銀河線完走..置戸町、訓子府町、北見市

コース概要
 とにかく暑い。先週末は台風の余波で雨模様。今週はウィークディはほとんど雨。週末になって晴れる予報だが最近は晴れたら気温30度を越えるのは確実。なんともサイクリングに向かない季節に入って来た。例年も7月の後半になると夕方の日没が早くなるのと昼間の気温の高さでなかなか「遠征」に出かける気がしない。
そんな中で、あと一歩なのが「ふるさと銀河線走破」。終点の北見市まで50kmを残すのみ。
十勝からオホーツクへ抜けるふるさと銀河線。その必要性の是非は別にして北海道で唯一残った第三セクター運営による鉄路。
昔、国鉄時代に「ちほく線」と呼ばれたのは十勝の池田町とオホーツクの北見市を結ぶ路線だったから。また、これから進む陸別町と置戸(おけと)町の間に池北峠(ちほくとうげ)がある。本当の「池北線(銀河線)完走」にはこの峠越えが必要になる。
 最後の「詰め」が今回のコース。
前回確保のデポ地点、池北線(銀河線)の駅小利別から池北線(銀河線)に添って国道242号線をすすみ、置戸町、ここから道々50号線に別れて訓子府町を目指す。このまま進むと、学生時代の下宿のあった北見屯田通りとなり国道39号線に合流。北見市に至る。
同じ道を戻るのは面白く無いので、唯一訓子府町から銀河線を離れて直接、小利別に向かう道々143号線「北見白糠線」を利用してデポ地点に戻る。
100kmをちょっと切るコースだが、そこまで出かける時間を考えると少し長い。途中で折り返してもしかたがないと思いながら出かける。
輪行概要
 大変悩む車の道順と言える。札幌市から陸別町に向かうには、旭川に出て石北峠を越えて温根湯(おんねゆ)から向かうのが最短だろう。しかし、今まで自転車で走っていない道を車でバイパスするようなコースは選びたくない。こだわりのルートならやはり十勝からオホーツクなのだから、十勝に向かうのが良い。
 結局、行きは札幌→岩見沢→三笠→富良野→狩勝峠→鹿追→本別→足寄→陸別となる。途中で道を間違えた分を加えて前回確保のデポ地点まで400km。
 いくら「コダワリ」と言っても少し無駄なルートだった。でも、これで最後と思うと、あえて十勝からアプローチしたのは正解かもしれない。
戻りのルートはあえて「オホーツクに足跡を残した」を確認するように石北峠越え、旭川経由で札幌に向かう。距離にして340km程。ま、どっちにしても現地で一泊する行程に入りつつあるのかもしれない。
どなたか「土曜日の夜は泊めてあげる」みたいな人が居たらメール下さい(笑い)。
オホーツク制覇のために「常呂少年自然の家」あたりとコンタクト取る必要があるかもしれない。

置戸(おけと)町
 札幌を出たのが午前6時。少し遅いかなと思ったのだが案の定出発点の小利別到着は12時。ここから100km弱を走って再度ここに戻るのは6時頃か。とすると札幌には今日中に戻れるかなぁ。
 小利別の駅で観光に訪れた老夫婦に会う。親が元鉄道員でここ小利別の駅に勤務の頃住んでいたとのこと。当時は駅舎も大きく、駅の近くに官舎がありそこに住んでいたとこのと。「ここ今、人住んでいるんですか」と聞いたら、「それが気になってさっき道で会った人に聞いたら20人くらいは居るって。昔は国鉄の職員家族だけでその倍は居たな」とのこと。
奥さんが言うには、この先の訓子府にも立派な駅舎ができていて「誰も乗らない線路にエライ贅沢な駅。そして赤字赤字で料金上げてたらもつ訳無いわ」とあきらめ顔。
「暑いから気をつけて」の言葉を背に小利別を出発。線路の名前にもなっている「池北峠」に向かう。小利別を出てから6km程で駐車帯を発見。前回ここまで足を伸ばしておけばと思う。大して坂を登らないで池北峠を通過、ここから一気に下って置戸町へ。途中今回唯一のトンネル通過の予定が置戸町市街地へバイパスしたために通過しなかった。後で解ったのだけれど真面目に国道を進むと登ってトンネルを通過して下って置戸町市街地となる。無駄なアップダウンを回避できた訳だ。
 置戸の町は何と言ったら良いのか商店街が通産省の入れ知恵なのか電線が地下埋設されて建物も画一化された、いわゆる、新冠、浦河で見たようなこ綺麗で生活感の無い商店街。国道がバイパスしてるのだから、白老町のように店の前に車を止められる商店街にしたほうがよっぽと利便性が上がると思う。余所から来た者にこ綺麗な商店街より、そこに住む人の利便性を向上させる商店街。ま、あいかわらずの土建屋一人勝ちの補助金公共事業で地域は疲弊していく。
 国道242号線を進み少し登ったあたりで右折すると道々50号線「北見置戸線」。ふるさと銀河線に添って北見に向かう。

訓子府(くんねっぷ)町
 考えてみると「ふるさと銀河線」はずうっと道路に平行して伸びている。池田町から国道242号線添いに、そして最後はここ道々50号線添いに。すると、車に転換するのに最も適した鉄路であり、なんで意地を張って第三セクターまで作って運営しなければならなかったのだろう。こうして自転車で走ると解るのだけれど、この「銀河線」は一つもトンネルが無い。つまり、最もなだらかな所を選んで敷かれている鉄路と言える。ならば、バス路線としても十分使える。現に銀河線の列車を見るよりバスを見る事のほうが多い。交通機関の利便性とは、本数にある。通勤は少ないから通学だけに絞ったダイヤではとても利便性が良いとは言えない。本当、なんでこんな路線を残したのだろう。はなはだ疑問だ。
 訓子府の役場は公園の中にある。非常にコンパクトな役場建物で好感がもてる。公園の水のみ場で顔を洗って、おっと足が痛い、ぎゃぁ!、アブに刺された。こうやってパソコン打っていても痒くてしょうがない。(SMILE)。
ここのコンビニで昼食を買い出ししてさらに先に進む。実は、来る途中の三笠の町で買い出ししたのだが、サンクスだったせいもあるのか、品物が少なく車の中で食べる分しか無かった。ここ訓子府でセイコーマートを発見してやっと買い出し。
 北海道を自転車やバイクで旅をする人に必須な情報「北海道のコンビニはセイコーマートを利用せよ」。品数が多いし、地元密着なので品物もバラエティにとんでいる。旅なれたサイクリストが利用するので道の情報交換のチャンスも多い。決してセブンなんとかとか、サンクSとかに間違って入らないように。北海道の地場資本ならではの北海道らしさが味わえるのがセイコーマート。社長が西なんとか光男さんなんで、西光でセイコーマートってネーミングらしい。
 いよいよ北見市って直前の上常呂の駅で昼食。暑さのためにここまでで500mlのペットボトル2本が空になる。ここで昼食でさらに1本を空に。バッグの中には500mlのペットボトル3本が空のまま詰め込まれている。

北見(きたみ)市
 暑さでもうろうとなりながらもいよいよ北見市、銀河線のゴールに向かう。実は学生時代を過ごした北見市を212市町村巡りの最終地点にしようかなんて考えていた頃があった。まだ、30市町村にも満たない頃に212を巡った後の事を考えていたのだから笑い話しだ。でも、歳を重ねると自分の原点を作ったのは何かってあたりを考えてしまう。僕にとって学生時代の受験の結果として偶然巡り会った北見市は因縁の場所と言えるだろう。ここで青春を過ごしながら道東との出会い、それが北海道にコダワル自分の原点のような気がする。ホームページの表紙の「Mint私小説」もここの地で生まれたものだ。だから、ゴールにしようと考えてた。
 偶然のイタズラか、銀河線を辿って北見市に向かうと学生時代の下宿があった場所を通る。北見市三輪町屯田通り。学生時代には無かった北海学園北見大学が見えてくる。なんと、芝のテニスコートが原野に化けている。なんかなぁ、使わないのなら車の駐車場にでもしたら良いのに。
無加川を渡る直前に、おお「野付牛(のっけうし)自動車学校」。ここで自動二輪と普通車の免許をとった。免許証の「免許の取得日」はじつは、ここの自動車学校の卒業日でもある。河を越えて下宿の「日の出荘」(なんと、学生の下宿としてありきたりなのだ。実は、下宿と呼びのは正しくなくて、アパートなのだった。当時7世帯が居たかな)のあたりは、おお、大家さんだった床屋の佐々木さんがビルを建てている。もちろん25年前の「日の出荘」は既に無い。僕の卒業の時に大家さんが取り壊しアパートを建て直した。そのため1月から3ヶ月分家賃を只にしてもらったのだった。
 国道39号線との交差点。交番が有った場所は更地。良く買い出ししたAコープも更地。仕送りが局留めで届いた郵便局は健在。なんか、この交差点を何度通っただろう。おもわず交差点で回りを見回しながら物思いにふける。
 なんだろう、懐かしさ? 思い出? 少し違うような気がする。ルーツ? そんな感じかな。25年前、更に受験のために最初にこの町を訪れた30年前、一期一会の原点に戻って来たような充実感がある。
 おっと、サイクリング紀行だった(笑い)。北見駅は二つある。JRの駅と「銀河線」の駅。何故分かれているのだろうか。これもまた変な制度のための無駄な二重投資なのだろうか。
北見市役所は駅から30m程の坂を登った先にある。良くカツドンを食べた「網元」の横を登って市役所へ。「網元」のカツドンは大学の寮に居た当時唯一の栄養源。風邪をひいて大学の保健室に行くと「網元でカツドンでも食べて栄養付けたら直る」なんて言われた。とにかく、今では考えられない体重54kgだったのだから。
 おっと、足がつってしまった。たいした坂じゃないのでスタンディングでペダルを踏んだのだけれど、水分ばっかり採っていたためか、ひさしぶりに足がつってしまった。まさに「栄養補給」に失敗した結果だ。
 北見市役所の「当時」と変わらない庁舎(爆笑)の前でお決まりの写真撮影。ここの前の公園の噴水も当時のまま。スナックで酔いつぶれてベンチでひと休みして、気がついたら朝の7時ってベンチも昔のまま(な、わけ無いか)。
 再度のデポ地点として駐車場の確保が必要なのだけれど、大学の下の野付牛公園に的を絞って調査。あるある、確実にデポできそう。で、地図を開いて「北見市ポタリング」の計画をたてる。おお、手ごろな計画、道の駅「おんねゆ」。逆コースになるが北見から往復で60km程。これとセットでもう一度北見市を訪ねよう。そんな思いで北見市を後にする。
 訓子府から道々143号線に左折する。地図を見ると訓子府町と陸別町の境界線がやたら小利別側だが、ま、峠を越えればあとは下り坂。と、これが読み違い。
 訓子府町を出たときのサイクルメーターの距離は72km。ま、10kmも進めば峠を越えるだろう。なんか天気も下り坂で雲が出てきた。時々「押し」で歩きが混じる。サイクルメーター82km。まだ登り坂だ。おっと、元気な犬が吠えながら向かってくる。自転車にまたがり思いっきり漕ぐ。犬は自分のテリトリーから出ていけば帰っていく。本当「殴ったろか」と思うこともあるのだけれど、「礼儀正しい犬」だったのでトコトコ家に戻っていく。
 それにしても峠が見えない。結局サイクルメーターが90kmを指すあたりから下り坂になり、2kmでデポ地点に戻った。そうかぁ、池北峠はオホーツク側から見ての峠だったんだ。十勝側からはゆっくり登るのでなんてこと無い峠だがオホーツク側からは一気に登るって感じなんだろう。見事に騙されて必死に登ってデポ地点に戻る事ができた。
 帰りは石北峠越えを車で攻めて自宅に着いたのは23時。
 「北見市まで自転車で繋げたんだ」なんか、そんな興奮で実はその日は眠れなかった。うーん。212市町村の締めくくりは、何処にしようか。宗谷岬? 北海道に住んでいる人間が宗谷岬がゴールは「ないいっしょ」。
 遠隔地がまだ残っているのに、212完走の最後のコースを考えている。
現在の企画は「利尻のウイニングラン」かな。フェリーで渡って利尻島の3市町村を回って、パリダカと同じゴールのウイニングランとしたい。奥尻を除く208市町村訪問の最後はここで締めようと思う。
但し、ご招待いただくのが「ウイニングラン」。利尻富士町あたりでご招待いただけないかなぁ。駄目なら、211番目を宗谷岬にしようと思う。やはり「奥尻町」は市町村巡りの中で別格で、陸路が信条のサイクリストにとって、北海道は211市町村+1で出来ている。その「+1」が奥尻町な訳。
 昔読んだ「太平洋ひとりぽっち」で堀江謙一さんも冒険の途中で次の冒険を考えたと書いている。北海道の212市町村の半分を一昨年越えている。そろそろ、「感動のフィナーレ」って、足を引きずりながら芸能人が会場に向かうっアレじゃなくって、残りの市町村の訪問計画を組み立てる必要があるかもしれない。
 自転車で北見市を走ったことで、なんか憑き物が取れた感じ。本来「石北峠を越えて」と思っていたのだけれど、意外と十勝から「銀河線」経由でたどり着いた。
オホーツクの入り口に立ち、「もう一回北見市をポタリングしよう」と決めていた。
2000.07.29 本日の走行 92km

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