パノラマラインを越えて、岩内町、共和町

コース概要
 昨年の9月は手稲山(TEINEYAMA)1024mを登ったので、今年もシーズンの山場(だいたい9月がコンディションのピークですね)はどこか峠を越えようと地図を検索していたら、未踏の峠パノラマラインを発見。
 ここは今年のツールド北海道のコースでニセコ山系を越える800m弱の峠コースです。ツールドは岩内町(IWANAICYOU)から倶知安町(KUCCYANCYOU)に向けて走るのですが、この逆ルートに挑戦してきました。
 C&C(Combine Cycling)の車のデポ地点は倶知安町の総合体育館、後ろの山にスキーのジャンプ競技台が見える所です。国道5号線からニセコの五色温泉へ抜けるルートを曲がりJRの線路を越えた右側にあります。
 片隅を借りるので、わざと隅に車を止めたのですが、逆に目立ってしまったようです。土曜日はガラアキでしたが。
 ここで自転車を組み立てて、国道5号に戻りニセコに向かいます。
 1000m近い峠越えなので、上着とカッパをバックに詰めます。去年手稲山で雨に降られて、下りで凍死するんじゃないか(笑い)と思うくらい寒かったので用心のためです。結構な荷物になりました。
 さらに、ここ倶知安町のサンクスで買い出しです。いちおう駐車料金替わりに地元で買い出しを基本にしています。
 峠越えでは何時も水不足かハンガーノック(でしたっけ)になっているので、今回は事前準備を慎重に行います。朝食と昼食と2食買い込みます。水は自動販売機を基本にボトルはあくまで予備に考えます。

パノラマライン
 倶知安町から真っ直ぐにニセコ山系へ登る道があるのですが、ここは道幅が狭いのとツールドのコースでないので、今回はニセコ町からの登ります。
しばらくは5号線をニセコ方面に向けて、途中JRの比羅夫(HIRAFU)駅近辺からJR函館本線を越えて、山道にさしかかります。631号線「ニセコ高原比羅夫線」です。
 で、5号線を曲がるとすぐに、呼び止められます。女性2名が乗った車から「すみません小樽どっちですか」ガーン。なんという方向オンチ。助手席では地図を広げているのに、今目の前の5号線をどっちに曲がったら良いか解らないとは。ちなみに、札幌ナンバーでしたから、中山峠経由でニセコに来て、返りは小樽に寄ろうとしているのでしょう。地図に現在地をプロットしてあげました。
 ニセコ山系はスキー場が多く、登り道の行き止まりがスキー場って道が結構ありますが、案の定その一つに迷い込み(笑い)ニセコ国際ひらふに辿り付いてしまいました。登りの道を間違えるのはキツイですね。
 結局5km程無駄な走行をして、無事正規のパノラマラインへ出ることができました。ここで早めの朝食と小休止。これから800mの峠越えです。
実はニセコから越えようと思ったのは、先の岩内町からですと海抜0mからの挑戦ですが、こちらからですと、海抜100mくらいは楽できるからです。もっともグルット回って車のデポ地点まで戻るのですから、同じですけど。
 しばらくはペンションがチラホラ見える道を登ります。ボトルの水を残すために極力給水は自販器を利用します。途中から自販器も無い地点が始まりますからここでボトルを利用することになります。
 おっと、ツールドの練習が集団が前から来ます。ピース、返事が無い。なんか外人も混じったチームですね。(実は、これがアンドレ選手だってのは、後日、ツールドのゴールで知りました(冷や汗))
 ペンションが切れたあたりから本格的な登りが始まります。スキー場の前を左に曲がって一旦昆布温泉街へ下って、さらに登りが続きます。ここで蘭越(RANKOSHI)町に一時足を踏み入れます。なにやら、北海道HAMクラブの会合があるようで、温泉街に看板が出ています。
 ツールドの交通規制の看板を頼りに昆布温泉を抜けて右に曲がるとついにペンションも何も無い山岳ロードの開始です。向こうから中学生と思われる子供がレーサーで一気に坂を下ってきます。ピース。

 今回は、絶対「押し」はしないと決めていたので、足がもたなくなると休憩です。何回か休憩を繰り返すうちに湯元温泉野営場に辿りつきます。キャンプ場として設備は整っていますから、炊事場で給水ができます。しかもニセコ山系の天然水のようです。
 前回自宅からの水を捨てて公園の水を詰めて失敗しているので、ここはあくまでボトルはキープです。沢の水で冷やすのみです。
 さらに登ると倶知安町からの登りの道と合流します。こちらは五色温泉があって見所は多いのですが、いかんせん道が狭い。五色温泉は本当に色が変わる温泉で、おすすめなのですが、ルートとしては、ここパノラマライン経由のほうが道は良いです。しかしパノラマラインてのは観光道路ですね。トラックが滅多に通らない。また、バイクがやたら多い。たぶん通行車両の半分はバイクでしょう。
 ここから、チセヌプリを見ながら最後の登りにとりかかります。今日は雨の後で空気が澄んでいるので、チセヌプリの登山者が見えます。(最近眼鏡を変えて視力1.5を確保したもので)。ここチセヌプリへの登山道も先ほどの湯元温泉から伸びています。チセヌプリが1135m、これより300m程低いのがパノラマラインの峠ですから、目安になります。あと、200m程か。
 あ、なんだなんだぁ。ギリギリ車で登ってチセヌプリをピークハンティングする車の路上駐車の列が。
 車で登る峠ですから、去年の手稲山程キツクは無いようです。2、3回つづら折りを繰り返すと最高地点です。近くの硫黄川からの硫黄の臭いがきつい。この亜硫酸ガスの中をツールドの選手は下っていくのですね。考えてみたらニセコからのルートは亜硫酸ガス吸っての登りだから、意外とお勧めではないかもしれない。
 一面笹の大谷地が広がります。火山と高度からこのあたりは木が育たないのかもしれません。ニセコ山系の1000mを越える山頂は良くて笹、ほとんどは岩場になっています。
 少し下ると峠の休憩所。缶ジュースの自動販売機もあれば、レストランもある。ここから100m程脇に逸れると展望台があります。日本海を見おろす展望台ですから800m一気の眺望が開けます。

岩内(いわない)町
 岩内平野を望んで休憩&昼食。さすが、1000m近いと気温が低く、しかも晴天のためか海風がもろに吹き付けてきます。海沿いを走る時の鉄則ですが、天気が良いと昼頃から海から岸への風が吹きます。海沿いへ向かう時は極力早い時間に。また、海沿いから戻るときは昼過ぎにするのが楽です。
 ジャージの上を着込んでも汗が乾くとともに寒く感じます。特に展望台は吹きさらしですが、ま、眺望が良いので我慢しましょう。この風があるおかげで麓のゴミ焼却場の煙が気になりません。実はこのパノラマラインの唯一の欠点はこのゴミ焼却場の煙です。風の無い時はこれが谷間に淀んで視界を遮ります。無煙に早く改修してね>岩内町
 ここから少し下がった所に小さな沼が有ります。ここまで歩いて1km。どうしようか迷ったのですが、ここから戻って来た人に聞くと、ま、たいした所では無いとのこと。実は700mもの高所に有る沼なので植生とか学術的には貴重なのでしょうが、今回はパスします。
 ここから一気に下りです。12kmのダウンヒルです。最高速度は54km/hを記録。辿り付いたのが岩内町市街です。役場の前で記念撮影。道の駅の近くで小休止です。ここはふれあいトイレとか訳の解らない(笑い)施設が集まっています。しかし、給水場は蛇口が壊れていて使えません。まったく、もう。

共和(きょうわ)町
 ここから車をデポした倶知安の体育館までは25km程、時計も2時を回った所ですから、あと1時間の行程でしょうか。途中共和町(KYOUWACYOU)の役場を通ります。ここの横に郷土博物館が有ったので、時間があれば見物することにしましょう。
 岩内平野の小さなアップダウンの繰り返しの道を共和に向かいます。ここの町はカカシ祭で有名になっていますが,郷土博物館もずばり「かかし館」です。
 入場料100円也。こうでなくっちゃ。300円は高い>穂別町。なにやらバスも着いて団体での入場者が多いようです。
 入り口で100円を払って、100円はするパンフレットをもらいます。この施設は新築された常設展示場と隣接する廃校になった小学校の第2展示場がつながっています。ま、普通の展示の「おやくそく」とうりに有史以来の町の歴史が展示されています。
 ただ、感動的なのは共和町出身の西村画伯の絵です。僕はあまり絵は解らないのですが、西村画伯の人に対する思い入れが絵に表れています。1951年に妻子を置いて単身パリに渡米(じゃなくて、渡欧)、ピカソの絵を扱う画商に見いだされてデビュー。その絵は温かみとともに何かを伝える迫力があります。その中で無機質な「水の力」、「氷河」の2点がすばらしい。
 近ぢか、西村画伯の美術館が完成するとのこと、その時は生の絵を鑑賞できるでしょう。残念ながら「氷河」以外は写真なんです。
 ここの博物館は只飾ってあるだけでなく、館長(かな?)自らが館内を歩きながら質問があれば聞くし、無くても入場者に声を掛けて歩くのです。特に第二展示場の昔の生活用具は実際に動かして説明してくれます。
 ここにタイガー計算機が有ったのには驚かされた。
 廃校になった第二展示場の廊下には、各自の名札が張ったままのフックが並んでいて、ああ学校だったんだって実感できます。館長(かな?)の話では昔は30校もあったのが、統廃合で現在は規模が大きくなって3校になったとか。
 ま、交通機関の発達に伴って統合されていったのでしょう。
 ここから国道5号線に出て、倶知安まで15km、さっき車で通った道です。が、小沢のあたりからなにやら結構な登りが始まります。車で来た時には気にならなかったのですが、意外とキツイ。ここで「押し」が入るのかと一時考えたのですが、とにかく休みを入れて無事峠越え。ここって200mくらいの標高差があるかもしれない。
 JRの倶知安駅前で羊蹄山のわき水をたらふく飲んで「完走、やったね」。
 あのですね、倶知安のタクシーの運ちゃんさ、水のみ場でマイペットの臭いムンムンの雑巾洗うなよなぁ。気分悪い。こいった所から観光って崩れていくんだよなぁ。
 倶知安町の総合体育館に戻ると、車がポツンと隅に目立っています。ま、無断借用だからと思って隅に止めたのが逆に目立つ原因でした。
 小沢の峠は予定外でしたが、今日は合わせて1200m位登ったのではないでしょうか。
95.09.09 本日の走行 90km

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