日勝峠..日高町に拠点を確保

コース概要
 北海道を東西に分ける背骨日高山脈。ここを越えて道東に抜けるには代表的な3つの峠がある。日高町から十勝清水に抜ける「日勝(にっしょう)峠」。富良野から十勝清水に抜ける「狩勝(かりかち)峠」。ちょっと北になるが、上川町から遠軽町に抜ける「石北(せきほく)峠」。
後者の2峠は名前から解るように、石狩川およびその支流に沿った峠。日勝峠だけが両方に展開する日高町と十勝の名称が付いている。
 今までの訪問記録を遡ってみると、最も近いのは昨年の穂別・平取を訪問したときの途中から日高に向かうことができる。ここから日高町まで30km弱、そこから日勝峠頂上まで30km弱、峠の先を下って十勝清水まで行くには更に20km。とても一日でピストンコースを設定できる距離ではない。
 日勝峠の標高は1000m。ここを往復するには出来るだけ峠頂上に近い地点に車のデポをする必要がある。日高町訪問を兼ねて、出来るだけ峠に近づくのか今回の目的。些細なことだが、娘のバスケット全道大会が帯広市で翌週にあるので、これの事前道調査も兼ねる。

日高(ひだか)町
 今日の距離は100km前後。しかも、車の走行は2時間程。最近に無い楽な予定になっている。幸い雨は降りそうにないし、軽く足慣らしになるだろう。車の中でラジオを聞くとNHK。民法ともアトランタの野球の決勝を中継している。274号線、「日勝、樹海ロード」を走りながら夕張を過ぎるあたりで同点の満塁ホームラン。バックミラーを見ると後ろを走っている車も同じラジオを聞いているのか、運転手がガッツポーズを決めていた。
 国道274号を離れて、道々74号、穂別の市街地を抜けて、道々131号を沙流川に沿って峠を越えて国道237号に合流する。この直前に開発局のパーキングがある。ここが今日の拠点。ここで自転車の組み立て。アトランタの野球決勝は終わっていないので、ポケットラジオをセットして走り始める。
 沙流川の上流、渓谷を縫いながら日高町を目指す。橋がある度に、橋の真ん中から見おろす渓谷の景色は車で突っ走っていては味わえない。道東に抜けるのに襟裳岬経由にするか、ここ日高町経由にするかの分かれ目は、海岸線の道が好きか川沿いが好きかだろう。しかも、この道は橋の上から渓谷の底を流れる沙流川を楽しめる。
 しばらく進むと、大きなドライブインがあって、ここか日高竜門。柱状摂理の川沿いの崖が素晴らしい。
 それにしても沙流川の作り出した景観を満喫できる道路だと、自転車故に思うコースだ。車では単調な道に感じるのだが。
 日高町は近い。右に入るとバイパスする道をあえて、国道に沿って進み日高町へ。ここは富良野から来る道との合流地点。交差点に進みここを右折して役場に向かう。
 なんと、役場の周辺は日勝峠に向かう交差点を中心に道路の拡張が行われているみたいで商店が後ろに移動している。お約束の役場の前で記念写真を撮ってさらに峠に向かう。
 昼食は峠の手前のドライブインが有る当たりでと考えながら、今日は何処まで峠に近いデポ地点を確保するかにかかっている。最悪でもスカイパークにまで足を伸ばせばここに開発局の公共駐車場があるはず。
 結局、峠に入り3号目の看板の地点に車を止められるスペースを発見。ここまで結構登りだったのか、平均速度が少し落ちている。サイクルメーターを見ると50km。今日はピストンコースなのでここから折り返し。戻りは下り坂なので向かい風を気にしなくてもスイスイ進める。再度日高町を経由してデポ地点に戻る。
 途中、行くときはパスしていた「鉄道記念館」に寄る。ここは国鉄が民営化される前に赤字で廃止されたたしか「富内線」の跡地。駅の跡に記念館を建てて、ま、廃止するための税金みたいな施設。と思っていたら、結構しぶといぞ。
 ここの駅のホームの跡地に客車が止めてあるのですが、これがラーダーハウスになっているんですよ。客車の中は座席を取り払って畳に変えてある。北海道を旅する人にこのライダーハウスはいわゆるひとつの北海道独自の文化。
 古くは「カニ族」、「ミツバチ族」と呼ばれた北海道無銭旅行者ですが、逆にオートバイで旅行する人々の利便を考えて始まった「ライダーハウス」これが北海道の各地に点在している。特に自転車の場合、テントを積まなくても寝袋1個でこのライダーハウスを渡り歩けば北海道を一周できる。しかも、平均宿泊料は800円。なんとも、北海道のツーリング文化を支えているのがこの「ライダーハウス」。
 たのもしい施設を見学して、車のデポ地点へ戻る。
1996.07.27 本日の走行 100Km

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