に何十億も積んで参加してしまってはシャレにもならない。
先の例で言えば、フライトシュミレータの開発にオタク的な情熱を注ぐビルゲイツが飛行機メーカーの経営に手を出すようなものだ。ヴァーチャルを極めるのが目的なのに実際の世界で航空会社を経営しては本末転倒になる。実社会とヴァーチャルの間の「本末転倒」って解りずらい表現だが、自分の立っている大地を簡単に変えてはいけないってこと。シミュレーターの世界でトップを目指すなら実社会なんて無視しても良い。なまじ両股かけると全てが崩壊してしまう。
それが、今のパリーグを巡るライブドア、楽天、ヤフーの動きの実態ではないだろうか。ヴァーチャルを提供する企業が自分自身目的を定められないバーチャルな会社になってしまっては、歴史のうねりのなかで咲いたアダバナになってしまう。それが、先の三谷氏の描く「新撰組」なのだ。歴史に名を残す新撰組を三谷氏は徹底的に斬る。それは、大きな歴史の流れのなかで流れを読めない人々の悲劇であり、既に終わっているプロ野球球団興行に手を出す3社の経営の脆弱さの象徴でもある。
連綿と続いてきた現在の企業経営者から見て、今回の動きは「個人経営って好き勝手出来るなぁ」と思うだろう。その最たるものが西武グループの堤氏なのだが、この話は別に項目を設ける。
で、ライブドア落選のシナリオについて
イメージなのだと公表されるだろうが、基本的に超保守的経営集団のプロ野球パトロンが考えるのは自己の利権保持だ。我々ユーザなんかどうでも良くって、自分達の利権を守る方策が大切になる。もちろん、収益って金の話に繋がるのだけれど。
ま、自分が狭い村社会の長老だと仮定してみれば解る。とにかく誰かを加えなければならない。だとしたら、付き合い易い人間と付き合いたいのは人間の本性だろう。そもそも12人で運営されてる球団経営なのだから、それが11に減ったら、新たに加える1は現行の11の付き合いやすい相手ってことになる。
年寄りの集まったサロンのホステスが出来る奴。それは楽天なのだ。ライブドアの致命傷は「黒字経営は可能だ」と発言した時点で現在の球団経営者を罵倒してしまったから。利益を上げられない球団経営は何処かに欠陥があるって欠陥の責任者に向かって言うてのが今のライブドアだ。審査員を敵に回して審査を通るって孫子の兵法にも無いぞ!
結局、プロ野球って既得権の中で、現勢力が圧力を掛けると言うか、言うことを聞くことが可能な組織が参加権を得られる訳で、新参者ですがよろしくお願いしますって金をばらまく組織が勝ちだろう。こんな状態が日本のプロ野球なのだ。だから、企業を引っ張る経営者がその責務を放棄して後ろを向いている馬鹿企業3社は「やれやれ」なのだ。
と、ここまで書いて来たら今日の新聞には「有線ブロードバンドもダイエー獲得を目指す」とかの三文記事が出ている。なんだかなぁ、IT革命とかの尻馬に乗った「うさんくさい会社」ゾロゾロとアブリ出されるように出てくることか。
もはや「バスに乗り遅れてはいけない」式のNTTが昭和60年代に始めたCAPTAINに群がる烏合の衆の観がいなめない。そんなに今のプロ野球に将来性があるかぁ?
投資の対象なのか、郷愁なのか、ま、「やれやれな奴ら」には、あきれてしまう。
だいたい「有線ブロードバンド」って会社は....ま、ここの題目と合わないので、何時か何処かで別項で。