俄然、流動性を高めた北海道知事選挙

堀知事不出馬宣言でどう動くニセコ町長
 なんか昨日(1/15)の夜のニュースあたりからきな臭くなってきた。NHKのニュースの表現は「堀知事は不出馬も視野に入れた検討を開始した」と非常に歯切れの悪い表現で伝えた。これが今朝の新聞になると「不出馬表明」となっている。
地方の時代にも関わらず、役場の時代を8年間地方自治に引きずった堀知事および北海道庁だが、新しい時代の幕開けを歓迎したい。また、勇退を決意された堀知事には「ごくろうさまでした」と皮肉でもなんでもなく敬意を表したい。トップは自らの進退を自ら決めなければならない宿命にある。その意味で、今の時期が最適だと思う。
 これで今年の北海道知事選挙は乱戦になると思われる。「堀立たず情報」によってニセコ町長の逢坂氏が立候補する可能性が高まってきた。逢坂氏は現職の堀知事との対決はまったく念頭に無いと思われる。だから堀再出馬の段階で、逢坂氏の立候補は無くなる。しかし、状況は変化した。これからの出馬の顔ぶれによっては逢坂氏が動く可能性は高いだろう。

結局、後出しジャンケン勝ちになるかもしれない
 様々な人の名前が上がっているが、現職の堀知事と対決する選挙戦では無くて、まったく横並びの選挙戦となると誰にもチャンスが有る。やはり現職有利の選挙にあえて挑む人間は少ないだろうから。
同じ状況が4年前の東京都知事選挙であった。青島知事不出馬宣言から多数の立候補者が出た。桝添氏、鳩山氏(弟)等々がマスコミを賑わしていた。運命の3月10日に石原慎太郎氏が立候補表明して一気に知事の座に掛け昇った。世間では「石原の後出しジャンケン」と揶揄された。
 現在候補に上がってるのは高橋はるみ氏(自民党推薦か? 本人は固辞の可能性大)、若山俊六氏(共産党推薦)が明示されてるが、僕の知る範囲ではこれ以外に可能性のある候補者として、先のニセコ町長の逢坂氏、芦別出身で現在NHKニューヨーク支局長の手嶋氏、堀知事自ら打診したと言われる三井物産戦略研究所の寺島実郎氏、なんかの名前も上がっている。先に書いたように元民主党党首の鳩山由紀夫氏もその候補の一人だ。
3月27日の告示に向けて選挙準備は誰も時間不足の状態にある。まして、堀氏の後継指名が無い状況では全て一線横並びと言える。
この場合、やはり「後出しジャンケン」有利と思われる。順次立候補表明すればそれぞれの候補者に対して市民には「こいつも、いまいちなんだがなぁ」って感情が沸く。いままでの道政と何処が違うのか、これを立候補表明して語れば語る程、違いが明確にならないジレンマが有る。今の選挙は「要は私を信じてくれ」って候補の選抜なのだ。それを市民に訴えるのは今までの実績と意欲、姿勢なのだ。しかも旧来の「行政手腕」って実績はまったく役にたたない。逆に現在の行政を改革するに足る「改革の実績」こそが市民にアピールする。
 そのためには、立候補表明を先行して政策浸透を図るなんて選挙戦術は時代遅れなのだ。要は人柄と実績を踏まえた人生の集大成だった事が被選挙人の意識に有るか無いかなのだ。役所から出てきた候補者が軒並み惨敗しているのは、市民は現状の延長線上には希望が持てないと信じてしまっているからだからだ。ここをブレークスルするのが選挙に勝利する秘訣だ。
そのためには、先の改革の実績、意欲、姿勢が揃っていれば後から立候補表明したほうがより新鮮で有利に展開できるのだ。だから、前述の誰にでも可能性は有る。要は立候補表明のタイミングなのだ。

鳩山氏有利、逢坂誠二氏はタイミングを良く計れば
 国会議員をいつ辞めれば良いのか仕組み的な部分は解らないが、どたんば出馬!って方向で検討するれば鳩山氏有利な展開になるだろう。逢坂氏はその後で立候補表明しては追いつかないから何時か解らないまでも鳩山氏の立候補表明の前日に立候補表明が必要で、かなりタイミングが難しい。
 何故、北海道知事に立候補するかの説明がしっかり出来れば鳩山氏には十分勝算がある。逆に、わけがわからず落下傘的にって雰囲気になってしまうと逢坂氏の役所経験に押しつぶされてしまうだろう。
残念ながらとうの鳩山由起夫氏は知事選を全面否定しているのだが
Any Way
話は変わるが今週の小泉メールマガジンは傑作だった。特別寄稿が東京都知事の石原慎太郎氏でおよその内容は以下のとおり。
イズベスチアの記者と話した内容を例に取り、日本は旧ソ連も成し遂げられなかった社会主義を経済発展と平行して築いてきたと石原氏が述べたことに記者が同意した後、返す刀で、でも日本は旧ソ連共産党のように巧く崩壊していない、現在の自民党が崩壊していないから体制の変革って意味では日本はロシアに遅れているって話。
これをメールマガジンに載せる小泉氏も石原氏もなかなかだと思う。小泉氏の「自民党をぶっつぶしてでも!」が感じられる。それに現在の自民党メンバーはどのように反旗の狼煙を上げるのだろうか。

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2003.01.16 Mint