道の駅「望洋中山」
最初は、実走で中山峠の道の駅「望羊中山」まで走り、車のデポが可能かどうか探ります。
去年、定山渓ダム、朝里ダム縦走100kmのコースと途中まで同じです。但し、今回は小林峠等、アップダウンは全て避けて、迂回してでも平らな道を進みます。国道230号線が今回のメインルートです。
右に曲がり定山渓ダムに向かう道を今回は直進してすぐに札幌の奥座敷と言われる定山渓温泉街に入ります。
昔は芸者上げてのドンチャン騒ぎが主流だったのでしょうが、最近の定山渓はファミリー向けになりました。日帰り利用も多いようです。
この温泉街を抜けると左に露天風呂で有名な豊平挟温泉、その先に豊平挟ダムが有ります。ここは、途中から電気自動車に乗り換えてダムトンネルを抜けるので有名な場所です。
残念ながらここも直進です。やがて、熊牧場を左に見てそろそろ登りが始まります。北海道の峠は最近スタッドレス化に伴って峠越えにはチェーンが必要なので、タイヤチェーンの着脱用にそろそろ山道にさしかかるって辺りに駐車可能な広場があります。
北海道を自転車で移動する時は、このチェーン着脱場が登りの終わり、始まりの目安になるでしょう。
ここで、早めの昼食(今日は、2食用意してきた)と大休止。いつもの事なのですが、水のみ場が無い。まさか、トイレの蛇口から給水する気にもなれず、まったく、自転車移動に配慮した施設は作れないものかと憤慨しました。
だいたい、新規のサイクリングロード計画ばっかり、脚光を浴びて、旧道の改修による自転車の安全性確保ってのは考えられもしない。と、話題が逸れましたが、決定的な事件がこの先に待っていたのです。
836mを目指して15kmの登り坂。渓谷をまたぐ橋から時々下をのぞくと雪解けの水が勢い良く流れている。今週は金曜日まで曇天が続いたのだが、今日は青空とちぎれ雲のコントラストが素晴らしい。登るにつれて空の青が、雲の白があざやかになってくる。
で、たどりついたのが「定山渓トンネル」。入り口には1000mを越える長さが表示されてて、歩道は無い。しかも、出口は見通せない。ここまで登ってかなり足が疲れていたので、しばらく休んでから、なるべく後ろからの車が途切れたのを見計らってトンネル突入。
なな、なんだぁ。登りのトンネルは排気ガスで先が見えない程なんですよ。ここまで結構な登りですから車のエンジンも酷使されます、で力一杯排気ガスを吹き出しているのでしょう。とにかくトンネルを抜けようと一生懸命ペダルを漕ぐのですが、なんせ、酸素が取れない感じ。しかも吐き気がしてきて、ここで吐いたら倒れるんじゃないかと思うと必死です。
トンネルを出た所で思わず座り込んでしまった。なんと、最悪のトンネルなんだろうか。10回通ったら1回は出てこれないかもしれない。札幌のサイクリストはこの地獄のトンネルを避けては南に出れないのだから、まったくもう。
しばらく、景色を眺めながらポタリングのペースで走っていると、やっと北海道らしい景色にめぐりあいました。当日は、雲が低く山頂が雲スレスレの山並が眺望できました。また、最悪のトンネルから先は、緩やかな登りでギアを落として12km/h程度で進むことができます。
いくつかのカーブを回ると道の駅「望羊中山」2kmの標識が有って、ここからは平らな道が続きます。
ありました、道の駅、なんと、昔の峠の茶屋を改造したんだと思ったらその向かえ側に新築でしかも、町営(喜茂別町かな)レストランまで有る。
さて、何故ここが「望羊中山」なのかと言いますと、札幌から来ると羊蹄山(YOUTEIZAN)が見える最初の場所なんです。羊蹄山って別名蝦夷富士と言われるように平地から登った1800mクラスの孤蜂です。
道の駅の裏側にスキー場へ向かう道が有って、ここらが車のデポに利用できそうです。その先を登ってジックリ羊蹄山を見ながら2度目の昼食。
羊蹄山の頂上が雲に隠れたり、出たり、そんな景色をボンヤリと30分も飽きずに見ていました。
実は、この羊蹄山は札幌では去年自転車で登った1024mの手稲山からも見ることができます。(最近は、その展望台が崖崩れで閉鎖されているようですが)
不思議なことに、その手稲山から見る羊蹄山は後ろに反りかえって見えます。つまり遠いので地球の丸さを感じるのですが、これは誰にも信じてもらえません。
さて、車のデポの確認はできたし。そろそろ帰ろうか。しかし、折角登った高度を失うのがもったいなくて、途中で草むらにねっころがって雲の動きをボンヤリ見ながら昼寝してきました。
帰りは恐怖の定山渓トンネルも下りの勢いで息を止めて通過。50kmをノンストップで家に帰り付いたのでした。
95.05.27 本日の走行 100Km