アメリカのイラク攻撃は面子保持なのか

戦争が始まって株が値上がり
 何か変だ。戦争と言うか武力行使が始まったのに株価が上昇している。武力行使は破壊なのだから経済は縮小するはずだが、短期間の武力行使なら復興につながり経済が活性化する。どうも、今回のアメリカの武力行使は経済界から見たら破壊と復興がリンケージした経済拡大につながるって受けとめられたなのだろう。
本当にそうなのだろうか。
 戦争を兵器産業界から見たら「需要の拡大」なのだ。何度も書いているので耳にタコの人も居ると思うが、日本の昭和の戦争は経済とリンケージした経済侵略だったのだ。それを五味川純平の「戦争と人間」は描いているって話しを何度もしている。
ある意味で正しい用語用法の「リストラクチャリング」なのだ。在庫が多い兵器を武力行使で使う事により新たな需要が生まれるのだ。今回のイラク攻撃は単なる兵器在庫の棚卸し処分的な行動と思って、経済界は武力行使による経済活性化が有ると読んだのだろうか。
 「大量破壊兵器を危険な指導者に渡すな」って考えは全然的を外している。小泉首相ってのはまったく脳天気なシトと思うのは大量破壊兵器を持つ資格が選らばれた民に有るってワケワカメな思想を支持している点にある。これはアングロサクソンの「選ばれた我々」って考え方だ。先の世界大戦でドイツが一番やり玉に上げられたのが人権を尊重しないユダヤ排除だったのだが、21世紀を向かえても人類は人種による選ばれた人々って感覚が残っているのだ。それが、アメリカをして「えらそーな発言」に通じているのだ。それを小泉首相は「支持する」って芸者になっているのだ。日本国民全てが小泉に追従して芸者を演じるのでは無いことが昨今のデモ行為に現れてるのだ。(職業的差別発言で無いことを断っておく)

シナリオが既に書かれているのか
 株価を見ると表面に現れないが影のシナリオが有るのだと思う。それを知っている人間が株取引をしているのだろう。実は前に書いたが株取引シミュレーションのゲームを1年に渡ってしているのだが、不可解な動きってのを目にする。特定の企業の株価が14時あたりに急に上昇する。翌日の新聞を読むと「新技術を確立した」とか書いて有る。多くの上場企業は結局インサイーダ取引を防げないのだ。情報を得た人間が自分の有利に向けて取引するのだから、明らかに「有利な情報を得た」って集団を認知しているのが証券取引所って考え方は建て前では無くて実情として目にするのだ。
ま競馬なんかも同じなので特に何も言うつもりは無い。結局自分の得意分野で市場を作ったのが証券取引なのだなぁと感じる。どうやって金儲けするかの「ビジネス・モデル」なんて事柄は昔から有ったのだ。証券取引って行為そのものは「資本本位主義」の中での資本の提示って機能するのだから体制が変かしたり、そもそも人類にとって「資本本位主義はおかしい」て話しになれb存在事由を問われるのだ。僕は証券取引を含めて過去の既得権と考えている。今から新たな証券取引所が作れない現状を踏まえれば、証券取引は既得権を利用した生長を認められたビジネス・プランなのだ。
 武力行使には事前のシナリオが必須なのだ。目標提示が無ければ武力行使に参加する人々の「何時終わるのだ」ってゴールが見えない。今回のイラク進攻はフセイン打倒(ま、亡命も含めてイラクの政治中枢からの排除)が目的。加えてアメリカが言う「大量破壊兵器の抹消」なのだ。
序戦で巡航ミサイルでバクダッドを攻撃したのは直接的にフセインを狙って、言ってみれば「暗殺」できれば、このゴールは早いと思っての作戦だろう。アメリカが考えていた戦争終結へのシナリオには、バクダッドへ迫る絶対的武力を誇示し、首都に迫りイラク国民に圧力をかけ、イラク内部からフセイン打倒を引き出す。これが戦後の復興をイラク国民に託し、金も手間も掛けないで目的を達するシナリオだったろう。
「ここでバクダッドに巡航ミサイルを使えばフセインを抹殺出来る」って意見にブッシュが許可を与えたのが予想外(僕の)の序戦でのバクダッド攻撃だったのだろう。で、それが、成功したか失敗したか今時点(3/21)では解らない。

楽観主義こそが泥沼を招く
 他国の政治体制を国外の武力行使を持って行うって行為そのものが国際法違反で、そんな行為を行う政権は頭が悪いと思うのだけれど、初日、二日目と見ていると短期決戦、短期決着がブッシュ政権のイラク戦略に思える。これは単にイラクがそう演出しているのかもしれないが。
 武力行使が始まってしまった今、早期終了こそが次に考えなければならない事だろう。各国のシンクタンクは3ヶ月以内の終息であれば世界経済への悪影響は少ないと試算している。長期化すると世界経済への悪影響は多大だと試算している。
考えてみると長期化は有り得ないと思う。先の株価が落ちないのは短期終息としか考えられない各種状況が有るからだろう。僕はそこに油断があると思う。日本が太平洋戦争で喫した泥沼は序戦での勝利にある。これで慢心して和平工作になんら努力を払わなかったのだ。同様に、今回の武力行使でも序戦の快進撃に酔ってしまってはいけない。
 一つのリトマス試験紙はブッシュの中間選挙までに戦局が終焉しているか、だろう。それが未達だと意外と今回のイラクへの武力行使は長期化する恐れがある。ベトナム戦争が泥沼化したのは、何時か勝てるって盲信するだけの無責任さがアメリカか国民に有ったからだ。結局、現代は戦国時代では無いので、政治は選挙でしか変わらない。この選挙でその時に未決着だったとしたら、Noと言えなくてはならない。その良識がアメリカに有るのか、また、そのシナリオをイギリスが補佐出来るのか。このあたりに世界は注目してる。
どちらにしても、5月末までは状況は不安定に推移するだろう。株価や為替も同じように不安定に推移するだろう。但し、5月末には結果が出て、その時に武力行使の目処が見えなければ市場は一気に急降下するだろう。

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2003.03.21 Mint