2008年導入のtaspoカードってどんなもの?
未成年者の喫煙を防止するためにはtaspoカードで自動販売機での販売を規制し、旧来からの対面販売では年齢の確認を強化するって方向で未成年者の自動販売機でのタバコの購入を抑止する方策を考え出して出た結論が「ICカードを大人と証明される人に発行して、自動販売機で使ってもらう」って結論だ。
あまりにも安易なのだが、それは後で述べる。
タバコを自動販売機で買うには予め申し込んで発行されたICカード(これの名称がtaspo(タバコ・パスポートの略らしい))をかざし(いちおう、非接触ICカードらしい)お金を投入して銘柄ボタンを選ぶって方法になる。
未成年者は何も持たないから自動販売機では購入できない。成人はtaspoカードがあれば自動販売機で購入できる。taspoカードを持たない成人は対面販売で購入することになる。
そのtaspoカードの申し込みに、氏名、生年月日、現住所(郵送のために必要)、電話番号、捺印(またはサイン)、に加えて、顔写真、本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、住民基本台帳カード、各種年金手帳)のコピーを添えて申し込む。
これだけの個人情報を「社団法人 日本たばこ協会」に提出する必要がある。一部、本人確認書類として年金手帳等は顔写真が無いので本人確認としては適さないと思われるが、ま、高齢者の中には運転免許証や住民基本台帳カードを持たない人もいるだろうから苦肉の策かもしれない。
で、この処理をインターネットでやってプリントアウトする方法もあるのだが、このホームページにある個人情報保護方針は通り一辺倒なものだ。
で、「社団法人 日本だばこ協会」は一連の事務を外注してる。
taspoカードを巡る関係団体
このtaspoカードの仕組みを運営しているのは以下の企業になる。
ネットワークが関係しているのは、このtaspoカードにプリペイド機能を付けているためセンターでの決済が必要なため。このプリペイド機能は不要ではないかと思うのだが、ここにも知恵の無さがにじみ出ている。
| 元請 | NTTデータ |
| ICカード製造 | NECトーキン |
| 自販機ネットワーク | NTTドコモ |
| 印刷 | 大日本印刷 |
| ICカード発行業務 | トッパンフォームズ |
| 申込処理業務 | トランスコスモス |
| データセンターシステム構築 | 日立製作所 |
| 問合せ対応業務 | ベルシステム24 |
これに関わる総費用は約900億円にものぼる。加えて年間の維持費用も発生する。
また、タバコ販売店でも自動販売機の改造や買い換えが必要になる。現在のタバコ自動販売機の内メーカー貸与自動販売機は43万台程。これはメーカーで対応する。残った17万台の多くは購入隅の自動販売機で改造するには1台7万円程度の費用を自己負担しなければならない。薄利なタバコ販売から余計に改造費を捻出できない販売店では改造を拒んでいる。
街角に1台でもtaspoカード非対応の自動販売機が残れば未成年者が寄ってくるわけで、なんとしても改造してもらうために補助金を出すことになっている。
これでも改造しない場合を想定して業界団体は所轄団体である財務省に依頼し「
2008年7月1日以降taspoカード対応自販機に切り替えないと営業停止処分」との行政指導まで引き出してしまった。
このためにタバコの自動販売機を撤去するタバコ販売店が続出している。
消費者が何かを買うために誰かから許可を受けなければならない社会は異常だ。未成年者の喫煙は防がなければならないが、それはICカードによる購入許可では無くて、モラルの問題だ。学校教育の場で、家庭教育の場で教えることだろう。
もっと、簡単な方法がある。自動販売機での販売に限りタバコの値段を上げることだ。自動販売機で購入するタバコは自動販売機利用料として5割増しにすれば良い。
成人の自動販売機離れが進むだろうし、自然と自動販売機のうま味が薄れて街角から撤去されるだろう。
これには900億円もかからない。行政指導一発で済むのだから。
もしくは、北朝鮮あたりから安いタバコが密輸入されるかもしれない。