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あえてクルーと書かないのは、FMS(フライト・マネージメント・システム)が導入されてから運行全体をコーディネートするのは搭載しているコンピュータに変わりつつあるって原状があるから。
例えば羽田空港に着陸しようとする。この場合、羽田からどれくら手前からディセンド(降下)を始めると良いかはFMSが教えてくれる。考えようによっては、パイロットは何も考えずFMSの指示に従う。混雑が予想されるのでなかなかディセンドの承認が得られないだろうから、あらかじめ低い高度の許可を得て羽田に近づくなんて企画力を発揮する余地は無い。同じようにVFR(有視界飛行)で東京湾をショートカットして着陸しようとしても、よほど航空路が空いていれば別だが、管制は「いいから順番に並べ」となってパイロットは従うだけで企画する必要も無いし、しても通らない。 で、そのようなシステムになっているにも係わらず「ここは、いっちょ、腕と長年の勘で飛んでやろう」なんてことすると、大問題になる、周りに迷惑をかけてはては重大事故につながるかもしれない。だから、現在のパイロットは決められたルールに従い航空機をオペレーションするオペレータに徹することを求められる。高度計が狂ったくらいなんだ、みたいな豪傑ははなはだ困った存在なのだ。 がしかし、このようにパイロットにオペレータに徹するように求めながら、かたや計器が故障していたのでは空の安全は無い。高度計が狂ったくらいなんだ、では無くて高度計は狂わないからその指針に従えってことなのだ。その訓練を繰り返し受けているので機体が大きく左に傾いても目の前の水平高度計のシンバルが傾かなければパイロットは機体は傾いていないと判断する。 つまり、機器の故障はそのフェイルセイフとして人間系でカバーするって事になっていないのが現在の航空機運行だと今一度確認しておくべきだ。 だから、「精神力で故障を防ぐ」みたいな化石のような国土交通省の指導はなんら実効を上げない。もっと機器に詳しい通商産業省の人脈を利用して故障を防ぐ手法を研究しないと今後事故は根本的に減っていかない。 |
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何故か着陸時に起きている事故が多いのは偶然だろう。閉鎖している滑走路へのアプローチ誘導とか、実際に降ろしてしまったって管制ミス。ま、これは人間系に起因するのだが。着陸後に前輪2本とも逸脱。これが離陸直後に起こっていたら。まさか幻の爆撃機、富岳の離陸じゃないのだからタイヤを捨てるって構造は無いだろう。で、離陸時脚収納時にタイヤが外れた場合。シミュレータにも無い項目だからいかに着陸するか大変な騒動に発展する。前代未聞の着陸劇になるだろう。たまたま、着陸後外れたからしょうがないからそのまま走ってとん挫ってことで済んだのだ。
最近は現場に出ないので3月の始めにひさしぶりに東京へ出張したが、時間に余裕が無いので日帰りトンボ帰り。利用したのがB−777。正直言ってひさしぶりの航空機は大変怖い存在になっていた。大型エンジン2発のB−777がエンジン故障かバードストライクで離陸中にエンジン1発アウトになった場合、左右のアンバランスを何処までパイロットは調整できるのだろうか。 機体はジャンボ並みでエンジン2発の恐ろしさを離陸時に感じた。もちろん、それなりの対応はマニュアル上はあるのだろうが、1発あたりの出力が大きいだけに、故障時の対応は4発よりも職人芸になるのではないだろうか。数年前にアメリカのパイロット協会だったと思うが旅客機に使うエンジン1機当たりの出力を制限せよと述べていたのは、まさに、このようは機体に潜む危険性なのだと実際に乗って感じた。 では、故障はどのように防ぐか。それは精神力では無くて工業数学的確率論の世界に入る。それとファイルセーフチェック体制で無駄かもしれないが何度かリチェックするって方法だ。だが、これにはコストがかさむ。 競争力強化のためにコストダウンは航空産業でも同じだ。ただ、現場サイドから見たら「コストを切りつめろ」って叫ぶ管理職を外して、その人件費でリチェックする体制を整備するほうがよっぽど安全性が向上する。安い海外で整備するって手段を安易に選ぶが、その場合、運行責任としてのリチェックコストは上乗せしなければならない。これを外して「まるなげ整備」でコストを落としているとやがて報復される。 |
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JR西日本の尼崎での脱線事故の項でも書いたが、運転手を精神的に追いつめる数々の外的要因こそが事故の再発防止に向けて配慮しなければならなに遠因なのだが、運転手に全ての責任を被せてお終いってならない事故調査を期待する。
同様にパイロットも各地で起きる重大インシデントに何時か自分が巡り会うと潜在的なプレッシャーを感じている。航空事故が連続して起きる要因を分析した研究によると、人間の弱さが絡んでいるとの意見がある。重大事故が起きると自分がその場面に遭遇したらと考えて普段の積極性が萎縮してしまう。その時に普段なら回避可能なトラブルをますます深みに追い込んでしまうって説だ。 実は現役のパイロットと話していた時に「パイロットの資質って何が求められます」と聞いたら「ながら族、好奇心、ユーモア」と答えてくれた。 何故ユーモアかと言えば緊張を解いてくれるって実質的な面以外にユーモアを発揮しようと様々な情報を集め選択肢を事前に用意する必要がある。実際、優秀なパイロットは起こりうる場面のほとんどに対処方法を事前に考えておく。出たと勝負に見える場合でも事前に考えてないことは実際には出来ない。だから、常に「想定の範囲内」ってのが優秀なパイロットで、この優秀なパイロットはユーモアのセンスも抜群な場合が多い。 要はトラブルが発生した時に「あれかな、これかな、それかな」と選択肢を広く構えるのが良いのだが、事故の情報のプレッシャーで余裕が無くなっていると「これに違いない、一生懸命対処すれば切り抜けられる」と思いこみ、全然別な方向に走ってしまうのが事故連続の構造だと言うのだ。 そのなかで最も恐れるのは、機械が警報を出しているのに「いつもの警報の故障に知がない」(なんせ、一瞬の判断が必要なことが多い)なんて考えるような故障の頻度の高さとその放置だ。とにかく、今の航空機はセンサーの固まりで情報をパイロットもしくはFMSに送る。この原始情報が故障で間違ってしまっては全ての安全確保の仕組みは崩壊する。 機器の故障が避けられないからパイロットを乗せる時代では無いと安全管理に今一歩踏み込んだ対応が求められるって意識を持つことが大切だ。 |
システムの落とし穴、人間の部品化で安全喪失
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尼崎、福知山線の列車事故原因究明の迷走
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