札幌市南区...中山峠を目指す

コース概要
 前回からサドルの調整を行っているのだけれど、どうもシックリと来ない。前回は高さを若干下げたのだけれど尻の痛みは依然として生じる。前の自転車のサドルの位置関係を計測してみると5cm程だがサドルが前になている。ここを調整してサドルの具合を確かめるためには50km以上の距離を走る必要がある。
 少々のポタリング程度では最適なサドル位置が確認できない。札幌市内では豊平川サイクリングロードの周回か前回と同じモエレ沼方向となる。
 考えた末に、何年も行っていない中山峠をターゲットに札幌市南区から山岳コースを目指す。最初に車による輪行のデポ地点となった中山峠。当時は往復100kmを難なく走破したのだが、あれから10年、はたして峠は近いのか遠いのか。 地図

いざ出発
 最短距離は自宅から小林峠を越え、東海大から白川市民林を越え国道230号線に合流するのだが、この間300m程の高度の丘を2つ越えることになる。ここでの体力消耗を避けるために、おとなしく円山公園を巻く道路から国道230号線に合流する。ほとんど歩道を使うことなく車道の左端を30km/h程度の速度で石山に向かう。
 前回と違い商店街が増えて石山から先も信号に捕まりながら、途中のセイコーマートで昼食を購入。サンドイッチと500mlのペットボトルを購入してさらに進む。藤野公園の看板で一休み。が、ここの公園には給水場所が無いのか見つからない。小休止ののち更に先に進む。途中、道の右側に「道路情報館」が見えてきた。このあたりの道路は昔は大きく山添いに迂回していたのだが、大きな橋で直線道路になっている。ここは帰路に寄ってみることにして更に先に進む。
 国道230号線は石山方面の整備が終わる前までは夕方になると必ず札幌方面に戻る車で渋滞が激しくなる。行楽シーズンには室蘭方面からは中山峠を避けて大きく遠回りになるが道央高速道路を使ったほうが時間は早い。札幌から南に向かう幹線道路だが、標高860mの難所でもあり、徐々に交通量は苫小牧、千歳方面に変わりつつある。
 そんな状況でも道路の拡張工事が行われており、2車線化の工事が進められている。

定山渓温泉通過
 そろそろ顔の汗を流したいのだが、公園や給水ポイントが見つからない。前回定山渓温泉手前の公園で給水した記憶があるが、その公園が見つからないうちに札幌国際スキー場に右折する交差点を過ぎ、小さなトンネルを二つ抜けて定山渓温泉街に入る。
 無料で利用できる足湯が出来たとニュースで聞いたが、国道添いにその施設がある。以外と小さく10人も足をつけると満席になるだろうか。ここで一休みとも思ったのだが、オバサン達に混じって足湯も無いだろう、そのまま定山渓温泉街を抜ける。
 定山渓温泉街を抜けると左折して豊平峡ダムや大規模な露天風呂豊平峡温泉がある。ここを直進してチェーン着脱場を兼ねた小公園で一休み。ここからキツイ登りが始まるのだが、今日は何処まで行こうか考える。
中山峠まで辿り着きたいのだが体力的に無理かもしれない。難関の定山渓トンネル自転車通過は10回通過したら2回死ぬって難所で気が重い。
加えて、最近ダイエットを始めて効果が出ているのだが、体力の低下を防ぎながらダイエットするにはなかなか難しい。詳しくはここに情報があるが、体重が4kg減ると体力もそれに応じて落ちるような気がする。ま、年齢的なこともあるが10年前と同じでは無いってことか。
道路標識サイクロメータの高度計を見ながら、高度525mまでは行こうと考える。これが手稲山のロープウェイ駅と同じ高度だから、最低限のトレーニングにはなったって証拠作り。激坂を前ギアを中間に落として登る。
途中、道路に奇妙な印が。考えてみると数日前に札幌を出発したツールド北海道の最初のコースが札幌から真駒内に抜けて小林峠を越えて国道5号線、小樽市に走って朝里峠を越えて札幌国際スキー場の前を抜けて先ほど定山渓温泉入り口で国道230号線に合流、中山峠を越えて伊達までの第1ステージがここだったのだ。よく見ると、このあたりが補給ポイントだったのか、法政大学とか北海道大学、日本鋪道、ブリジストンアンカーと10mおきにチョークで印が付けられている。選手と同じ道を進んでいるわけだ。
高度525mあたりで峠まで11kmの標識に遭遇。もう少し登っておこうと高度540mまで進む。ここから緩く左に曲がる橋を経由して、いよいよ中山峠越えの山道に入る。覆道を抜けて橋を越えると問題の定山渓トンネルだ。
 で、ここで折り返すことにする。水が切れたのだ、ペットボトルも既に空になっている。11km進んで中山峠に着けば自販機もあるだろうが、残り11kmで高度300mを登るにはこころもとない。ま、また来れば良い。距離も40kmを超えているから往復80kmにもなる。
Uターンして10km程のダウンヒルを楽しんで定山渓温泉に戻る。

池田勇人の字になる記念碑
温泉  定山渓温泉街は国道230号線側と豊平川を挟んだ対岸にひらける温泉街だが、中心は230号線側になる。ここに定山渓温泉の碑がある。カッパの夫婦の頭から温泉が流れ込み口から(嘴から)小さい池に流れ込む。横の看板を見ると「ポンプが故障してるので、温泉水が薄められないので熱いので注意」とのこと。温泉と称して水道水を沸かしたりが全国各地で発覚して報道されてるが、こちらは「故障で混ぜれない」とのこと。早速手を漬けてみると確かに火傷するほどでは無いが湯船に張るよりは熱い。
 ここに「国立公園 定山渓温泉」の碑がある。定山渓温泉って国立公園だったっけ? その碑文を見ると「池田勇人書」となっている。うーん、何年前に建てたのだろう。定山渓温泉の歴史を感じる。
 で、先ほどの足湯に行ってみるがあいからわらずオバサン軍団に占領状態。定山渓温泉街の出口あたりに小公園があったので、ここで小休止して顔を洗う。喉が乾いていたけれど、あいかわらず飲むに不適な鉛臭い水で、非常用にペットボトルに半分ほど補給した。

北海道道路情報館
 途中の2車線工事区間を抜けると登りに眼をつけておいた「道路情報館」に出る。最近出来た施設なのでその展示を見学させてもらう。
一番良かったのは自販機からポカリを買えたこと(笑い)。なんでこんな施設を作ったのか、常駐の女性が2人も必要なのだろうか。疑問は尽きないのだが、パネル展示に感心するものが多い。ほとんどが大正から昭和ひとけたの人の語る地元と道路の関係の話。20枚以上あるだろうか。馬ソリにはじまってトラックやバスが走り、今は自家用車が行き来するまでに発達した地域交通網。僅か50年まえは未舗装が当たり前、峠を夜通し歩いて越えたり、冬期間は陸の孤島となったりと先人の道路の想い出が展示されている。もっとも、ジックリ読む人はほとんど居ないみたいだが。
 ここを出ると橋から八剣山と川治に広がる平野を眺望できる。ワイド写真はここにある。この八剣山の下をくり抜いたトンネルが最近開通したのだが、ここから戻らなければその道に出ないので、このまま国道230号線を札幌市内に向かう。

逓信所、旧黒岩家跡
 簾舞(みすまい)のY字路から国道230号線を離れ、前から気になっていた「黒岩家」を見学する。
簾舞通行屋 車では何度も通っているのだけれど、近くに駐車場が見あたらず見学したことは無かった。当日は簾舞神社のお祭りで出店が神社の境内に出ている。こちら黒岩家は無人で記帳して中を見学できるようになっている。北海道開拓の頃の駅停のようなもので「みすまい通行屋」となっている。ここに初代の黒岩清五郎氏が時の政府に要請され入所したのが明治4年。それから11年後の明治15年までは誰も入植者が無く、黒岩家のみが自給自足する通行屋だったらしい。
 国道230号線は数奇な運命を辿る道路だ。別名本願寺道路と呼ばれるように明治4年に現在の伊達市から札幌の平岸まで東本願寺(徳川家恩顧あり)の僧侶が1年半をかけて当時として珍しい馬車の通れる道として開通させたのだが、政府は明治6年に現在の国道36号線「札幌本道」を開通させ、一時は廃止された道路になった。、明治19年に再度整備がはじまり現在の国道230号線の原型となった。
 当時の道はほとんど残っていないが、ここ旧黒岩家簾舞通行屋(札幌市有形文化財)を中心に東本願寺道路の保存と歴史の整理が行われてる。
 屋内は畳が張ってあるのだが、この大きさが団地サイズよりさらに小さい。当時の畳の規格だったのだろうか。国道230号線をめぐる歴史はまだまだ研究がなされていない。先ほどの「道路情報館」と連動して簾舞地区の歴史を保存したら良いと思うのだけれど。
 石山から円山を巻いて戻る。特に尻の傷みも感じず、ようやく新車のブリジストンCA-700も馴染んできた感じだ。
2004.09.18 (C)Mint 本日の走行81km 実走行時間4:30

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