夕張市、風致公園
観光農園が点在するあたりで、昼食。今日は、夕張あたりで補給が必要かもしれないなと考えラーメンにしようかどうかなどと考えていたのです。
終着駅万字からは峠越えになります。この登り口に小学校が。しめしめ、ここで給水しよう。実は、北海道で一番の猛暑(と、言っても25度を越えたってことなんですが)で、水はガンガン減ってしまい、ここまで2回も補給したのですが、夕張まで15kmを残して水筒の残り半分。
あれ、雰囲気がおかしい。大きな碑が2つ有り、一方は「万字小学校開校70周年記念碑」、そしてもういっぽうは「万字小学校閉校記念碑」なんと、閉校されてるのです。これじゃ、給水は無理ですね。
石碑を読んでみると、開校明治39年9月21日、閉校平成2年3月31日、なんと炭坑と共に歩んだこの小学校が70周年で閉校になってしまった。そう言えば、万字の街に入ってから一行に人が目に付かない。ウーン、街の産業が衰退するってのは、こうゆうことなんだ。妙に納得。
ここから、登りはガンガンきつくなる。実は事前に地図を見た時は、なんか山の中に入っていくんだからアップダウンは険しそうだなと思っていたのですが、実際は700mの峠だってことに頂上まで気が付かなかったのです。
前からレーサーが一台猛スピードで下ってきます。ピース。そろそろ頂上が近いのかな。後で考えてみるとかのレーサーは既に5kmも下ったのですよ。
少し平らになると、そろそろ越えたかなと思うと、また登りが続く。どうも目の前にある山の頂上近くまで上らなくてはならないと気付いた時には水筒はから。やばい。脱水状態で汗が出なくなってきたのでこれ以上ペダルを漕ぐと倒れそう。気温が高くて身体のの熱を逃がせなくなったら最悪熱射病で倒れてしまう。かと言って、今登ってきた道を引き返すのはいやだ。
結局、押しで体温が下がったら乗る、体温が上がったら押しのくりかえしで平均時速10kmで峠越え。この峠の先には夕張風致公園が有り、ここで給水。
顔を洗っていると「何処から来たんですか」と声をかけられ、「札幌から車で、岩見沢から自転車」と答えると「さっき追い越して、良く自転車でここまで来るなぁって感心してたんですよ」だって。こっちは必死で走っていたのに。
それにしても、ここ700mの峠は高度感があって、楽しめます。今登ってきた道がはるか下に見下ろすことができます。ただし、水は充分に持ちましょう(笑い)。
ここから、一気のダウンヒルで夕張に下ります。風致公園を出てすぐに、夕張の石炭の歴史村のジェットコースターと観覧車が、正面には岩盤の絶壁がそして、夕張メロン城、その下には夕張メロン年中栽培のセンターが、めまぐるしく換わるパノラマを見ながら夕張の街に。
夕張には15年ぶりくらいで来ましたが、もはや石炭の歴史村が夕張市なのか、夕張市全体が石炭の歴史村なのかわからないくらいに全面観光化していて、もうはや、これ以外なにもないって感じです。
遊園地の客の入りは少なく、10分程まったのだけれど、ジェットコースターは走り出しませんでした。
実はひとつ楽しみにしていたのが、サイクリングターミナル「黄色いハンカチ」、もしかしたらC&C(Combine Cycling)してる人間と情報交換できるかな。そもそもサイクリングターミナル初体験なんですよ。
で、一日500円の駐車場を係員の制止を振りきって目の前のサイクリングターミナルへ向かいます。実は、ここの後ろから道が有ったのですが、目に入らなかったのですよ。
そうそう、遊戯施設の駐車場で別途駐車料金取ってはいかんな>夕張市。そんな気分悪くすることしないで、遊戯施設で金取れば良いじゃないか。ま、観光事業ったって、ノウハウが無い武家の商法てやつかな。そんな時はジョージア(飯島直子風に!)
サイクリングターミナルがこれまた閑散としてる。とりあえず食堂で焼きそばでもと思ったら、食堂の電気は消されていて、食券を買ってくださいって看板はあるのだけれど、食券を売っている気配が無い。
で、ずかずかと厨房に入って「食券下さい」って叫んでなんとか、注文できたのだけれど、もう、気分は最悪。
どうも、先程の開校70周年と閉校記念の碑が並んで建っていた万字小学校のあたりから、国のエネルギー政策に翻弄された地域の悲哀を感じていたのだけれど、こんな最悪の町作りしか出来ない寂しさってのも夕張市民に当事者として責任あるなって感じです。
で、出てきた焼きソバは少し気分を直す作用は有ったのですが、どうもねぇ。
夕張サイクリングロード、栗山町、栗沢町
ここから、栗山町に向けては自転車専用のサイクリングロードが18kmに渡って伸びています。道々を進めば13km程なのですが、ま、ものは試しこちらを進むことにします。途中市役所で記念写真。大きな噴水が前庭公園に有ったようですが、気分が優れないので、無視してサイクリングロードを進みます。途中、幸せの黄色いハンカチの記念公園に寄って栗山町に抜ける予定です。
もう、20年も前になりますか。たまたま、友人にマッドマックスが面白いと薦められて、時間が無かったのですが、ようやく時間を作って映画館に行ったらなにやら「幸せの黄色いハンカチ」てのを上映していて、黄色いハンカチじゃジョンウエインの騎兵隊の「黄色いリボン」のパロディかなと思って入ったのですが、その内容に感激して、以後、武田鉄也の刑事ものにまで手を伸ばすまで日本映画フアンになったのが、この「幸せの黄色いハンカチ」でした(ちと、センテンスが長いな)。
そう、あの映画の頃の夕張で無くなっているのも、気分が優れない原因でしょうか。また、市内のサイクリングロードがズタズタで、何処に繋がっているのか解らないのですね。交差点でキョロキョロサイクリングロードの看板を捜すはめになりました。原因は、看板が明後日の方向を向いていて、直されてないのです。
で、左に曲がると「黄色いハンカチ公園」て交差点にどうにかたどり着きました。ここから見上げるとありました、高い旗竿の両方から黄色いハンカチが青空に伸びている。一気に坂を登って撮影跡地へ。
風が強くて、映画と同じ様にパタパタと音をたててます。
このセットは炭坑住宅(略して胆汁、じゃなくって、炭住)を利用したもので、中に入って映画のビデオを見ることもできます。早速中に入ってビックリ。あの映画で使ったファミリアが置いてある。チューリップ(だったよな)の「さぁ出掛けよう、ファミリアァァ」ってCMソングが聞こえるようです。
中に黄色のポストイットが置いてあって、観光客が書いて天井と言わず、壁といわず張ってあるのですよね。入り口の部屋から真ん中の部屋に移るとパネル展示とビデオ上映、その先の部屋には高倉健風と賠償千恵子風の人形が茶部台で食事してるなんとも、奇妙なディスプレー(これは、見ないほうが良いかもしれない)
パネルを読むと、「映画を見て感動した人が夕張を訪れてくれるのだけれど、何も無い。それではと町の有志が高倉健のサインの入った黄色いハンカチを売って、作った金でこの施設を作った」とか。
ふーん、居た居た、頑張っているやつ。町作りはこうじゃなくっちゃ。その募金に使った500円の黄色いハンカチは下の理容店で売っているとのこと、早速買って帰ることにしよう。
丘を下り理容店を捜したのだけれど無かった。多分潰れてしまったのかもしれない。だとしたら、何故サイクリングターミナルで売ってないんだ。やい。
どうも、「幸せの黄色いハンカチ」が与えた感動を夕張の人は解ってないんじゃないかなあ。(その後の調べでは、「下」の表現が適切ではなく、「隣」の感覚で探すと見る狩るそうです)
で、やっと専用道路らしくなったサイクリングロードを栗山町へ。
緩い下りのこのサイクリングロードはお薦めです。MTBでも平均30kmで走れる。途中長いトンネルが3箇所もあって、涼しいのなんのって外からの空気が中で冷やされて霧になっている。
どうも、このコースは昔の街道だったようで、トンネルの様子もレトロです。
現金なもので、すっかり気分を良くして栗山町、もっとも栗山町の役場はグルット回って反対側で、とりあえず、夕張川を目指します。途中にあの日航機123便で亡くなった坂本九さんの記念館があるので、ちょっと寄り道。由仁(YUNI)町が近いので役場の駐車場がデポポイントとして使えるか偵察。
栗山町の役場に着いたのは17時。記念撮影をしようと思ったら工事中でで役場の標識が出てない。とりあえず、選挙ポスターに町名が出ていたのでこれで代行。
岩見沢まで18km、途中栗沢の役場に寄って給水+記念撮影。なんと、メーターが100kmを越えて、前半の峠越えの影響か足がツリ始める。こんな時は30分も休むと良いのだけれど、あと10kmなので無理して走る。
やっと、岩見沢市役所が見えてきて今日のゴール。
メーターは107km。給水に失敗しなければ、もちっと早く走れたかな。
95.07.09 本日の走行 107Km