日本丸沈没の船長、小泉純一郎
腕を上げつつある菅直人
歯が痛い(笑い)。治療のために半休を取ったので国会中継を見てしまった(1/24日の午前中)。なんともキャンキャン吠える菅直人が大人になって演説出来るようになったのが目新しい。しかし後半、小泉首相の論点外しの拡散攻撃に論点を自ら変えていくのは昔のままだ。
たぶん民主党は「小泉総理に対決する演出」で挑んだのだろう。最初の質問で「その前に、NGOの参加を控えるように鈴木宗男氏が指示したのか」と田中外務大臣にただしたのに対し「そのように事務方から聞いている」で1ポイントあげた。菅氏はうやむやにされると思ったのだろう。田中外相の答弁に面食らいながら喚問を要求した。
続いて武部農水大臣が札幌での講演で「狂牛病を水際で防ぐのは当時の菅厚生大臣の仕事」に言及し、牛のエサは農水省の所轄だってことも知らないで農水大臣が務まるか。って発言。これには当の武部農水大臣が陳謝してまた1ポイント獲得。ここまでは菅氏のペースで進む。
構造改革したら景気回復するか
切り口は鋭い。基本的に構造改革と景気回復は別物。その双方に的確な対応を行う事が必要で、構造改革だけで良いものでは無い。小泉首相の経済オンチは明らかで、ここを突くために「構造改革したら景気が回復するって仕組みを説明せよ」と迫る。ここから小泉流の論点そらしが始まる。この論点そらしに菅直人が振り回され始める。先に獲得の2ポイントをあっさり吐き出してしまう。
小泉首相と議論するには通常の対決姿勢では逆に論点をすりかえてカワされる。かと言って言動を批判しなければならない。そこでもう少し頭を使えば良いのだ。首相の経済オンチを引き出すために用意された資料は技に溺れて説得力が無い。そもそも、そんな問題には国務大臣が答えれば良いのだ。
問題は、方針を示すのが首相の役割で個別課題は国務大臣の所管なのだ。その方針が間違っていることを示したいのなら、技に溺れず単純明快な切り口を用いて、相手の総ての出口に先回りして塞いでしまう方法が必要だ。
小泉標語に景気回復の芽は無い
小渕→森で5000円、森→小泉で5000円、あわせて株価が10000万円も下落したのは何故か。日本経済の減速に歯止めがかからないのは何故か。的確な景気対策を行っていないからでは無いか。国民の支持率の高さは「期待度」。その期待に応えられてるとはとうてい思えない。「構造改革無くして景気回復無し」では無くて、景気回復には長期的構造改革、短期的セィフティネット構築、予算の新産業育成に向けてのリストラクチャリング、これらの政策を実施しなければ日本は沈没してしまう。あなたには、それをやる力が有るのか。構造改革の呪文を唱えているだけでは駄目だってことが解っているのか。
こんな切り口であくまで首相答弁を中心に進めるのが作戦だろう。首相の経済オンチを晒すために、百科事典から引いてきたようなテクニック論議では駄目なのだ。それが民主党が青臭い所だろう。小沢一郎はこのあたりが巧い。ただ、少数野党なので登場の時間が少ない。
日本の行く末を案じる野党って
中継を見ていて思ったのは昔の野党は不景気なときに中小企業対策とか雇用保険支給延長とか具体的利益を求めて議論していた。「おまぇには この日本を任してはおけねぇ」って論調は与党の中の派閥争いの中には有ったが与野党間には無かった。
確かに政治が変わってきてる。野党は特定の団体の解体によって支持基盤を広く市民に求めるようになった。しかし野党はあいかわらずの特定団体の利益代表基盤に乗っている。中曽根行革で国鉄がJRになり、電電公社がNTTになって旧社会党的野党は壊滅した。本来ならば総与党体制になるはずが、結局、自民党が割れて野党が出来た。政策立案のプロセスを知ってる野党ってのは新しい政治勢力として旧来の野党と違った理念が有る。それが「この日本をどうするんだ」ってことが国会で論議されることに繋がる。
一部の人間の密室での決定。これが完全に払拭される日は近いかもしれない。
「今年は選挙が無いからじっくり改革に挑む」って年頭に小泉首相は述べていたが、このままの経済体制、円高による日本売り、3月危機。以外と衆議院解散総選挙は有ると見る。
過剰な円安が日本をアルゼンチンのようにするのだ。1ドル150円を超えたら、日本は抜本的な構造改革を黒船(外国)から求められる。アメリカ国債を売って国内経済を立て直す。これって、共産党にしか出来ないかな?