自民党は政権離脱状態みたい
小泉内閣=行政府、自民党=立法府なのにねぇ
マスコミも解ってないのは日本記者倶楽部で行われた「党首討論」での小泉首相の扱い。基本的に今の制度では自民党総裁=内閣総理大臣なのだが、立場としては自民党総裁は政党の、つまり立法府の中の話し、内閣総理大臣はどのように選ばれようと行政府のトップ。この違いが長期の自民党政権の期間にあやふやになってしまった。田中真紀子外務大臣の「審議会でのあの鈴木宗男、どうにかならんか」っての発言は、自民党的因習の延長線にある。実は、田中真紀子は親父の政治活動を見て「最も自民党的体臭」の議員なのだ。
その言動を批判している自民党議員は、自らの体臭に気が付かないのだ。小泉は行政府の長。だから、政党討論には自民党の姿勢を担って幹事長が出てくるのが筋なのだが、テレビの、いわゆる政治番組も、ワイドショー的になってしまって、小泉を自民党代表と扱ってしまう。
行政府に頼る立法府って視点で考えると
そもそも、「憲法違反」ではないかと思うのは、「三権分離」の構造が出来てないこと。「小泉内閣」にたよる「自民党」は、行政府に頼る立法府の構造である。明治時代に「帝国日本国憲法」が発布された時代に戻ってしまうのか。当時は三権は全て「天皇」に有った。加えて、国民の権利も「神(の具現した天皇)によって、与えられたもの」の範疇であった。
小泉首相批判の理由に「独裁的臭いを感じる」と言う人は多い。この人達の感覚は鋭いと思う。それは、受験対策としてしか学ばなかった日本国憲法に小泉内閣を想定した部分が無いからだ。小泉政権とは「議員内閣制で選ばれた内閣総理大臣は、政党の合意を得ている」て前提が成り立たないように見えるのだ。
これって、民主主義の原点から検証すると誤用の懸念が小泉内閣にはある。
三権分立に違反する自民党の選択
三権分立がおかしいって議論はここでは述べない。じつは、子供の頃から「絵空事」の「三権分離」が自民党と社会党のいわゆる55体制には政治(立法と行政)に取り入れられてないことを知っていたから。
政党は立法府として自らのエーゾンデートル(存在理由)を示さなければならない。行政府を担う政党だからって論理は憲法の「三権分立」に違反するだけではなく、立法府の自滅である。自滅しても議席が欲しいってのは、政党の選択する方針としては「自滅の論理」なのだ。「政治家は政治家だから政治家」って姿勢が「選挙至上主義」、そのためには憲法違反も辞さないって選挙に今回の参議院選挙は突入している。
それが許された時代、これからの時代と考えると、もはや自民党大敗としか読めないのだが、そうならない結果が示されれば、それはそれで民意なので僕は従いたいと思う。
カナダにでも「みやげもの屋」を作って日本を離れよう(あれ? こんな奴居たよなぁ)。
小泉人気への依存ってのは、立法府の放棄なのだ。その放棄をして当選する議員って、行政府に身を売った立法府。つまり、ドイツが「ヒトラーも選挙で選ばれた」って一見民主主義的な論理があるが、実は行政府の監視システムが無かった立法府って問題を世界に示したのだ。ところが、今の日本は行政府に従う立法府になりたがってる。
政権さえ担えれば、どうでもいいんだ、って自民党は「民主主義って何?」って考察も出来ないくらい経済団体なのだ。何度も言うけど政争は経済界の欲求に行政府が同調した時に起こる。
それを抑制する「三権分離」が出来ない自民党は、何処に向かっているか見えない。
昔の自民党は曲がりなりにも政策集団だったって話し
日本記者倶楽部主催の党首討論会を見て思ったのは、小泉が森と同じ穴のムジナだったってこと。社民党の土井党首に「どうも、土井さんの考え方は民主党の鳩山さんとも違うし、自由党の小沢さんとも違う。どちらかと言うと共産党に近いように見えるけど、そんな関係で政権を担う連合が組めるのですか」って質問した。先の国会での党首討論でも森が鳩山の質問が終わった後に「一方的に言われただけじゃかなわん」と言って反対答弁をした。その内容が「野党の党首それぞれ意見が違うのに政権を担うことなど出来ないでしょう」って話し。
ま、小泉首相に対して土井党首は「あんたたち3党で出来るんだから、全然問題無いでしょう。ご心配なく」と捨て台詞だったが、もっとウイットにとんだ返答はできなかったのか。
例えばこんな風に。
「小泉さんに心配いただくような要件では無いと思いますが、質問いただいたので答弁させていただきますけどね。
過去の自民党には派閥毎に政策が有ったでしょう。何時の頃からか知らないけれど、政策なんてこだわらない、利権こそが大事なんだと派閥の目的が変わって、派閥間に政策論議が無くなった。
違う施策を持ちながら事を進めていく姿勢が自民党に無くなった。しかも、同じ考えを持つ党外からの勢力も取り込んでなんとか与党政権党となってる。
我々野党はそれぞれ政策は違うかもしれない。でも、政権を担うって責任の元、大昔の自民党がやっていた派閥別政策の違いを越えた政治って例があるのだから、なんら問題なく政権を担う事が出来るはずです。
ここに列席してる鳩派の鳩山さん、鷹派の小沢さん、ちょうどこのバランスを取る私が居れば政権担うになんら問題は無いでしょう。あ、共産党さんはそちらの公明党さんと同じ福祉路線重点主義なのでちっと歩調が違うかもしれないけど。
私は憲法学者なので言わせてもらいますけど、靖国神社公式参拝って事だけでもそちらの意志疎通はおかしくなってませんか。「そうはイカンザキ」なんてのは、私が8月15日に靖国神社前で言いたい台詞ですよ。神崎さん一緒に行きませんか?
「そうはイカンザキ」って言う方向が間違ってますね。でも、それが政権を担うってことなんでしょう。えらく勉強になりますよ。しかも、その程度なら我々にも出来る。そう見ていますけどね。
小泉さんは国民の、特に女性に人気があるらしいですが、原宿あたりで若いうちの党の関係者にそんな事を言ったら「余計なお世話です」って言われますよ。ご自分の足元を見ないで、「大丈夫ですかぁ」って問いかけは滑稽ですらありますね。」
こんな答弁が出来ないかなぁ。本音で語れば良いってもんじゃない。田中真紀子の下品はここにある。自分の言いたい事を「青年の主張大会」のように述べるだけでは無く、相手を自分の土俵に巧みに寄せる、そんな会話が出来てこそ政治家が政治家たるのだ。もっと勉強してもらいたい>各党首。