白糠町、釧路町、釧路市

コース概要
 とりあえず押さえておかなければならない「釧路市と釧路町」を最優先に「爆走」になる。先週のデポ地点から白糠町を経由して、釧路町、釧路市を回ってくる。
情報が少ないので定かでは無いが、北海道で最初に合併発表が行われるのが「釧路町と釧路市」と言われている。発表後に「アリバイ作り」みたいに訪問するのも主旨に反するので、とにかく足跡を残しておく。 先週は東に進む方角だったが、今回は北東に遡ることになる。同じ国道38号線だが、釧路市からは国道44号線に変わる。この国道44号線最初の町が釧路町である。JR根室本線に添っているのでアップダウンは少ないだろう。春先の強烈な南風が海からの霧を生んで、先週は敗退を余儀なくされたが、インターネットの天気予報を利用すれば最適な日に巡り会う。前日からの天気予報では間違いなく晴れるとのことで、連続ではあるが釧路方面を攻める事にする。
輪行概要
 片道およそ5時間。そんな感じで札幌を朝5時に出発する。とにかく目的地に到着しないと始まらないので、そこに到着するまでにどれほどの時間を要するかなんてのは後回しになる。前回のデポ地点まで国道274号線、通称「日高樹海ロード」、日勝峠を越えて清水町からは国道38号線に合流して音別町の先に確保したデポ地点に向かう。
ラジオの天気予報では午前7時現在で釧路地方に「濃霧注意報」が発令されているとのこと。そんなぁぁ、昨日の予報と違うじゃないか。
 今日の風は南西の風で時間とともに霧も晴れるとのこと。いちおう先週忘れたウインドブレーカーも持参しているのだが、出来れば青空の下を走りたい。また、霧の多いこの地域であるが「北国の青い空」を味わいたい。そんな思いで5時間(実際には5時間半かかったのだが)車を飛ばして前回のデポ地点に到着。

デポ地点(音別町より丘一つ先)
 左に丹頂を真似た看板が見えてくる。ここに舗装はされてないが車数十台駐まれるスペースが有る。先客が居るみたいで2台の車がとまっている。その間に車を駐めて自転車を降ろし組み立てる。天気は快晴、先週の霧の気配も今日は無い。右手に広がる太平洋も水平線がクッキリと見えている。
 自転車を組み立てて早速白糠町に向かう。最初の区間である国道38号線の道の状態はサイクリング不適状態。路肩の幅30cm(これがサイクリングロードなの?)を神経を張りつめて走行する。右側の舗装とのギャップがかなり有るのでタイヤのサイドをこすらないように気を使う。
ふたつ程丘を越えたあたりに「M7.8」なんて看板がある。やがて道の左側に丸太作りのロッジのような建物が見えてくる。実はこれが1993年(平成5年)1月15日に釧路地方を襲った地震による被害、および復旧状況を広報する施設と言うかモニュメントなのだ。マグニチュード7.8(当時の新聞記事では7.5)にちなんで命名されたらしい。
 死傷者数では北海道南西地震(いわゆる、奥尻町が津波で青苗地区で300名余の死者が出た地震)とは違うが、道路の被害が大きかったようだ。前に書いているが北海道南西地震でも道路の被害が有り、これを復旧した記念碑がある。
 ここの施設は新聞の報道をコピーしたりして当時の状況が良く解る。学校の課外授業なんかで見学に利用してはどうだろうか。ただ、残念なことに「震度」の表示が昔のままである。当時の釧路市の震度「6」は、現在では「震度6強」だと思うが、そのガンダンスは無い。このあたり「作って維持せず」の典型なので、公共事業見直しの昨今、魂が通ったものにして欲しい。このままでは1000年後に発掘されるのを待つ遺跡待ち施設になってしまう。
 また、ここの駐車スペースを利用してパトカーが取締をやっている。あまり意味が無いと思うのだけれど黄色いセンターラインの「はみ禁」(はみだし禁止)の違反者を取り締まっている。先にも書いたが平均時速80km/hのここで、はみ禁だけ取り締まってもどうかと思う。そもそも、ここをスピード違反で取り締まれない実情を踏まえ、先週の一家3人死亡のような正面衝突を防ぐ手だてを講じるのが責務だろう。目視だけで取り締まれる「はみ禁」で「仕事してます」って警察は何か勘違いしてないかぁ。
 日本全国一律の交通制度にも問題がある。僕の車は軽自動車なので時速70kmあたりで走るのが限界だ。でも北海道ではもう少しギア比を変えて時速80kmあたりに設定して欲しい。また、標識が無い箇所は最高速度60km/時ってのも全国一律であるのがおかしい。そもそも現在の道路の設計では時速80km/時で回れないカーブにのみ標識を出している。ならば、「全線時速80km/時を公認」として、交通事故の対策を練らなければならない。が、実際には「全国区」の最高速度60km/時の全国一律がここ北海道でもまかり通っている。道路の設計を許可する側が時速80km/時なのだから、規格が実際と合わないのだ。時速70km/時で取り締まられた人は控訴すべきだ。
 てなことを思いながら白糠町に向かう。最初が「幅30cmの極限のサイクリングロード」だったのが、馬主来橋あたりから状況は一変する。いわゆる「情報ボックス」の工事がなされているらしく、路肩が広くなってスイスイ進める。

白糠町(しらぬかちょう)
 ここが今回のそして前回の挫折の場所である。町の規模は大きい。土曜日のこともあり、白糠高校の生徒が行き来している。到着したのは12時少し過ぎたころ。市街地には家電の量販店である「YES」とか「ベスト電気」の店舗がある。なんかここは豊らしい、家電製品の量販店が出てくる理由はあるはずだ。そんな気持ちで白糠町の町並みをポタリングする。
 そっかぁ、気が付いたのは港の完備。ここは漁業が成功しているのだろう。港も一つだけでは無い。漁船が30隻は係留出来る港が2箇所以上ある。この漁業の収益が町を支えているのだろう。隣の音別町と同じく企業誘致に活路を見いだしてると思ったのだが、どっこい漁業で自立している町なのだ。釧路市に近いにもかかわらずこれだけの商業地域が存在するのも地場の産業である漁業が元気だからなのだ。
 国道から一本北側に入った商店街を進む。ここは車の駐車が出来る道路になっている。目的の商店の前で車を駐めて買い物が出来る。商店街の繁栄の阻害要因は駐車場が無い事だってのは良く聞くけど、そんなもの作れば良いのだ。それよりも大切なのは魅力有る店舗作りに個々の商店が努力しているかなのだ。ここには地域密着の商店街のあり方のモデルが有ると思う。
 白糠町から先の国道38号線は自転車にとって最高の道が続く。路肩は幅50cm以上あり、しかも路面と同じく平滑に舗装されている。まもなく西庶路(しょろ)にさしかかる。ここから10km程の直線道路が続く。同じ国道38号線も通称が「釧路国道」に変わる。今日は晴天なので右に太平洋の海、正面に工場を見ながら快適に先に進む。
道の駅「しらぬか恋問(こいとい)」のあたりは「釧白工業団地」として整備されている。農業には不向きな土地をなんとか生かそうと工業団地造成をしたのだろう。札鶴ベニアの工場がある。林業と言うか、木工に根ざした工場が進出してるらしい。
 道の駅が右に見えてくるが、今日の行程では釧路町ゲットが最優先なので、戻りに寄ることにして先へ進む。西庶路から見えてた正面(つまり、道の先)の高い煙突が気になる。最近は煙突から煙をはく工場は少ないのだが、何故あれほどの水蒸気を出してるのだろうか。

釧路町(くしろちょう)
 直線道路の途中から釧路市に入る。直線道路の終点は釧路市大楽毛(おたのしけ)。最初の煙を出す煙突はここにある「水産加工工業団地」の施設。この工業団地は結構進出企業が多く活況を呈している。JRの根室本線を高架で渡ってT字路に出る。ここを左に進むと阿寒町に出る。今度走る候補地だ。右に進んで大楽毛の市街地に入る。ここから釧路市までは市街地が切れる事が無いようだ。早速左に見える大きな煙突が王子製紙の工場なことが解る。ここには「チップ持ち込み専用口」の道路がある。林業中心の工業が発展しているらしい。もっとも、最近の林業は釧路市でも外国からの木材運搬船が2艘入れば年間の伐採量って感じで、「地場材料」とはいい難い状況にはなってるのだが。
 赤信号での停止なんてありがたくない状況を受けながら大楽毛から星が浦を通って釧路市の中心に向かう。最初の目的地は釧路市ではなくて釧路町なので星が浦から道々113号線に左折する。通称「釧路環状線」なのだ釧路バイパス線といっても良い道路だ。この道を利用して釧路川(新しい呼称で新釧路川)を鳥取橋で渡り入江町から国道44号線に合流して釧路町を目指す。
 北海道の銀行で「鳥取支店」を持つ銀行が数行あるが、山陰の鳥取県では無くて、ここ釧路市鳥取なのだ。「釧路支店」の名前は使われているので「鳥取支店」となる。結構混乱させる支店名なのだが、実際鳥取県に進出していないので銀行内では不便無いようだ。僕も昔口座振替で「鳥取支店」を見つけて「なんで北海道に住んでるのに鳥取県なの」と叫んで一大顰蹙を買ったことがある。
 入江町の交差点を左折して国道44号線を進む。雪裡橋で釧路川(旧釧路川から名称変更)を渡るあたりで右に貯木場が有る。木材の利用は本体の木部だけなので表面の樹皮は剥がす必要がある。その一番の方法は水に浮かせて腐らせるである。昔は小樽の港でも原木を輸入して港で係留して表皮を腐らせていたのだが今は現地で行うので必要が無い。ちなみに小樽市のヨットハーバーは昔の貯木場の跡地である。
 雪裡橋を渡ると釧路川の支線である別保川に添って東に向かう。通称「別保宮原通」に入る。時々向かい風になる曲がりくねった国道を進むと「メモリアルパーク」の名称の公園が左に現れた。ここの駐車場は誰でも無料。ここが次回のデポ地点になる。チェックしておく。ここの公園からすぐの所に釧路町役場がある。とりあえず目的達成である。サイクルメーターを見るとここまでで54km。2時間で到達である。もっとも、札幌からここまで来ると本当は往復40kmあたりの走行にとどめたいのだが、今日はとにかくここまで来てしまった。この距離を走るってことは、札幌に戻るのは21時以降なのを覚悟する。ここまで足を伸ばすと自転車で実走する時間は3時間程度になる。今日はここまで走りぱなしで2時間だが、戻りには3時間かかるだろう。すると出発地点に戻るのが15時を過ぎる。ま、しょうがないか。
 役場で小休止。本当ならば釧路市の和商市場でライスを買って、これにイクラを乗せてもらって「イクラ丼」昼食を予定していたのだが、帯広で購入したおにぎりで軽い昼食を済ませる。軽いと言うか、おにぎり3個である。絶対にお勧めって言い方も変だが、釧路市に来るサイクリストは市街地で「和商市場」を探して、ここの奥で「ライス200円」のケースを買い、入り口でイクラを乗せてもらって「チョー廉価イクラ丼」を体験してもらいたい。交渉次第だが満腹イクラ丼が500円で味わえる。実は僕も挑戦したかったのだが、ここまで走ると一生懸命戻らなければ札幌に戻る時間が明日になってしまう。今回は「和商市場」をパスせざるを得ない。
 ここの町役場に奇妙なモニュメントが有る。先の地震で浮き上がったマンホールである。地面から2m近く持ち上がった筒状のマンホール、これが道路の随所で見られたって事だろうか。流砂現象で浮力を得たのだろうが、実物を見ると単に地面が揺れるってだけでは無く、社会的インフラが失われるのが地震なのだってのが良く解る。
 ここからは戻りが始まる。先の「メモリアルパーク」は持参の地図に無いのでしっかり調査しておく。ここを次回の拠点にするとして、厚岸町までは片道35kmもある。そこには北海道立少年自然の家があるのだけれど、これって、結構ヘビーだとは思う。
 2時間弱でここまで50km程を走ったために足に違和感がある。下手に力を入れると足がつりそうになる。やっと折り返して、あと50km程を走らなければならない身としてはつらい。とりあえず走行速度を20kmを越えないようにしてゆっくりと進む。

釧路市(くしろし)
 ひたすら釧路川に向かう。ここから川添いに海に向かい「ぬさまい橋」に向かう。ここに来たのはたぶんバイクで北海道を走っていた20年前以来だ。その時は妹の家に泊まるために夜7時頃にここ釧路市に到着した。ぬさまい橋のロタリーで迷ってしまう。自転車の気楽で交通の状況を見て橋に向かって道路を横断する。
 思えば遠くに来たものだ、ぬさまい橋を自分の足で自転車で越えるなんて、考えてもいなかった。いまそれをしているのだ。
 絶対寄らなければと思っていたのがフィッシャマンズワーフ。橋から見えているEGGの前に自転車を駐めて見学。EGGは素晴らしい。単に「温室」と言うだけで無くてアトリウムとして釧路には無いものを提供している。がしかし、人が居ない。清掃のおとしよりと客のおとしよりが会話してるってなんか変。フィッシャマンズワーフを歩いてみても夜に「炉端」が開催されてるようだが、昼間は人は居ない。と言うか、釧路市最高の観光資源の「幻のイクラ丼(500円なり)」はここでは食べることができない。それもなんか変。
 フィシャマンズワーフの感想だけれど、釧路の港って中途半端に小さ過ぎる。そこには港を中心にした文化なんか無い。観光客を呼べる程の規模も無い。だから、フィッシャマンズワーフは「おしゃれ」なんだって売り込みが欲しい。河川緑化の方便で作ったEGGに頼るのでは無く、昼間でも「イクラ丼」を楽しめるようにすれよなぁ
。  北海道には「本当の港町」と言える町は無い。それぞれが独自に「港町」と言っているが、現実には商業都市であって、港町では無い。その違いは異国情調である。異国情調故に既存の町とひと味違う様相が歴史を経て今の「港町」になっているのだ。だから、横浜市を代表に今の「港町」は、異質な文化である「異国情調」でかたちずくられているのだ、北海道では単に物流の拠点としての「港町」でしか無い。釧路も国需要の港であって、国際港の地位は無い。だとしたら、国内港として北海道の玄関としてもちっと工夫があっても良いのではと思うのだが。
 港を離れて「お約束」の釧路市役所に向かう。こじんまりとした庁舎だった。ここの前の公園で桜が葉桜になりながら満開だった。やはり桜前線はここに今時分到着するのだろう。そう言えば沿線ので芝桜が満開だった。札幌では2週間ほど前に花は終わっているのだけれど。
 時計を見ると13時55分。今日はコンサドーレ札幌が厚別競技場で名古屋グランパスを向かえて試合の日である。しかもHBCラジオでは完全中継する。ラジオを取り出して出発地点への道を進む。なかなか国道38号線に合流できないと思ったら道々113号線を走っていたらしい。左に見える製紙工場が妙に気になる。来るときに目にした王子製紙まで戻っていないはずだ。
 地図で確かめると「日本製紙」。おっと、製紙工場が2工場あるのだ。やっと国道38号線に合流して今朝来たみちを戻る。

道の駅:しらぬか恋問(こいとい)
 行きには寄らなかった道の駅「恋問」(こいとい)に寄る。コンサドーレ札幌は2対2で延長戦に突入している。釧路町で食べたおにぎりの余力が切れかけたのでここでソフトクリームを食べながら海に向かった公園で小休止する。釧路町を出たときに感じた足のつりは全然感じない。どうも休憩のタイミングが悪かったようだ。だましながらここまで来たが違和感は取れている。
 ここの道の駅のソフトクリーム「コーンソフトクリム」はお勧めである。適度に糖分と脂肪分を補給できる。ここのソフトクリームと「午後の紅茶ミルクティ」だけで、この後音別から札幌まで5時間の車の運転を乗り切ったのだから。
 あと1時間程度かなぁ。道の駅を出て音別に向かう。途中ラジオの中継はコンサドーレ札幌が善戦虚しく引き分けたことを告げる。白糠の道を抜け、出発点の音別に戻ったのは17時直前。結局、札幌に戻ったのは22時。この先とても100km弱のコースは選べないなぁと実感。
2001.06.16 (C)Mint 本日の走行 94km

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