十勝北端西部....士幌町、上士幌町

コース概要
 先週の「猛犬ラッシー」の記憶がコース選定に影響する。先週までの計画では士幌、上士幌を北上し、足寄に抜けて本別に南下し、ここからショートカットして士幌に戻るコースを考えていたのだが、国道はそれなりだが道々で犬とカーチェイス(ん?)は勘弁してもらいたい。そこで1回で回る予定を2回に分けた。
単に「猛犬ラッシー」ばかりでなく、十勝平野を走るには力いっぱい走れば走れるが、それぞれの市町村の観察がおろそかになっている気がした。
十勝の無限に続くような直線道路を走っていると何か魔法にかかったようにひたすらペダルを漕ぐことになる。資料館とかの案内板があっても、遥か先に霞む目的地を考えると留まる気にならない。それで100kmを越えるサイクリングをしてもなんか空しい。だから、今回は距離を少なく設定して余裕をもってサイクリングすることにする。
輪行&コース概要
 お決まりの日勝(にっしょう)峠を越えて帯広市をバイパスするように道々75号線を東に進む。この道が国道241号線に合流した地点を左折して音更町役場に向かう。ここの役場の駐車場はオープンスペースなのを先週確認している。道々75号線は何のために有るのか良く解らない道路だ。国道38号線と平行しているし、道の舗装は最悪の状態。十勝川の右に国道38号線があるから、左側にも何か必要ってことなんだろうか。ま、無駄な道路って感じを持ちながら音更町役場に向かう。
 今回、あまりにもヨレヨレの靴を買い替えた。スポルディングのスニーカーに替えたのだけれど、この靴は靴底が固い。で、車を運転してみると固い靴底はマニュアル車の運転には好都合なのが解る。
 車の運転はC&Cに必須なのだけれど、車の運転に「靴」が重要だってのは改めて実感した。
 音更町役場の駐車場までは札幌から230km程。車の運転時間がサイクリング時間を越えてしまう。このあたりから先へ進むには結構時間を食われるって感じかなぁ。

士幌(しほろ)町
 音更町の役場から町内の道を通って国道241号線に向かう。役場からの道に新たな商店街複合施設の建設中だ。国道から1本離れた道を新商店街として再開発する計画が進行中のようだ。基本的に国道添いに始まった商店街は何度かの道路拡張を経て最後は衰退するのだが、先を読んだ再開発計画を進めないと、商店街と言うのは一度人が離れてからでは再開発しようが無い。その意味ではここの町は先手、先手と動いているようだ。
 国道241号線を北上する。さすが、このあたりから道幅が狭くなってくる。士幌町までは20km程の距離。今日は全行程60km程なので力いっぱい飛ばす。時速25km程で国道を進む。ときどき時速30kmを越えるのだが、これくらいの速度を出していると追い越していく車の追い越し距離が長くなる。そのため対向車が居る場合は自転車にギリギリの幅寄せをしてくる。本当はタラタラ走っていて一気に追い越してもらうほうが良いのだけれど、今日は走りに集中する。
 それにしても暑い。先週の日焼けあとの皮がむけきっていないのにまた日焼けを重ねる。途中共進のあたりで農業公園を見つけひとやすみ。暑さのために水のみ場で給水と顔を洗う。まだ水道の水は冷たいので気持ちが良い。ついでに、日焼けしそうな腕をここの水で冷やす。
 地図によると道の駅「ピア21しほろ」の直前に「士幌アイソトープ照射センター」がある。ジャガイモの発芽抑制なんかに放射線を照射する施設だ。厳重な警戒体制にあるのかと興味を持ったが、どうも「士幌種苗加工センター」とか看板をあげている。東海村の事もあるから放射線のイメージを隠しているのだろうか。
 道の駅「ピア21しほろ」でひと休み。ここでも顔を洗わせてもらう。とにかく、飛ばすのでカンガン汗をかく。これが、下アゴから垂れるので口の周り塩っぽさと汚れで気持ちが悪い。走っているときは前から風があたるから気にならないが、留まるとドバァって感じで汗が流れる。
 協進の交差点で左折して士幌町役場に向かう。な、なんだ。この豪華施設は。役場とは思えない豪華な建物。しかも、その横にはご丁寧に「士幌総合研修センター」。この研修センターの庭には直径20mくらいの日時計モニュメント。しかも誰も居ない。
役場の敷地2.5ヘクタールは個人が寄贈した土地だと看板が建っている。それにしても、こんな大きな施設必要なの?
 選挙の期間なのであちこちに立候補者のポスターが法定掲示板以外にも貼って有るが、ま、このシトが引っ張ってきたのだろうなぁ。それにしても、都会で集めた税金を地方にバラマクのにはこんな方法しか無いのだろうか。どう考えても利用されているとは思えない。この施設を利用して住民がハッピーになるなら何も言わない。しかし、建設国債に依存して借金して造った施設が土建屋が飲んで食って終わりってのは、あまりにも情けない。農業を中心に決して貧困な地域とは思われない士幌町だが、ここまで必要とは思われない。造らなくても良い物を造って建設国債で将来に借金を回す。そんなんでいいのかぁ。500万円くらいの日時計を見ながら、あたかも東京人の考えそうな「総合研修センター」なる名称に目眩を憶えた。

上士幌(かみしほろ)町
気を取り直してさらに北上を続ける。行き帰り別な道を走ってみたいので、いわゆる西二線を上士幌町に向かう。ここは道々1144号線(ずいぶん桁数の多い道だが)らしい。ひたすら地平線を目指すような直線道路が続く。上士幌までは7km程。上士幌は複数の道路が町を交差している。国道273号線で三国トンネルへ、国道241号線で足寄町へ、そして賛否両論の士幌高原道路へと交通の要所になっている。
 市街地に入ると、ここは農業の町ではないようだ。自工、いわゆる自動車修理関係の会社が多い。また、他の町に比べようも無いくらい無線のアンテナが多い。もちろん、アマチュア無線のアンテナも沢山建ってるが業務無線のアンテナも多い。ひょとして、ここは技術屋が多い町なのだろうか。交通の要所として何処にでも走っていけるメンテナンス・サービスが発達したのだろうか。
 役場に向かうと役場も複合施設になっていて、ま、実利主義と言うのか、合理的である。この町は、技術屋の町? そんな印象を受けた。
 ナイタイ高原牧場への案内看板が有ったが、今回はパス。国道241号線へ戻る。途中、農道を辿って音更へ向かうルートを発見するが、これは若干距離が長い、しかも農道なので「猛犬ラッシー」の可能性がある。ここは素直に国道241号線を南下する。
 今日は風も弱く積極的に時速30kmを目指してペダルを踏む。足寄国道をハイスピードで南下しながら、考えてみると特に外部から来た人に情報提供する施設が無い事に気がついた。町の情報提供に目玉が無い。「士幌総合研修センター」も気持ちは解るが(笑い)。
 途中再度農業公園で顔を洗って音更の町に戻る。地域の運動会なのか学校のグラウンドに人々が集合している。地域に住む人が居れば外部への情報発信は何の意味も持たないって考え方も解るが、結局、外部からの人の流入は無くなり、加えて、内部からの人の流出は加速する。そんな構図ではないだろうか。
 申し訳ないが、存在価値を持っているのは上士幌町と感じた北十勝西の2町だった。
2000.06.17 本日の走行 65km

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