小泉純一郎圧勝で総選挙?
総裁選挙に勝って衆議院解散
僅差で勝利、地盤固めに衆議院解散、破れて、破れかぶれで衆議院解散。このあたりを予想していたのだが総裁戦に勝利して首班指名、衆議院解散総選挙ってのは選挙にどんな「名目」が有るのだろうか。自民党内の反対勢力(反小泉勢力)を一掃しようってのなら自民党のための総選挙で、まさにコップの中の嵐がコップから出てきたことになる。
総裁選挙で自民党の支持を国民の支持にまで拡大しようとするなら思い上がりもはなはだしい。マスコミの世論調査の支持率そのままに票に反映されると思ったら大間違いだ。仮に小泉氏子飼いの候補者が当選するとして、それは若手で元々自民党的と言うよりは改革派でボタンを掛け違えれば民主党の候補でもおかしくないって人材だろう。これが公明党や保守新党と連立で巧くやっていけるはずがない。つまり、公明党排除、単独過半数に絶対の自身があるのなら総選挙の名目は立つ。でも山崎留任のための小細工総選挙はミエミエではないだろうか。しかも参議院の過半数割れは来年の選挙までどうしようも無いのだ。それまでは公明党と連立せざるを得ないのだ。
派閥は「ぶっこわした」のだろうか
最大派閥の橋本派は壊したと言えるだろう。森派を除けばその他の派閥は吸引力を失って路頭に迷っている状態だろう。そもそも吸引力とは何か。それは選挙での勝利をもたらしてくれる派閥のドンの金と公認候補取りだろう。が、選挙制度が小選挙区制になり一党一人が原則になり、今までのような自民党同士が戦うって構造が無くなった。これにより派閥のドンが密室で交通整理する事も無くなった。また、一方では当選回数を積み重ねて大臣のポスト枠を派閥に割り振る習慣も小泉首相からは無くなった。当選を重ねやがて国務大臣にってポストの順送りも無くなったのだ。これでは派閥が機能しなくなるのは当然だ。
最近は良くも悪くも大臣の職責と名前が一致する。過去は文部(旧)大臣やってみたり通産(旧)大臣やってみたり、何が専門なのか解らない大臣の椅子取りゲームだったのだから、少しましになったのだろうか。その意味で若手代議士には「自民党に居る必要性」すら考えてしまう者も出るのではないだろうか。
宮沢喜一元総理大臣がサンデープロジェクトで田原総一郎氏に「いやぁ、田原さん、政治はクリーンになった」と考え深く話したのは田中支配からの一連の自民党が大きく変わったことを実感してるのだろう。これが「ブッコワス」に該当するかどうか別な話だが、基本的に旧来の「自民党的な」ってものは無くなっているのが実体だろう。その意味で、小泉任期が切れる3年先に誰が後任の総裁になるのか。真に小泉首相が自民党をブッコワス事が出来るなら40代の若手首相の誕生もあり得るだろう。ただ、僕は安倍晋三だろうと今から思ってはいるが。
公明党は首を洗って待つ
小泉人気にあやかって与党のポストに収まっているが、自民党が圧勝すれば公明党の存在意味が無くなるのだ。僅差であればこそキャスティングボードの妙を発揮できるが小泉流で押し切られたら公明党不要論も出てくる。保守新党は自民党に吸収合併の道が有るが公明党にはその選択肢は無い。
民主党との連立って手も有るがそれは与党って吸引力が民主党に有る場合に限られる。野党連合なんていまさら公明党が言い出しても小沢一郎氏が認める訳が無い。そもそも与党連合の立て役者は変節の人、野中ひろむ氏であり、野中氏が引退した後で参議院の青木氏が接着剤の役には立たないだろう。
小泉首相は公明党との連立に可も不可もなし。ただし、自衛隊派遣やアメリカのイラク攻撃で煮え湯を飲まされている公明党は与党ゆえの苦しみで支持母体からそっぽをむかれる可能性がある。が、そこで支持母体を立てて頑張ると連立解消に結びつくのだ。
「毒まんじゅう」は有ったのか。これも組閣によって明らかになる。橋本派から何人内閣に入るかだろう。僕は青木氏は騙されていると踏んでいる。このリトマス試験紙の一つは「山崎続投」で、これは青木氏が勝手に言質取ったと思っていることと違うのだ。次が竹中続投だろう、そして、最大の人事はその他の民間大臣の去就だ。また、塩川引退をうけて財務大臣の後任、評判の悪い福田氏の扱い。以外と安倍晋三外務大臣の目も有るのだろうか。
ここで「毒まんじゅう」が有ったとなったら、解散総選挙で格好の野党の攻撃材料になる。まさか、それに気が付かないで解散総選挙って事は無いだろう。だとすると青木氏が望むことは全て反故にされるのだ。