会期延長は自民党に好ましくない

ついに会期を延長するのか
 民主党がどんなに頑張っても阻止できないように国会の会期を2008年1月15日まで延長する方向で調整が進んでいる。もはや、新支援特措法の成立のための国会の会期延長だ。そこまで新支援特措法に拘るのなら参議院選挙の情勢が判明した時点で、急いで新支援特措法を作成し臨時国会冒頭で衆議院で可決しておけば良かったのでは無いか。それが政治の常識だろう。
 第167回である8月7日の臨時国会は参議院の新しい議長を選んで僅か4日で閉会したが、この臨時国会は無理としても、引き続き召集した9月10日の第168回臨時国会の冒頭に新支援特措法を衆議院に提出して一気に可決して(審議時間を打ち切って)衆議院で可決すれば11月中旬には2/3条項を使って成立させることが出来たのだ。
 安倍首相の辞任によって時間が無駄に過ぎるのなら、衆議院で可決してから時間を無駄に使えば良かった。例えば自民党総裁選挙で国会を空転させて時間稼ぎをすることも出来た。
 そうなれば、現在の12月15日までの会期延長で自民党は目的を達していた。
 何を信じたのか判らないがが結局、延長国会も空転を繰り返してひたすら1月12日を待ち、その後、衆議院で2/3条項で法案成立となるのだろう。
 だとしたら、あまりにも立法府の役割を果たしていないことになる。国民のための政治を自民党も民主党も標榜するが、結局、党利党略のための政治にしかなっていない。これでは、自民党はもちろん、民主党も国民のための政治を行っていないことになる。

時間を使って議論を深めるべき
 マスコミの報道が新支援特措法にばかり軸足を置いているせいなのか、国会はこの法律以外に何も機能していないように見える。確かに、数件の法案は成立してるが、例によって会期末の一気成立の稚拙な立法府を今回も繰り返すつもりなのか。
 民主主義の根本は数の論理では無くて、議論することにある。例えば新支援特措法を議論する会議で防衛庁贈収賄疑惑の追及を行っても意味が無いだろう。民主党は「防衛庁が信用出来ない現状を明らかにして、その後、法案の審議に入るべきだ」と主張するが説得力が弱い。
 何故なら、別な会議で集中的に行うのが効率が良いのは誰の目にも明らかだ。参議院で野党は過半数を持っているのだから「防衛庁疑惑解明特別委員会」を作って、そこで疑惑追及すべきだろう。
 同様に「年金の言った、言わない」問題から「公約違反だから辞めろ」までも通常の審議会に持ち込むのでは無く柔軟に対応して特別委員会を設置すべきだろう。
実は、そう出来ない理由がある。国会議員の中で審議会で意見を戦わせるだけの行動が取れるのはほんの一握りなのだ。役者不足で舞台が用意出来ないの実情だ。事前に調べる事も多いのは事実だが、審議会でヤジだけ飛ばしてる議員に調べさせたらもっと審議会の議論は深まり効率も上がる。だが、それが国会議員の質が原因で居ていないで。
 表面をナゾルだけで十分な議論が出来ない現状を双方は認めたうえで官僚主導の国会運営に甘んじているのだ。これは「国民のための政治」では無い。

原油高に対する政治も首を傾げる
 暫定税率を30年も「暫定」のまま放り出しておいて、それでもまだ暫定を続け道路を建設すると前例追従を行う。せめて、暫定には何らかの非常事態がある訳で、現在の原油高による国民のエネルギーへの負担を軽減するために暫定的に税率を引き下げることが求められるのに高いままの暫定を継続する。
 しかも、冬の暖房用や高速道路の通行料金を「暫定的に」補助する制度を補正予算を組まずに行う。これって、官僚主導の政治の典型ではないか。
 もっと極端なのは、政府備蓄原油を国内に供給することにより国内の原油価格をコントロールする施策も出てこない。かつてのオイルショックの頃に国家備蓄でオイルショックが再度起きないように政治判断したのに現在の状況はその方策をまったく発動しようとはしていない。そもそも、備蓄石油は現在より数段安い原価で輸入されたのだから一時的に市場に回すことにより石油価格を安定させる機能も持っている。
しかし、高い石油をアメリカ・メジャーから買ってアメリカ軍を中心に給油する法律ばかり考えて、国民向けの石油は何も考えていない無策ぶり。
これで「国民のための政治」とは国民もそうとう馬鹿にされたものだ。

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