オロロンライン......厚田村、浜益村

コース概要
 北海道は四方を海に囲まれて、日本海、太平洋、オホーツク海、それぞれの海岸線をツーリングすることができる。
季節風の関係から、初夏の北海道ツーリングと言えば反時計回り、晩夏となれば時計回りが楽なコース取りとなる。
 日本海沿いは宗谷から始まり、日本海に浮かぶ利尻島、天売、焼尻を見ながら留萌市、そして石狩町(今年の9月からは石狩市)へ南下する通称オロロンラインが有る。
 北海道で一番最後まで陸の孤島と言われたのがこのオロロンラインの増毛・浜益間の雄冬。高倉健といしだあゆみの映画「駅」の舞台ともなった増毛まではJRが走っていたが、ここから雄冬へは船でないと渡れなかったのがつい数十年前。
 車で何度も走行しているが、海岸段丘を横切る川の作った平地に集落が作られてるのでおよそ70mの海岸段丘を登ったり降りたりの繰り返しで、自転車には辛いコースと思われる。
 しかし、ここをクリアしなければ、北海道212市町村の2村、厚田村、浜益村の役場は訪問できない。どれくらい、辛いか、実地調査に向かうことにする。

厚田(あつた)村
 今回はC&C(Combine Cycling)(輪行)。軽自動車の後部座席を倒してシャニムニ(でもないか)前輪を外した自転車を積み込む。何故か屋根の上にはまだスキーキャリアーが付いたまま。
 どうも、クイックリリースのハブにライトのマウントを挟んでいるのだが、これが正しく付かないので、変形している。今回はトンネルも多く、必須だが、ライトのマウント方法を替えなければならないだろう。
 前回の聚富(シップ)の開基100周年記念公園に車をとめる。
 地図をアレコレ検討したのだけれど、やっぱピストンコースしか無いようだ。ここから浜益村まで往復100km。今シーズン初めての100kmだが、かなり起伏が有るので、6,7時間は見て置いたほうが良いだろう。途中「押し」も覚悟かもしれない。
 風は海からゆるく吹いているがさほど影響は無いだろう。再度ライト類の確認をして出発。
 石狩霊園の前を過ぎるころから最初の登りが始まる。ここから海岸段丘の上の道を走って下った所が望来(モウライ)。数年前まで夏には必ず会社でキャンプに来ていた佐藤民宿を横目に先へ進む。しばらく平地を進むとまた登り、ここでオロロンライン最初のトンネルを抜ける。後ろの蛍を付けて、ライトも点滅モードにする。回りの牧草地にはまだ雪が残っている。
 嶺泊の農場レストランのサイロがそびえている。ここでジンギスカンが喰えるのだが、今日は真っ直ぐ進む。坂を下って厚田村到着。
途中追い越していったレーサが役場の前で休んでいる。
 まず、記念写真、と、最後の一枚だった。今日はフイルムのスペアーを持ってこなかった。時間は11時半、そろそろ昼飯の買い出しを考えながらフイルムを探す。
あ、やはり。
 一番心配だったのは、この界隈は数十年前まで厚田村で行き止まりのため、コンビニやドライブインが極端に少ない。厚田村商店街といっても、残念ながらコンビニは無い。フジフィルムの旗のある化粧品店でフィルム購入。おっと、なんて美人なんだここの娘(笑い)。
 で、2,3軒「食料品」と書いて有る店を見てみるが、食材は有るが食料は無い。結局地場のホカホカ弁当みたいな店で焼き肉弁当を買う。
 ツーリングの楽しみに「青空の下で食べる食事」があるが、ほとんどの場合コンビニで買い出ししている。道中の腹の持ち具合を考えると毎回同じではないが、およそのボリュームが予め解るからだ。どうも、初めてのものは一般的に小量過ぎてツーリングの最後にハンガーノック気味になる。
 厚田村の北に厚田村公園がある。ここで今日は中学校の演奏会が有るそうな。早速休憩。弁当を食べる。この公園も最初は駐車場兼休憩所しかなかったのだが、最近は山側を整地して水が吹き出している。山の上にはなにやらお城風な建物もあるが、これは帰りに寄る事にしよう。やっぱ、弁当は量が不足していた。
ここから、登り下りをくりかえし、滝の沢トンネル。1200m程。結構長い。赤岩トンネル(確かに岩が赤い)、太島内トンネルを過ぎる頃から登りが始まる。最大の峠、標高400mを登って送毛(おくりげ)トンネルに向かう。

浜益(はまます)村
 昔はこのトンネルが無く、旧道のジャリ道だったが、このデコボコの砂利道で車のシフトが抜けてオーバーレグしたことが有る。今は、車なら舗装道路を利用して一気に浜益村に出る事ができる。
さすが2000mも有る送毛トンネルは長い。
 5分以上の走行になる。しかし、連休の初日のためか、2000mに僕一人だけ走っている瞬間がある。なんとも、北海道だなぁって北海道人が言ってどうする。
 峠を越えると昆砂別。ここから右に曲がると新十津川を経て滝川市に抜けられる。ここは、夏の海水浴の民宿のメッカですね。
 浜益村の役場はこれより先の市街地にある。緩い峠を越えて浜益村市街地へ。アマチュア無線仲間のガソリンスタンドを覗きながら(今日は外勤みたい)、坂 を登って役場庁舎。
ギャ、村役場としては最高の建物。これより小さな町役場結構有るぞぉ。
おやくそくの記念写真。
サイクルメーターはジャスト50km。この先は沢山のトンネルを経て増毛なんだけど、たぶん、留萌側からのアプローチだろうなぁと地図を見ながら考える。
さて、戻るか。
 再度、送毛トンネルを抜けて厚田村公園。ここの丘に登って、さっきのお城は山の裏のスキー場のリフトであることが判明。この施設は日本海を望む屈指の展望台ですね。絶対、いちおし。
走行距離80kmを越えるあたりから、膝に傷みが、少し急な坂は「押し」。
車に戻ってサイクルメーターは100km。時間は6時間。
 日本海の眺望を楽しみながら走るのなら最高のコースだけど、ひたすら宗谷岬を目指すなら、やはり札幌から231号よりも275号を選んだほうが良いと思う。時間に余裕があれば、是非とも楽しんでもらいたいコースだ。
 275号なら札幌から1日で120kmを走って旭川に抜けられるが、こちらは1日で80km程度で留萌近辺1泊のコース設定が良いだろう。
96.04.27 本日の走行 100Km

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