反省しきり...鶴居村から標茶町へ

コース概要
 最後の10市町村を向かえて「頑張ろう」って気持ちと「ナンナンヤ!」って気持ちが交錯している。申し訳ないけれど「標茶町」なんて誰も知らないのではと思う。
マスコミに取りあげられる機会もなく正直言って「有るから訪問する」って感じで考えていた。その訪問はタイトルに有るように「反省すること」が多いコースだった。
別に標茶町に責任があるのでは無くまったく自己責任なのだが、本当、最悪のサイクリングだった。サイクリングを完結できなかったのだ。途中でリタイアする事態に陥った。とにかく反省の多いサイクリングだった。
 前回の鶴居村の野球場の駐車場を利用して道々53号線を北上し、国道274号線に合流して東に向かうルートを地図から調べる。他に釧路湿原の東を釧路町からJRの釧網本線に添った国道391号線もあるのだけれど、こちらは往復の距離が80kmを越える。
 折角確保した鶴居村のデポ地点なので、ここから先に進んで標茶町を目指す。他に、釧路湿原を横断するようなコースも有るのだが、この地域が酪農地帯であり、細い道では農家の犬の放し飼いも心配されるので「丹頂国道」と明記されている国道を利用して標茶町を目指す。
地図
輪行概要
 札幌から釧路方面だと360kmを越える。これに釧路市から鶴居村までの距離を加えると400km弱になる。そのため、十勝の高速道路を利用して時間短縮を図る。札幌を出発したのは4時15分。ここから札幌ジャンクションを利用して国道274号線に出てひたすら十勝を目指す。
 日勝峠を越えて、普通なら御影に向けて右折する所を高速道路「道東自動車道」まで進んでから右折する。ここで500円を払って「車よりクマの多い高速道路」って言われた高速道路に入る。実際には熊は出ないけどエゾ鹿は良く目にする。たしかに通行している車はほとんど無い。周囲に車が居ないので早朝札幌を出発したこともあり、単調で眠くなるのを防ぎようが無い。
高速道路 途中、池田インターを過ぎて本別まで90km程だが、ほとんど車に出会わない。ここから国道274号線に戻って白糠町を目指す。結局、目的の鶴居村に到着したのは397km走って5時間57分後。高速道路の効果が有ったかと言えば、帰りの道で高速道路を使わないで380km、時間にして行きとさほど変わらなかった。軽自動車なのだが、高速道路料金1400円はほとんど無駄だったことが解った。
 現地を知らない計画がこんな高速道路を作るのだろうか。平行する国道が無い最短道路としての高速道路が経済効果があるとおもう。今回の十勝の高速道は整備中とは言え経済効果の無い高速道路と指摘されてもしかたがないだろう。旧国道と平行して同じ様な距離で伸びている。せめて、釧路まで伸びれば距離を短くできるので経済効果は上がるだろうが、現状では効果がほとんど無い。

いざ出発
 鶴居村の旧野球グランドの横に車を駐めて自転車を組み立てる。サイクロメータの高度計を見ると−1m。当日は気圧が高いのか鶴居村の旧野球グランドで標高は40m程度有ると思われる。1mの違いだから高度計の補正をせずに出発する。国道を左折して正面に緩い昇り坂が見えてくる。

なんとも、激坂の連続なのだ
 地図では釧路湿原の北側に伸びる道路なので平坦かと思ったがアップダウンのキツイ坂道であった。高度計が117mを示したすぐ後で55m指したりと何回も峠越えが連続する。1ヶ月近く自転車で走っていないトレーニング不足が祟る。
5km程進むと中久著呂の集落に出る。ここを右折すると道々1052を経て標茶町に出られるらしい。地図で確認するが、どうもローカルな路線で交通量も少ないみたいだ。
そのまま国道274号線を進む。相変わらずアップダウンの激しい道が続く。12km程先の道々52号線に分岐する頃には足にきていて、このまま帰ろうかと思った。
 ここで「弟子屈まで25km」の標識を見て、次回のデポ地点でも確保出来たら本当に帰ったかもしれないが、札幌から車を飛ばし6時間もかけて来たのだからと右折してそのまま国道274号線を進む。
 「丹頂国道」と地図に表記されているのにこの交通量の無さはなんだ。全然車が走っていない。さらにアップダウンは半端な高さで無く続く。道路標識を見ると6%勾配が連続しているのだ。たまに追い越していく車がオートマ車だと自動的にシフトダウンしていくエンジン音の変化が聞こえる。それくらい勾配がきつい。ついに歩きを加えて匍匐前進のように先に進む。
 周りに森林が広がっているので定かでは無いが、本来、釧路湿原を右に見て快適なサイクリングが行えるルートと考えていたのだが、全然違う。ひたすらピーク越えを繰り返す。

標茶町市街地
 最後の坂を下ると標茶町市街地に到着。川を渡る橋の付け替え中なのか、川に向かって行き止まりになっている。途中、町立病院とか福祉センターとか立派な建物がやたら目に付く。河川敷にはテニスの壁打ち練習のコンクリー壁が立っていたり、8面ほどのテニスコートが有ったり。残念ながら練習している人は居ない。近くの標茶高校の施設なのだろうか。
 ここで遅い昼食を取りながら一休み。釧路湿原の上流にこんな大きな川があるとは知らなかった。この川と鉄道(釧網線)によって開けた町なのだろうか。公園の水飲み場で顔を洗うと水が冷たい。若干、鉛臭いが水はおいしい。
 役場の位置を確認したいのだが地図を見ると既に通過しているらしい。町内の案内は駅に有るだろう。そのために川を越えて駅に向かう。河川敷きの道を昇る途中でドスン、ドスン」と2回衝突音が聞こえる。直感的に車の衝突した音だと感じる。この音では結構速度を出している車の事故だろう。現場に向かいたいが、とりあえず川を渡ってJRの標茶駅を目指す。
駅  一般的に市街地が川を挟む場合、川の左岸か右岸か、どちらかが主たる市街地になるのだが、標茶町では川の左岸側にJR駅を中心に旅館や飲食店が展開している。右岸側は先の町立病院や役場がある。JRの駅には「SLのふるさと標茶駅」とあるのだけれど、その紹介情報は見当たらない。駅舎の中は無人駅に近く、定時の列車が来る時だけ近くの商店の委託を受けた人が来るのだろう。
 駅の横にはバスターミナルが有る。ここの待合室も時間に合わせているのか室内灯が消されていた。なんだかなぁ、駅ってのは町の看板なんだから、もう少し見栄を張っても良いのではとも思うのだけれど。
 駅前の広場に小さな水飲み場があって、ここに看板が取り付けてある。標茶の水道の水源は摩周湖から直接引いているので天然のミネラルウオーターとのこと。さっき公園で飲んだ水はまさに、このミネラルウオータだったのだ。

役場を探して記念撮影
役場 駅前で確認した役場を訪問すべく、再度川を渡って市街地を見学する。やはり川の右岸側は官庁街の雰囲気で先の病院や福祉センターが建設されている。役場に向かう途中で先に聞いた衝突の実態が分かる。信号無視したRV車と軽自動車が交差点で衝突したようだ。軽自動車に衝突したRV車が再度電柱に衝突して2回の衝撃音なったようだ。
 RV車の運転手が「ここに信号があるとは思わなかった」と言っているが、橋の付け替えのために臨時の橋を架けている交差点に信号が設置されているのだから、通いなれている人には本来の信号のある交差点より手前に新設された交差点の信号を見落としたのかもしれない。
 ガラスの破片が飛び散っているので自転車を降りて押して通過する。ここから役場まで進んでお決まりの記念撮影。
 標茶町訪問を終えて帰路に立つ。最後の坂を登りはじめて足に違和感を感じる。スタート直後の最初の坂をしゃにむに登ったために足が限界に達したのか、つり始めている。去年から何度も経験したので25分走行5分休憩を目処にして走ることにする。ハンガーノックとは少し違うが、補給と消費のバランスを回復すれば良いのだから普通以上に休憩を入れれば回復するってことを去年体験した。
 アップダウンのきつい道も、考えてみれば半分は下りな訳で、ま、のんびり進もうとペースを落として走行する。

緊急援助隊のお世話になる
 中オソツベツの交差点手前で自動販売機でペットボトルを購入する。実は激坂のために1リットルの水筒、途中で買った500mlのペットボトル、これに補給した標茶町の公園の水、全て消費してしまった。来るときに確認したのだけれど、ここから鶴居村までに自販機は1台しか無い。
 とりあえずジュースを購入してカバンに入れ再度出発点に向かう。先の方法で25分を目処に休憩を取っているのだけれど一向に足の状況は回復しない。
 上りは全て歩きの状態になってしまう。さらに歩きの状態でも足に違和感がある。それを繰り返しいくつかの丘を越えていったのだが、目前に犬の吠える上り坂が迫ってきた。来るときは下り坂だったので気が付かなかったのだが、遠くから犬の吠える声が聞こえる。それも柵の壁に飛び掛かっているのかガシャガシャと音が聞こえる。
 ここで作戦を立てる。この坂をしゃにむに登って、万が一犬が放し飼いされていても振り切る。駄目なら坂をUターンして振り切る。どちらにしても足の状態を回復しなければならない。そこで10分ほど休憩を取り、足の回復を待つことにする。
 が、煙草を吸って10分休んでいるうちに足はこわばって来るだけで一向に回復しない。
 割と決断は早かった「ヒッチハイクで鶴居村に戻って、車で自転車を回収に来よう」。早速ヒッチハイクに切り替えるのだが、なんせこの道路は10分に1台程度の交通量だ。20分程たって一台の車が停まってくれたが、修理に向かうので時間が無い。また10分ほどして車が停まる。これが地元の宅配便の配達の車で2、3軒の配達を一緒に回ってくれるなら乗せてくれるとのこと、自転車も車に積んで運んでくれるとのこと。
渡りに船。乗せてもらって何とか出発点にたどり着いた。距離的には20kmを残して今回のサイクリングは初めての「中断、救出劇」となった訳だ。乗せてくれた宅配便の会社の詳細は担当者が叱責されるかもしれないので書けないが、この道を自転車で走るのは無理だ、普通「どさんこ牧場」前を通る道を選ぶなぁ。犬ですか、吠える犬は多いけど、襲ってくる犬は居ない。との話。
 ま、正直言ってトレーニング不足。パワー配分に思慮が無かった、って事か。特にトレーニング不足は自己責任。少し札幌でトレーニングしてから出かける必要があるかなぁ。趣味のサイクリングで迷惑かけて大いに反省の標茶町訪問であった。
2004.06.19 (C)Mint 本日の走行52km 走行時間3:45 (車:行き394Km 帰り380Km 合計774Km)

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