サロマ湖.....佐呂間町訪問

コース概要
 昨年はオホーツク界隈をサイクリング訪問したが、いくつかの市町村が漏れている。残念なのは佐呂間町で、当初の予定では網走からオホーツクサイクリングロードを走って常呂町、ここから足を伸ばそうと思っていたのだが予想より時間が掛かり断念していた。
 であれば、常呂からでは無く、遠軽町から峠越えで攻めようと考えていたのだが、シーズ最初の挑戦でもあり、安易な常呂町からのアプローチに決定。地図を見ると富武士方面に抜けてサロマ湖展望台に抜けるルートも有るのでサロマ湖展望の旅となるかもしれない。現地で状況次第ってことで佐呂間町訪問を目指す。 地図
輪行概要
 今回は札幌から旭川までは国道275号線で雨竜まで、途中から道道47号線を利用して妹背牛、深川を抜けて旭川へ。ここから昨年開通した高速道路を利用するために鷹栖インターから高速道路に入り愛別町に向かう。比布ジャンクションから先は無料なのだが、鷹栖から比布まで550円。なんだかなぁ、もっと安くならないのだろうか。。
しかも走って気が付いたのだけれど、愛別町に抜けるには少し北に回り道をしている。加えて、無料にも関わらずほとんど走行車両は無かった。旭川を北にバイパスする作りなので、いまいち利用勝手は悪いようだ。
 ここから上川町を左折して北見峠をこれままた無料の高速道路、浮島−白滝を利用して遠軽町に出る。本来なら佐呂間町は目の前なのだが、車で走った同じ道を自転車で走りたく無いので、湧別町まで出てからサロマ湖沿岸を走って常呂町に出る。途中、サロマ湖展望台が下から見上げられる。この坂を上る力が帰り道に残っているかしんぱいになる。駐車スペースは常呂少年自然の家、船長の宿の前のスペース。
 ここはサロマ湖の南端、ここで自転車を組み立てて西方向の佐呂間町を目指す。

いざ出発
 車で走ってる最中に道の脇の交通安全の旗を見て気が付いたのだが、当日は西風がかなり強い。コース的には行きが向かい風になる。オホーツク沿岸では風の強弱はあるにしても常に内陸から海方向に吹く。そもそも日本の気象は西から東に変化するので西風の頻度は高い。海岸線では気温が上がる午前中から昼にかけて海からの風、夕方から夜にかけては海への風が吹くが、今回の風は旭川を過ぎてから同じ方向に吹いているので気圧変化によるものだろう。
だとしたら、結構スタート直後から苦戦するかもしれない。
 サロマ湖畔の駐車場から国道を目指す。サロマ湖はホタテ養殖で有名だが、国道沿いにホタテ貝殻が大きく積まれている。まるで除雪した雪山のようだが、高さは10mくらい、横幅は30mくらいか。デジカメで撮りきれないのでwide画面にして掲載している。
 と、国道に合流してT字路を左折した時に強烈な向かい風に向かうことになった。途端、農村振興施設なのか大きなかぼちゃの掲示板がある施設が見える。横に開基記念碑がある。気になっていたのは佐呂間町の役場はサロマ湖からは離れた内陸にある。サロマ湖には面してないのだ。ここの集落の名称は浜佐呂間で記念碑を見ると最初に開拓が始まったのだが浜佐呂間。碑文には以下のようにある。
 明治27年、青森県東津軽郡小国村出身鈴木甚五郎は、この川口(現・浜佐呂間)の地に定住し、始めて本町開拓の鍬をおろした。
 これをもって本町の開基とする。
 明治34年、サロベツ原野殖民地区割設定、同37年、常呂・佐呂間間の道路開通により入植者が増加し、本町の開拓も急速に進展を遂げた。
 本町に開拓の鍬が入って百年、先人達がオホーツクの厳しい風雪に耐え、開拓に尽くした業績によって今日の繁栄を見るに至った。
 ここに開基百年を記念し、先人の労苦を思い、とこしえにその効功を称え、永遠の発展を近い、開発発祥之碑を建立する。
平成6年10月15日 佐呂間町長 堀次郎 ※原文は縦書き

 サロマ湖の水産資源を目的に入植したのでは無く、あくまで農業を行うための入植だったらしい。たしかに、サロマ湖がホタテ漁で活気付いたのは昭和30年以降で、それまで浜佐呂間の経済は零細な酪農主体の農業程度だったのではないだろうか。漁港としても湧別漁協の規模に比べて佐呂間町は船泊程度の規模しか無い。集落の規模も小さい。養殖漁業の技術が無かった当時、サロマ湖は水産資源の対象とは考えられなかったのかもしれない。そもそも流氷に閉じこめられる冬のハンディが有り、漁業は発達の余地が無かったのかもしれない。
 となると、佐呂間町市街地が内陸に有るのもうなずける。では、どの程度の規模なのだろうか、向かい風をおしてさらに西に向かう。

知来小学校
 道路標識を見ると「仁倉峠」とある。この向かい風に加えて峠越えはきつい。結局、この峠とは呼べない小さな丘を自転車を押して越えることになる。高さは50m程だがそれまでの足の負担を考えると出だして足がつっても回復不能なので、安全策をとる。
 ここで当初の計画の周回コースを諦め、常呂−佐呂間のピストンコースに変更する。帰路の追い風を楽しみに進むしか無いだろう。
 シーズンはじめのサイクリングなので勘が戻らない。この程度の向かい風でどれくらい体力を消耗するものだったか体が憶えていない。サイクロメータは20kmを指しているのだが足的にはかなりの負担を強いられてる。喉がやけに乾く。途中小さな集落で自販機でアクエリアス500mlを買って一気に呑む。風のせいで汗のかき具合が解らなかったのだが、相当水分も失っていたらしい。
 10km程で小さな集落に出会う。名称は知来、小学校がある。小さな商店の看板に「国鉄切符販売所」とある。ここって国鉄通っていたっけ? 町並みが何となく駅前風なのだが、ここに国鉄の鉄路が有っただろうか。帰って調べてみないと解らないが、国鉄バスのことを指してるのだろう。ここの集落と小学校を帰りの休憩地点に押さえて置いて更に先に進む。

佐呂間町、芝桜
 サロマ湖を離れてすぐ、ここは酪農地帯だと感じる。サイロや牛舎が道の両脇に点在する。農地もその大半が牧草地だ。酪農地帯を自転車で走るときに辛いのは小さな虫が飛んでいるため吸い込んだり、体に当たったりする。特に吸い込むと気持ちが悪い。何回も気持ち悪くて唾を吐きながら進む。臭いはさほど気にならないがそれでも牛糞を積んだ場所からの臭いは強烈だ。
 最初の仁倉峠以外はアップダウンはほとんど無く、佐呂間別川に沿って山間部に徐々に向かっていく道だ。いくつかの集落を過ぎてサイロが途切れたあたりから佐呂間町の市街地が始まる。
 地図で事前に調べた限り郷土資料館のような施設は佐呂間町には無い。その代わりでは無いが佐呂間神社が大きく地図で示されてる。さらに市街地を進む。市街地は歩道がブロック・レンガで整備され商店が展開する。ただし、商店街は国道添いにのみ展開する。目的の佐呂間神社はかなり規模が大きい。
さらに先に芝桜のピンクの色をした斜面が見えたのでそこまで進んで今回の折り返し地点にする。スポーツ施設のあたりが市街地の終点でここの斜面に大きく「さろま」の文字とともに芝桜が咲き始めている。まだ5分先程度だが、さっきの商店街には「芝桜祭り」のポスターが貼ってあった。開催は来週くらいか。その横はスキー場になっている。
 ここでUターンして、やっと、向かい風に背を向けて走れる。
 途中、森永乳業の大きな工場がある。やはり、酪農地帯なので、この工場で牛乳の加工を行っているのだろう。前に見た鶴居村のような本州へのフェリールートが無いので工場で加工となるのだろうか。
 神社を参拝して、お決まりの役場前での記念写真。さて、戻るまえに何処かでトイレを借りたいと思ったのだが、あいにく公共施設がない。コンビニのセーコーマートは昼時で混んでいる。市役所は当然休みで閉鎖。結局、児童センターや図書館、ドーム型の体育施設等の公共施設の集まった一角の町民センターで「ちょっと用事が」みたい入りトイレを借りる。考えてみると自転車で走るには郷土資料館とか見学出来る施設がないと不便なことが解る。特に女性のサイクリストはどうしてるのだろう。

追い風を利用して一気に常呂町へ
 昇り坂を越えて下り坂になったのと同じで、今度は追い風を背に一気に常呂町へ戻る。ギアもトップに入れて時速30kmほどで快適に進む。途中、知来小学校で顔を洗って給水し一休み。ここの小学校の入り口は両開きのドアなのだが、左側が「職員・来賓用」右側が「生徒用」と札がかけられてる。同じ入り口なので明けるドアが違うってことだろうか。
 来るときには押しで越えた仁倉峠(と言うか、丘)も一気に越える。浜佐呂間で国道に合流してサロマ湖畔の駐車場到着。ここでしばらく休憩する。追い風だと逆になかなか汗が引かない。
 湖面を飛ぶサギを見ながら時間を潰す。時々湖面に飛び上がる魚が湖面に波紋を広げていく。残念ながら飛び上がった瞬間は見られなかったが、2〜3分に一回は波紋が広がる。
 サロマ湖と佐呂間町は必ずしも繋がっていない。サロマ湖での漁は常呂町と湧別町に分かれ、佐呂間町は酪農が主たる経済だろう。畑作もほとんどが牧草地だ。市町村合併で湧別、上湧別と合併する計画があるが、市街地としては上湧別に吸収されるだろう。それよりも、経済圏として常呂町との合併は無いのだろうか。
 シーズン最初のサイクリングで強い向かい風に悩まされた佐呂間町訪問だった。この後、自転車を整備していてペダルのクランクの故障(実は摩耗)が解り、修理よりも自転車の買い替えが必要になってきた。残り市町村10程で自転車の交換が必要になるとは。来週、自転車店でしらべてもらおう。
2004.05.15 (C)Mint 本日の走行52km 走行時間3:40 (車:行き354Km 帰り332Km 合計686Km)

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