政治>北海道知事選挙、誰が次の知事に
まだ、公示に時間があるが
現時点で北海道知事選挙に立候補を表明しているのは以下のメンバーだ。いちおう氏名の50音順としておく。
1)元副知事の磯田憲一氏(58)
2)元代議士で弁護士の伊東秀子氏(59)
3)元北海道財務局長の上野憲正氏(58)
4)元道議会議長の酒井芳秀氏(58)
5)元北海道経済産業局長の高橋はるみ氏(49)
6)元北海学園北見大教授都筑利夫氏(72)
7)民主党代議士から知事を目指す鉢呂吉雄氏(55)
8)道教組委員長で共産党推薦の若山俊六氏(64)
「政策」なんてのは選挙広報を読めば良いので、ここではそれを話題にはしない。そもそも、選挙広報を読んで納得して投票する市民が多いとは思わない。組織が作った公約を作文してるだけなのが「公約」ってのは何回も投票した市民にはバレバレなのだから。
さて、この中の誰かは4月13日の選挙の投票結果で北海道知事に就任する予定だ。これから立候補を表明する人間は居ないとは思うのだが、ま、それは前回の東京都知事選挙の予測の外れを招いた要因なので、あえて、この8人を対象として現時点(3月9日)で書いてると理解してもらいたい。
正直言って、誰も北海道知事に成りたく無いのだろう。小学校の学級委員と同じで「誰かが務めなくてはいけないのだから誰かがやれば良い」的な状況が昨今の地方自治の風潮なのだ。それをかのニセコ町長の逢坂氏は「お任せ民主主義」と呼んだ。まさに、地方自治の世界で組長を選ぶのは「お委せ」の構図であったのかもしれない。でも「東京から日本を変える」と言った東京都知事の石原氏の発言は、日本を変えるには直接投票である組長選挙から打開の糸口がある、との流れを市民に惹起したのではないか。「誰かがやれは良い」的な逢坂氏が言う「お任せ民主主義」が既に過去のものになったのだ。ニセコに居て情報を得られないハンデはあるだろうが、長野県の田中知事って存在は、そして東京都の石原都知事って存在は、市民が既に「お委せ民主主義」で無い結果だろう。ニセコ町だけが「お委せ民主主義」だったのかなと逢坂町長の発言に少し首を傾げるのだが。
地方自治と国政では違うのだってことを市民が理解し始めたのが知事であり地方自治の精神なのだ、これに日本は60年を費やした。そして、組長は対立する緊張関係を持てる人を選ぶって思想が広がりつつあるのだ。その意味で、ニセコ長の逢坂町長は本人が最も嫌う「組織に懐柔された」ってイメージを受け入れられなくて知事選挙不出馬なのだろう。もっとも、出馬しても当選する可能性は低いと思うのだが。
結論を急ぎたく無い
アメリカは好きな国家では無いけれど、基本的に州知事が大統領選挙に挑む。地域の代表として国政にも意見するのだ。但し、地方の代表と国政には明確な分岐点がある。今の石原都知事が北朝鮮問題で発言するのは越権行為なのだが、ま、石原慎太郎個人としてのパフォーマンスならば許される。「国政にもの申す」て知事が生まれているのは、長野県を例に挙げるまでもなく、議会民主主義制度が旧来の政治制度であり、市民の制度として受け入れ難く、それ故に崩壊してるのだって事実を理解すべきだ。つまり、地方自治においては政党による政治はもはや崩壊の道を辿っているのだ。それに気が付かないのが既存の政党で、上記の候補者も政党依存なのが悔やまれる。僕は北海道知事選挙には白紙なのだけれど、基本的に「北海道」に住む人々が何を考えているのかの試金石だと思う。
北海道って地域をどのように発展(ま、発展しなくても僕は良いのだけれど)させるかって事を決めるのは行政のトップの知事なのだ。それを直接選べる機会に市民が選ぶのは誰かってことで、大きく言えば民度の象徴が知事選挙につながるのだ。結局、公共事業に頼って喰って行くのか、貧しくても自律を選ぶのか、それを個々の北海道民が考えなくてはいけない。単に「支持政党の意見だから」みたいな組織票はもはや自律した市民には受け入れられないのだ。
結論はある意味で見えている
リコールでも無い限りこれから4年間お付き合いしなければならない北海道知事に誰を選ぶかは北海道に住む市民の責任なのだ。その責任を果たせるかどうかが4月13日の投票なのだろう。そこで「お委せ民主主義」なのか「自らの1票」なのかが問われる。基本的に今回の知事選挙の結果が北海道に住む市民にとって北海道は住む価値があるのかって逆試金石になると思う。炭鉱、国鉄、公共事業って構造に依存して過ごした時代は安楽だったかもしれないが、時代は確実に動いている。「過疎地の北海道故に」って説得力は今は無い。過疎地の窮状を訴えて国民の税金を再配分してもらう時代では無いのだ。そもそも、国家が税金で賄われる律令制度が崩壊しているのだから。
残念ながら上記の人達から選ばなければならないのだから、結論は見えている。誰がどうかでは無くて大きく二つの流れしか無いと思う。ひとつは現在の延長線上に活路が有るかどうか。もう一つは苦労しても新しい北海道に向けて努力するかである。具体的に候補者の名前を上げないが、この流れのどちらを選ぶかが北海道に住む市民に課せられた命題なのだ。
ここまで読めば結論は明確だと思う。現在の北海道知事選挙候補者の中でモラトリアムに現状の延長線上にしかビジョンを書けない決断の出来ない候補は7人居る。彼らは選択肢としては無難な安全稗なのだが、長期的には北海道は破綻し、ロシアに「逆北方領土」と呼ばれかねない程に経済も文化も破綻してしまう先導役なのだ。
唯一、延長線では無くて、壊し破壊する候補者が居る。彼女が勝たなくては北海道に未来は無い。もちろん、彼女が北海道の未来を描けるとは思えないが、新しい価値観を植え付ける坂本龍馬的な役割は果たせるだろう。出来れば、道筋を作った上で4年任期に拘らず英断を振るって壊す自分と作る後輩へのバトンタッチをしてもらいたい。
僕の北海道知事選挙の結果は「あっと驚く、伊藤秀子」って蓋があくと思っているのだ。坂本龍馬的なことが出来る人が次期北海道知事なのだ。で、任期は2年で旧秩序を破壊し、新秩序は後任に託して辞任する。
別な表現を使えば、全道労組が一番就任して欲しくない人を選ぶべきだとの視点がある。民意をくめない組長に我々はイライラしてるのだ。役所ぐるみの行政では無くて、市民本位の行政を実現させたいのだ。
そのためには「見直し」では無く「破壊と再構築」が必要な程、現在は行き詰まりなのだ。明治維新直前、江戸幕府末期と同じなのだ。