渡島半島..長万部、黒松内

コース概要
 ふと、地図を見て気がついた。札幌から先へ先へと道内212市町村訪問を続け、車で2時間も3時間も走ってDepo地点に向かうのだが、南方面を見てみると、まだ全然訪問していない。
 先に、室蘭市近辺を走っていたときに、「函館140km」の看板を見た。真っ直ぐ進むなら一日で函館に到着するのも夢じゃない。しかも、函館方面にはJRの路線が伸びているから、JRを利用したC&C(Combine Cycling)輪行も可能な地域だ。
 残念ながら今年はグルット羊蹄・ワンダーサイクリングも雨のために棄権し、一度も行っていない。唯一、去年の虻田方面のコースの記憶を頼りに、豊浦町の公園に車をDepoして渡島半島の入り口に取りかかることにする。
いざ出発
 当日の北海道地方の天気予報はおおむね晴天、ただし、太平洋方面は一時雨の予報。なんか、出鼻をくじかれる。札幌から中山峠を越えて、ひさしぶりの羊蹄山山麓を走って細川たかし公園で休憩。羊蹄山は雪が無いのは数カ月。その間に写真をと思っていたのだが、今日は絶好のシャッターチャンス。雲の動きを待って撮影。

 ここ真狩村の役場はセブンイレブンの横にあるのだが、このセブンイレブンで糧食の仕入。去年おいしかった「ホタテご飯」を探したのだけれど、O157の影響なのか、残念ながら無い。最近は、昼食をとる方式の補給ではなくて、1時間か2時間おきに小量づつ補給するので、買い出しもそれに合わせて小口に買い込む。
 さらに豊浦に向けて山道を越えて、噴火湾、太平洋を望む所に公園がある。ま、本来この公園を利用する人の駐車場なんだろうけど、空いているものを使わないのはモッタイナイ精神で場所を借りる。
 ここで自転車を組み立てて国道37号を長万部に向かう。地図によると礼文華(レブンゲ)の峠を越えて噴火湾沿いに伸びている。どうも、空気が魚臭い。ま、海岸が近いのだからかもしれないが、フイッシュミールのような臭いがさっきからする(詳細は後述)。

長万部(おしゃまんべ)町
 アップダウンが多い道を進む。全長1500m以上の礼文華トンネルの前で小休止。このトンネルは登りのようで、しかも排気ガスが充満している。トンネルを作る人に要望なんだけど、トンネルは平に作って欲しい。多くの坂になったトンネルは排気ガスが充満しやすく、自転車で走るには最悪の状態になっている。今まで最悪のトンネルは中山峠にある定山渓トンネル、そして、次がここかもしれない。
 この礼文華トンネルを越えたら先は下りと思っていたのは大間違い。この先の静狩(シズカリ)峠が本物の峠。さすがこの高さからでも噴火湾の対岸は見えない。
 下りは一気に50km/hで飛ばす。今日は若干のサーキットコースなんで帰りは通らないが、こちら側から越えるのはきつい峠だ。
 どうも、このころから追い風が強くなる。さすが帰りは向かい風がきついかもしれない。
とと、海岸線に出るととまれない.とまると風でなぎ倒されそう。風速20m以上の強さ。特に海から真っ直ぐ吹き付けるせいも有ると思うけど、走らないと立っていられないってのは相当の風。ここから先が見えない程の直線が続く。静狩国道直線8km追い風15mに追われて長万部入り。ここには平和記念館とか植木蒼悦記念館なんかが有るのをJRの駅前の看板で確認。国道沿いの役場の前で記念撮影。ついでに顔を洗ってひと休み。どうも、ここに車をDepoする場所が確認できない。このまま、噴火湾の海岸線に沿って八雲町まで進むか、はたまた、内陸に入って黒松内町に向かうか迷うところ。
 地図によると八雲町にはパーキング以外にキャンプ場もあり、ここは間違いなく車をDepoできるだろう。次回の拠点として確実な黒松内町に計画とおりに進むことにする。
 ここから、国道5号線を北に進む。北海道の古くからの国道、唯一の1桁国道。とは、思えない程狭い(笑い)。追い風に助けられてグングン進む。この国道はJRの函館本線と平行していて、踏切が時々見える。JRの貨車を改造した二股の駅で休憩。と、たまたま列車の到着と同じ時間だったので、おにぎりを食べているとゾロゾロ人が集まってくる。地図を見ながら、列車を待っているんじゃないんだよのポーズ。

黒松内(くろまつない)町
 そろそろ黒松内の看板が見え始める頃に、公共の駐車場スペースが。ここに記念碑が立っている。北海道南西沖地震の時に、ここも地盤が弱く崩落した。その復旧を記念(慰霊)して建てたものだ。そう言えば、これから渡島半島の日本海側を回るとすれば、あの北海道南西沖地震の爪痕は随所にあるだろう。まず、最初の爪痕かなと思う。
 ここから、地震の後の津波で被害があった奥尻島までは直線で何キロくらいだろうか。自分がその地点の近くに来たことを感じる。たしか、あの日はアマチュア無線をしていて、札幌で震度3。えらい強いなぁと話していたら、チャンネルに割り込みで「大津波警報発令」って叫んで行く人が居た。あれから、3年。合掌。
 国道5号線にひさしぶりの信号が現れたと思ったら、ここが黒松内町への曲がり角、パーキング、ブナセンター、オートキャンプ場と施設が散在してるのが地図から読み取れる。黒松内に別れを告げた国道5号線は、ここから北上し、羊蹄国道と名前を変えてニセコへ向かうことになる。
 わりと小型の駐車場。ここもDepo地点に使えるな。ここからさほど進まないうちに黒松内ブナセンターがある。黒松内は天然ブナ林の北限、この広葉樹の林は、針葉樹の自然林が多い北海道にあって、別な雰囲気をかもしだしている。道を右に曲がり、小高い丘への道を登ると、このブナセンター。ここの奥にオートキャンプ場ヒックがある。
 ここの炊事場で給水と顔を洗う。オートキャンプ場ってアスファルトで固めた大きな駐車場ってイメージだったのだけれど、ここは林の中のキャンプ場。朝の露を踏みしめながら歩くのは最高かもしれない。逆に車で入ってくるのが申し訳ないような施設。
 休憩をかねてブナセンターへ。入り口に無料と書いて有るのだけれど、何故か300円を徴収される。後で気がついたのだけれど、これはあくまで展示場を見るときの料金。ブナセンターだけ見学するなら無料なのであった。で、展示場は有料にするほどのものではなかった。
 ここで「後志街道32次」のスタンプテーリングのスタンプ帳を発見。そういえば、美瑛の役場の四季の塔で、富良野方面スタンプテーリングのスタンプ帳を貰ったのだけれど、使わなかったなぁ。
 ここのスタンプ帳を見ると、これから訪問予定の各地が対象になっている。期間は10月31日まで。最低10ヶ所のスタンプで特産品の抽選が受けられる。しめしめ、今度は集められるかもしれない。早速、ブナセンターのスタンプを押して1カ所目。
 トイレを借りてから黒松内の市街地へ。ここでの役場の前で記念写真を取ってから、さて、裏道を選んで、先の豊浦に戻る。
 このあたりは道が多く間違えないように、交差があるたびに地図で確認する。豊幌、大成を経由して静狩峠の向こう側で国道37号と合流する予定。
 なんと、ついに、利息の支払が始まった。猛烈な向かい風。しかも、計ったように真正面から。12km程を休みを挟みながら1時間かかって国道に合流する。
 むむ、謎が解けた。どうも国道が魚臭かったのは、数時間前にトラックが魚をこぼしながらここを走行したらしい。豊浦に向かう車線で気がついたのだが、カーブでは路肩に魚、それも小さ目のサンマがたくさん落ちていて、これが車に潰されて、国道全体が魚臭い。ほんとうにもう。この状態が豊浦まで数10km続いているのだから。
 豊浦の公園に到着してやっと、向かい風から開放される。
1996.09.14 本日の走行 107km

Top Back
All Right Reserved By Mint