札幌、始終点が無い道々

コース概要
 今年は春の訪れが例年より10日程早く札幌でも桜の開花が始まった。市町村訪問の旅を始めたいのだが給水や洗顔のポイントとなる公園の水飲み場は春の連休が終わる頃でないと供用を開始しない。万が一の水道凍結を考慮して札幌近郊でもそれまでは水道栓を開けない。
 今週も近場で「札幌ポタリング」することになる。札幌市内では先週白石サイクリングロードが豊平サイクリングロードとつながる様子を見てきた。市役所のサイクリングロード案内では少し事情が違うようだ。冬のクロスカントリースキーで良く行ってる「滝野すずらん丘陵公園」を始点にして野幌(のっぽろ)に向かうコースが書いて有る。これって歩道を利用したもので「サイクリングロード」では無くて「サイクリングコース」なのだ。こんな単純な間違いを何故するのか。簡単だ、担当者が解って無いのだ。自ら学ぼうともせずに業者にこのパンフレットを発注したのだろう。業者は業者で文句も言わず「車で取材して」パンフレットを作ったのだろう。
問題はこのパンフレットを手にして「今年から自転車始めるか」なんて高額なランドナーなんか買って、走ってみたらママチャリ同様な扱い(歩道をランドナーで走る)では辞めてしまうだろう。
そもそも、今の歩道の舗装では自転車は走れない。ママチャリで10km/hで走るのを前提に歩行者と同じ所を走るのだからサイクリングなんて扱いは出来ない。僕もほとんどを車道を走るが、それは30km/hで歩道を走るのなんか出来ないからだ。歩行者の安全と舗装の悪さのために。だから、歩道を加えたサイクリングコースなんて邪道なのだ、ましてそれを「サイクリングロード」なんて呼んで欲しくない。札幌市は姿勢を改めてもらいたい。
 とまぁ、サイクリンロードのパンフレットはまったくあてに出来ないので地図を見ながら作戦を練る。と、変な道々(北海道の場合、国が管理する国道と北海道が管理する道道(僕は道々と表記する)そして市町村が管理する市町村道に別れる。国道と道々は北海道開発局の道路管理課の所轄となる)が見つかった。始点も終点も無い(正確には始点と終点が同じ)の道々89号線。
 地図では札幌をぐるっと回る環状線になっている。普段見慣れた環状線だが地図に出てるコースは我々が何時も呼んでいる環状線と少し違うようだ。道々89号線が札幌の環状線として地図に出ている。市道の環状線はこの道々と共有部分もあるがどちらかと言うと内側にあり中心街に近い環状線になっている。
 始終点が無い道々ってこれ以外に北海道にあるのだろうか。インターネットは便利なもので早速調べてみるとここのホームページに道々の一覧表が有って、その情報では旭川にも道々旭川環状線があるが、ここは完結していないと言うより他の道々と共有箇所が多いので完全な環状にはなっていない。単独で完全に環状なのはおそらくここ道々89号線だけだろう。

藻岩山山麓通
 わが家から山の手通りを中心街に向かって下る。中央区に入ってすぐの「札幌西高校」を過ぎて右折する。この狭い道が道々89号線の「札幌環状線」だってのは初めて知った。ここは是非とも「道々89」の看板を発見したい。ここが地図のとおりなんだって確証を得たい。「地図は地図であって現地では無い」って名言があるが、まさに、地図で知って現地で道路表示を見つけたいのだ。
 この道は車で良く走っているので状況は解る。結構きつい登りになる。「北一条宮の沢線」との交差点で右から来たレーサに乗ったサイクリストと合流する。しばらくは彼に付いて坂を登る。相手はレーサーなんだが全然差は広がらない。こっちはしっかりと付いていける。彼は途中から右に曲がってしまった。たぶん、走り終えて最後の登りだったんだろう。あの方向から来たってことは小樽にでも行ってきたのだろうか。
 スタートして3km程でこの登りなので足が慣れていない。だいたい僕の場合は最初の5kmが鬼門でこの距離の間に体調が整うとその後は結構楽に走ることができる。スタート直後からの登りってのは急に負荷がかかるので「辞めて帰ろうかな」くらいに調子が出ない。その最悪のコース取りだったのだ。
 実は4月中は遠征に出かけないのは先に書いた水の補給もあるが、風が強いことも有る。今年は中国から黄砂が降ったほど高層は西風(偏西風)が強い。地球が温暖化するって事は気候がよりダイナミックになるって事で単に気温が上がるだけでは無い。ま、黄砂は今後増えるだろうが、それにしても春先の北海道は気圧配置による風と局地的な雪の残る山と平地の気温差による山風が吹き、自転車移動には大敵なのだ。
今日は南東の風が強くコースの最初は向かい風で最後は追い風になるように最初は山岳コース(って程でも無いが)を選んだのだった。
鳥居  春の連休でオープンする円山動物園の裏を登りサイクロメータを見ると高度は90m程。家から50m程登った訳だ。円山を越えて一旦下り本当の藻岩山の山麓に出る。ここには稲荷神社がある。石段を登る赤い鳥居は絵になる風景で一度カメラに納めたいと何時も車で通る時に思っていたのだが、やっとデジカメで写真をとることができた。ここを背景に見合い写真撮ったりプロモーションビデオ撮ったりしている札幌の名所なんだが、何故か「穴場」としておおっぴらに公開はされていない。

南19条線
 ここを藻岩山ロープーウェイ駅を右に見ながら下ると「いわゆる環状線」と合流する。この道は福住桑園(ふくずみ、そうえん)線と名前が付いている。ここからは南19条線を東に向かうのだが、「いわゆる環状線」は南22条を東に平行して向かう。数年前に会社の事業所がここに有ったのでラーメンの「おきもと」なんかの前を通って豊平川を越える。下に見えるサイクリングロードは雪捨て場のゴミ掃除も終わっているようだ。
豊平区役所の前、羊が丘道路とのT字路を進む頃には道は徐々に北に向かう。風が追い風になっている事と影が右に移っていくのが解る。このあたりからほとんど車でも走った事の無いコースに入る。
美園(みその)で国道36号線を渡り、東札幌で国道12号線を渡り菊水で環状北大橋を利用して再度豊平川を越える。この頃には道は北西に向かっている。
ここから北15条に合流する。そのまま進めば北海道大学の敷地にぶつかって先に進めない。ところが、その直前では無くて東7丁目あたりから90度右折して北に向かうように地図には示されてる。で、通り過ぎてしまった(笑い)。再度、大谷短大を目標に戻って東7丁目を北上する。

北海道マラソンのコース
飛行場跡  北24条から左折していわゆる「宮の森北24条線」に入る。ここは北海道マラソンで何回か阿部友恵チャンを応援した道だ。途中に「札幌飛行場跡」がある。ここデジカメに納めておこう。最後のコースは西に向かうコースなのだが横風の強さは半端では無い。なんせ左から来る風なので、軟弱に歩道に出て低速で走る。ビル風で車道の中央に押し出されてはたまらない。
 北海道マラソンと違うのはそのまま直進する。出発点の札幌西高校は目の先だ。これが「元祖、環状線」なのかなぁ。一周25km程なので探索サイクリングにはお薦めする。ただ、サイクリングロードでは無い。がしかし、円山近辺の「藻岩山麓線」は結構アップダウンがあるので楽しい人には楽しいと思う。この部分がママチャリでは無理だろうから、いちおう「サイクリングコース」なる。 2002.04.21 本日の走行 27.5km

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