札幌ポタリング...新川サイクリングロード

コース概要
 そろそろ海まで抜けたであろうか。自宅の近くの発寒川サイクリングロードから続く新川サイクリングロード、札幌の3大サイクリングロードの一つだ。
 ちなみに、札幌の公式サイクリングロードは900m程の「もみじ台サイクリングロード」も含めて数の上では沢山あるが、それは「作る側の論理」で計上されているもの。我々利用者が「ちょっとサイクリングでも」と、移動のためでは無く、スポーツとしてのサイクリングを満喫できる所は数が限られている。なんせ、札幌市の案内では界川サイクリングロードなんてのが有って、これは生活用水路を蓋して出来た土地で長さ300m程である。これは生活道路であってサイクリングロードと呼べる長さでは無い。
 この話しを昔に市役所でしたら「各地にあるサイクリングロードを繋ぐことがこれからの課題だ」と真面目な顔して言われたので「出来もしない事を言うべきで無い。各地のサイクリングロードは無計画に認定したもので、実態は自転車の走行に適さないものもある、指定とネーミングを見直すのが役人のやるべきことで、まずは、現状の反省からスタートすべきだ」と言っておいた。ちなみに、担当者はサイクリングって用語に対するポリシーはと聞いても答えられなかった。「自転車には乗れますよ」って苦し紛れに言っていたが。ここにも「利用者の立場で」って基本が抜けてる行政が有るのだ。
 さて、170万人が住む札幌で、サイクロングロードと呼べるのは僕が考える範囲では3コースしか無い。
 白石サイクリングロード10km。豊平川河川敷サイクリングロード周回22km。そして発寒川サイクリングロード+新川サイクリングロード合わせて15km。
これに、歴史有る札幌−支笏湖サイクリングロードを加えても良いが、ここは8%勾配の坂が随所に有って上級者向きのオタクなサイクリングロードである。スポーツと言うより体育とか修業に近いサイクリングロードで僕のサイクリングロードの範疇に入らない「自転車専用路線」と呼びたい。
 実は数年前の夏の夕方、車で支笏湖から戻る時に寝袋積載のサイクリストに支笏湖からの登りで会った。北海道の秋は日没が早い。
「これから札幌目指すの?」
「はい、あと1時間くらいかかりますか?」
「うーん、距離は20kmくらいだけどアップダウンがきついよ」
「でも、地図で見たらサイクリングロードなんですよね」
「そうだけど、暗くなったら街路灯も無い山道なんだよ。」
「え、1時間では行けない?」
「うん。暗くなっては速度も出せないから3時間くらい考えないと」
「それじゃぁ、8時頃に札幌になりますね」
「それより、ここから支笏湖に戻って、サイクリングロードを下って千歳市、そこから国道38号線を札幌に向かって、途中清田から白石サイクリングロードに入るのが安全だと思うけど。時間にして2時間くらいで行けるよ」
「千歳からサイクリングロード使ってここまで来たんだけどなぁ」
「支笏湖のキャンプ場でテント張って、明日の朝から越えるならお勧めだけど」
「うーん。やっぱ危険ですか?」
「うん、これから札幌目指すと一発で北海道が嫌いになる」
「はは、じゃぁ。戻って支笏湖でテント張ります。明日、ここ越えよう」
なんて事が有った。時々北海道一周の装備のサイクリストをここ支笏湖サイクリングロードで見かけるが、彼らは北海道の自然の厳しさをここで知るだろう。その意味で「体育会系」のサイクリングロードとして語り継いでも良いとは思うが。

出発(自宅)発寒サイクリングロード
 わが家は発寒サイクリングロードの脇にあるので、自宅から50mでサイクリングロードに出る。ここから発寒川のフランソワーズ左岸(誰も知らないギャグ)のサイクリングロードを下ると旧農業試験場公園のあたりで札幌新道に合流し、同時に新川に合流する。この新川の左岸に新川自転車道路が伸びている。
 新川は舟による物資の輸送を目的に人工的に掘られた川なので石狩湾に向かって真っ直ぐに札幌市から掘られている。そのため、サイクリングロードも直線である。ほぼ東西に伸びるこのサイクリングロードは必ずどちらかの方向が向かい風である。今日も石狩湾に向かう方向が向かい風であった。
 堤防のに作られたサイクリングロードに平行して河川敷にも散策路がある。向かい風を弱めるために河川敷に降りてさらに新川河口を目指す。だが、所々でこの散策路は切れていて堤防に登らなくてはいけなくなる。
 新しく舗装された堤防の上のサイクリングロードには30cm四方の柔らかいマットの舗装がほどこされている。なな、なんだぁ。ここを自転車で走るとハンドルを取られる。こんな舗装で「サイクリングロード」なんだろうか。散策路である。堤防の上は散策路で堤防の外(どうも川の場合、堤防を起点に川側を外と呼ぶらしい)は寸断しているがアスファルト舗装。なんか、役所の担当者が変わって一貫性が無いって象徴のように思われる。本来、川側の散策路を整備して、堤防の上はあくまでサイクリングロードであるべきだろう。
 鼻が下水処理場が近い事を教えてくれる。ここまで舗装されたんだ。が、ここから先は小樽市、および石狩市の行政区域を越える。そのため、まったく手付かずである。ここから500m先に海岸があるにもかかわらず引き替えしたサイクリストも結構居ると思う。
 新川を越えて石狩湾工業団地に進む。数十年先はいざ知らず、今は道路ばかり整備された地域だ。ここから日本海に抜けてオロロンラインを進む自転車道路は整備出来ないものだろうか。小樽にフェリーで着いて、とりあえず札幌に一泊して、ここから宗谷岬を目指す。その拠点に新川サイクリングロードを位置付ける。そんな構想が有っても良い。
先に書いたように、本当に自ら自転車で走ったことが無い人間の「指定」する自転車道路の弊害が(その弊害の「害」は誰も傷つけない故に、国益的害なのだが)ここにも有る。結局、税金を使う方便で、国民と言うより「会計検査院」を通すための方便に「サイクリングロード」が使われている。
 関係者一同をママチャリに乗せて「完走しなければ死刑」って「会計監査」が必要じゃないのかなぁ。
 戻りの道で先の直線2.5kmを40km/hで駆け抜けて、やはりこの道は穴場だなと思った。
2001.08.05 (C)Mint 本日の走行 32km

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