加藤紘一氏の「切り札」は何か!

何故、急に「よみがえるゴジラ」、加藤紘一
 梶山せいろく氏が総裁選に立候補して、同じく立候補した小渕、小泉と合わせて田中真紀子さんが「軍人、奇人、変人」と呼んだが、現在の加藤氏は当時の梶山さんと同じ立場にあると言える。表向きは最初に意見表明した相手が森派の小泉氏てのは今回の加藤氏の行動の要因を考える上で重要である。
 請われて立って惨敗した小泉氏であるが、加藤氏は同じてつを踏まないためのアドバイスを元YKKと呼ばれた一人に求めながら、もう戻れない決意を自分に得たくての小泉氏との会談だったのだろう。ところで、YKKの残る「Y」って誰だったっけ? 横路孝弘! まさか。本当に、誰だったっけ? 横井正一? 違うって! 横山やすし! ええかげんに、せい!
 東宝の怪獣モノの映画を見て何時も思うのだけれど、急にゴジラが目覚める「言い訳的理由付け」のテクニック。最初は第五福龍丸に象徴されるビキニ環礁での最初の水爆実験。これはゴジラが長の眠りから醒めるには十分説得力がある。この後、続編が沢山作られたが、説得力ある目覚めの論理は無かった。もっとも、主人公が目覚めないのではドラマが成り立たないので、不問に伏された感はいなめない。最新作(ってのも、5年も前だが)で札幌の大通り公園で暴れたゴジラが北海道拓殖銀行の本店を潰すのは、象徴的と言うのか、時代を読んだギャグと言うのか、それなりな「説得力」があった(笑い)。
 何故、加藤紘一立つなのか。これが、我々が知らない最大の謎である。その理由を「ゴジラの復活」的な興味本位(苦笑)で追ってみたい。

あの不明瞭な言葉使いが致命傷だな
 加藤さんは昔からああだったっけ? 昔幹事長を務めていた時から見ると呂律が回っていない。これは、後にも書くけれど医学的に昔の加藤氏のビデオと今の加藤氏のビデオを見比べたら普通の医者なら気が付く事があるはずだ。僕は医者では無いのでここで書くのは差し控える。これを読んだお医者さんここにメールを。
 今の政治に求められているのはアカウンタビリティ。既にハイエナのようなマスコミが森首相の料亭での会談の回数を報道しているように、「何を考えているのか解らない」ってのが現在の森首相。これはアカウンタビリティの不足。事実は「何も考えていないから、何を考えているか解らない」のだが、この「考えを表明する」って面で既に加藤さんの人生は終わってしまった。
 自分の為に自分を主張する時に、他人のために他人を養護する動きをしたがために、自らの政治家としての生命を失ってしまったのだ。時は5年前の衆議院選挙直前の日曜日、サンデーモーニングに戻る。

橋本当時首相を守った加藤紘一
 憶えている人は少ないと思うが、1995年の衆議院選挙投票の1週間前に田原総一郎さんが司会を務めるサンデー・モーニングに自民党の代表として当然ながら橋本総理大臣が出演した、同じく幹事長の加藤氏も出演した。共に、スタジオ入りでは無くて、オンライン出演であった。
 まぁ、選挙を控えたトップとは思えない橋本氏の受け答え。銀座でクラブのママを口説いているような下品な発言態度。これでは自民党票は掘り起こせないと危惧した加藤氏は必死で時の首相の橋本氏の発言をフォローする。がしかし、橋本は馬鹿なのか酔っているのか加藤を馬鹿扱いしてるのか、馬の耳に念仏、ことごとく加藤のフォローを遮って発言する。ま、僕なら「切れた」な(笑い)。
 「馬鹿を背負って戦わなければならない我々の不遇を見てくれ」と、僕なら言うな。あの馬鹿な橋本に誰が付いていくのだと叫べば良い。科学技術庁の会議に当時の科学技術庁長官の山東昭子が欠席したのは橋本とのゴルフのためだったってのが有っても総理大臣になれた臑に傷持つ「女たらし橋本」に、あそこまで丁稚するかぁ。てのが僕の加藤氏への評価。で、当然のように、橋本は選挙で惨敗し「表の舞台」から去った。惨めなのは加藤で「裏の舞台から去った」。
 日本には大統領制が無いので、最高の「政治の」権威者と言えば総理大臣である。で、誰がその器たるのかなぁ。
 結局、力関係に勝利した者が総理大臣になるのだと思っていた。がしかし、最近田中角栄の発言を読みと「総理大臣だけは時が味方しなければ成れない」って語っている。そうなんだよなぁ。政治家は「地盤、看板、カバン」で成れるけど、総理大臣はそうはいかない。がしかし、田中角栄から後、総理大臣は「時」すら無視した、ルーレットで決まっているではないか。つまり「時では無くて「偶然内閣」である。

ズバリ! 小沢一郎が仕掛人
 マスコミの報道は「自民党の内部分裂説」が多い。何故なら、番記者が自分のまわりしか見えないので今のマスコミは自民党番記者の情報しか流れていないから。
実は野党と呼ばれる側、加えて与党の中でも公明党はノーマークで良いが(笑い)保守党をマークしなければ駄目である。この党には「小沢一郎の影」が火種として残っているのだから。
結局、加藤紘一を動かしたのは長老の宮沢と小沢一郎だと思う。宮沢喜一は小渕倒れるの報に接して「河野洋平で行け」と指示したのだが5人組の密室で無視されてしまった。首相経験者として閣僚に名を連ねているのは自民党の人材不足もさることながら、それを逆手に取って次の総理メーカたる力を発揮したいから。でも、今の自民党ではお呼びがかからない。
 また、小沢一郎は自民党に火を点けるタイミングを計っていた。誕生したばかりの森政権と対決するのでは無く、馬脚を表した時に一気に攻め入って倒そうと思っている。そのために「党首会談」の時間を2回に1回にしてまで民主党から分けてもらったのだ。それを「小沢らしい」と言うか「倒閣への深慮遠望」と言うか議論はあるだろうか、小沢一郎は衆議院議員選挙の後で時自民党総裁への党首会談を通じて自民党に宣戦布告したのだ。
 そのシナリオの中に「加藤紘一を120%使う法」ってのが有ったのだろう。結局「オボッチャマ」の加藤を「国民の声」との甘い言葉で誘惑したのは小沢一郎なのだ。それに気付くマスコミが無いのが情けない。ま、あと数日したら、表面に出てくるかもしれない。

結局、政治は一寸先は闇
 自分が天下(総理大臣)になりたくて謀反を起こすのが一般的だが、今回は天下取りの様相は無い。特に加藤派が配慮しているのだが、「森総理はNo」ってことだけを前面に押し出している。それは倒した後は再編成と解っているから。自民党の内紛なのか、政局の再編成なのかとマスコミは称しているが、実態は同時平行では無く、自民党の内紛の結果どうなったのかを受けて「政界再編成」に至るのである。だから、大切な事は、「誰が加藤を動かした」であり、それを知る事によりこれらの政治空埋めることになると思う。
 ただ、政治はアカウンタビリティに欠けるので「一寸先は闇」である。全て「推測」に過ぎない。ただ、あまりにも「野党」が静かなのが不気味だ。

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2000.11.13 Mint