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究極の悲劇は喜劇
前回「小池百合子の乱」とその背景を書いたが、その周辺で起きていたこともまとめておく。自民党の都議会と対決する小池百合子氏に対して、自分たちに都合の良い知事候補として増田寛也氏を担ぎ出して自民党の分裂選挙になった。終始蚊帳の外だったのが民進党および野党各党。最初は蓮舫氏を候補にしていたが、民進党の現状から国政で党首の座が近いと踏んだ彼女は参議院議員を継続することに。 ここで、一気に有力対象者を失った民進党は長妻昭氏、片山善博元総務相、長島昭久元防衛副大臣、江田憲司氏、海江田万里氏、柿沢未途氏、松沢成文氏、はては俳優の石田純一氏、古賀茂明氏と日替わり定食状態で迷走する。 古賀茂明氏に至っては民主党政権時代の3.11以降の東電再建案に見向きもせず、海江田、鉢呂、藤村(臨時)と無視し続け、最後に枝野が印籠渡した相手じゃないか。どのツラ下げて依頼したんだか。 そして、最終的に「何も知らない」の鳥越俊太郎氏に落ち着く。 その迷走劇の最中に前回次点だった元日弁連会長の宇都宮健児氏が「3度目の出馬をする」と決めており、こちらとの調整も動いた気配が無い。枝野幸男幹事長と共産党の小池晃書記局長が宇都宮氏に「不出馬による協力要請」をしたが門前払い。 7/14追記:宇都宮氏は最終的に立候補を取り下げたが、鳥越俊太郎氏を担いだ野党連合に「愛想が尽きた」ってあたりだろう。:追記終わり 小池百合子氏の『東京大改革宣言』に匹敵する構想を持ち出して政策論議を行う相手は現時点で皆無だ。立候補予定者の政策討論会を行っても出たとこ勝負の他候補とは議論にならない。まして、鳥越俊太郎氏に至って「知らない」、「関心がない」ことが多すぎるのだから。 ま、定番のドクター中松氏は今回は高齢で立候補しないようだが、小池百合子氏以外の、どの候補を見てもトラジディ(悲劇)でしか無い。 ただ、佐々淳行氏が「危機管理」の中で述べているように、追い詰められて究極の悲劇だと思ったことも、一眠りして一夜明けると喜劇に思えることもあるそうだ。 ま、日本を代表する首都の東京都知事選挙が、悲劇でも、喜劇でも、国民には不幸なのだが。 |