渡島半島制覇..乙部、江差、上ノ国、厚沢部

コース概要
 北海道西方地帯。ここを回ると残りは函館から南に松前町を走破すれば渡島半島は完全制覇。事前の予想では江差を中心にした古き良き北海道開拓の足跡に会えると思ったのだがそのとうりだった。
札幌から車で230km、そろそろ自転車で走る時間を越えてドライブしていることになる。ルートとしては札幌から定山渓から中山峠を越えて、洞爺村から豊浦へ抜け、噴火湾沿いを走り八雲から雲石峠を越えて熊石に出る。
 海水浴シーズンなので先に見つけた海岸の駐車スペースを避けるために、今回始めて中間場所に車を泊め、一部前回との「繋ぎ」をすることにした。
 しびの岬公園が地図にあるのでここの駐車場を利用することにする。
 海岸線を走り、しびの岬公園に登り、ここに駐車。公園を探したのだけれど、どうも巧く整備されていないようだ。ここで自転車を組み立てて早速、先の到達点である熊石の雲石峠との交差点を目指す。
 あ、海岸線にも駐車スペースが有る。こっちのほうが最後に台地の上の車にまで戻らなくて良いのでここに自転車を止めて、岬の上の公園に車を取りに戻る。なんやかや、で事前に30分を無駄に使ってしまった。

乙部(おとべ)町
 「しび」って魚偏に有ると書くのだけれど、これってマグロの表現なんですよね。北海道はニシンとかサンマの世界だけれど、ここがマグロの世界ってことらしいです。日本海を北上する対馬暖流に乗ってマグロがここまで来ていた時期があたのだろうか。そう言えば、はるか北の利尻・礼文でマグロを追っている漁師が居る話を昔テレビで見たことがある。1匹釣り上げれば数百万のきはだマグロ1本に絞っての漁と聞く。この岬から回遊するマグロが見えた時代があったのだろうか。
 あいにく熊石は選挙の真っ最中。選挙公示ポスターを見ると、町長&町会議員(補欠かな?)のダブル選挙。この宣伝カーがガナリたてる中を熊石に向かう。
鬼門は豊浜トンネル。積丹の崩落したトンネルと同じ名前のトンネルだが、こちらのほうは長いことをのぞけば通常の夜間装備があれば問題はない。ただし、路面がアーチ状なので、トンネルの中心までは登り、ここを過ぎると下りのトンネル。
熊石町には網を張って作った浮きプールが海岸にあり、波や海岸線に左右されない海水浴が楽しめるのだがこれは明日(7月19日(日))から。
 交差点の佐々木食堂を折り返し、車をデポしたしびの岬公園に戻る。
この公園から目の前のトンネルを抜けて、いよいよ南下が始まる。  今日のルートは別途楽しみにしている「道の駅スタンプラリー」の「美味しい所」で全ての町村に「道の駅」が有る。まず最初は「ルート229元和台」トンネルを抜けてから緩い登り坂の上にある。スタンプを押して裏の岬のモニュメントの有る広場に立って驚いた。日本海って切り立った崖と海に立つ奇岩との景色が標準形だが、ここは180度以上の眺望が開ける台地。ここから見える海岸線に沿って伸びる道路と海のコントラストはすばらしい。たまたま海底遊覧観光船が白い航跡で日本海を切り開いている。ここはお勧めのビューポイントである。
乙部町は実は海岸よりも山に入って「乙部ワイン」の富岡ワイナリーあたりを見学したいのだが、今回は海岸線を江差に向けて足を伸ばす。

江差(えさし)町

 南に向かう左側、海岸線の崖の様子が他の地域と違う。堆積岩の白い縞模様が開ける。日本海側は火山性の脆い安山岩を中心とした切り立った断崖が多いのだけれど、ここは白い堆積層の海岸段丘になっている。あるある、「白亜の壁」の看板。
ま、白亜期ってことは無いと思うが、写真で見たグランドキャニオンの超ミニ版のような海岸線である。たぶん、相次ぐ噴火により堆積し川によって運ばれた火山灰、これに噴火が無い時代に重なった一般の土壌、この層が重なってこのような堆積層を形作ったのだろう。
慶喜トンネル(これって、徳川慶喜にちなんでいるのだろうか)を抜けると発電用風車が回っている。各地に増えてますねぇ。ここでもやっている。帰りに寄ってみよう。
 給水ポイントを探していると「命の泉 相泊といの水」の看板が目にはいる。早速ここで給水。なにやら保健所の看板が有って「煮沸してから飲むように」。そうそう北海道はほとんどの地域がキタキツネのエヒノコックス汚染地域だから、たぶん注意書きだれてるのだろう。かまわずガブガブ飲んだ(笑い)。水筒にもつめる。が、後から気付いたのだけれど、ここの水は硬水で、あまり飲用には適さないと思う。もし、ここの水を当てにしてサイクリングする人は注意が必要だ。
 厚沢部川を越えると江差町の市街地に入る。ここから名称は「松前国道」に替わる。道の駅「江差」(特徴無いなぁ)でスタンプを押して小休止。
ここからさらに南に進むと江差町市街地。さらに先に進む。おやまぁ、立派な道立病院が有る。
 途中で海からフェリーの汽笛が聞こえる。ここから奥尻を結ぶフェリーがたまたま入港するようだ。船の出発、寄港は絵になる。急いでフェリーターミナルに。自転車の持ち込み料金を調べるためにパンフレットを入手。あ、まてよ、先の瀬棚町からもフェリーが出ているのだが、瀬棚では目にしなかったなぁ。

ツアーなのか、団体客を向かにバスガイドが待っている。ちと好みだったので、ファリーの接岸を写すふりして写真にとっておく(あ、写ってない(笑い))。
 江差町で行ってみたかったのは「鴎(かもめ)島」。街からつき出たこの島には北海道開拓の足跡があるだろう。
あ、海陽丸が係留されている。近くは陸揚げ型のヨットハーバー、記念館もある。海陽丸は海上レストランになっている。公園には大きな噴水があって、全体がウォーターフロント開発されている。聞いてないよぉ(笑い)。海岸の噴水のためか、テグスを張ってカモメ避けにしている(なるほど、こんなアイデアがあるのか)

 鴎島には注連縄を張った奇岩が、これってパンフレットで見たやつだ。
北前船の使った井戸の跡。こんな海岸線で真水が出る井戸があるんだ。徳川砲台の跡。なるほど、ここから海を睨むと守りは完璧のような場所だ。

時間が無いのが残念で、江差町は1日かけて見学したい場所だ。途中の「江差追分け会館」なんかも全国各地から365日切れ目無く誰かが来て歌っている。それをまた全国各地から聞きに来ている。旧家の跡地も跡地ではなくて現役で100年以上前の建物が建っている。追分け会館の向かいには渡島半島最初の地ビールが6月7日にオープンしている。
 なんと活気に溢れていることか。

上ノ国(かみのくに)町
 更に南下して、上ノ国町に向かう。道の看板が傑作。表は「北海道発祥の地、上ノ国」おいおい、それは無いだとうと思いながら裏を見ると、実は「追分け発祥の地、江差」。つまり、裏に特にキャッチコピーが無いので「北海道発祥」としたようだ(笑い)。
 上ノ国町は特に何も無し(笑い)。役場で昼食を取りながら大休止。ここから先にいお山登り口を過ぎて道の駅「上ノ国もんじゅ」へ。ま、今まで見た最低の道の駅は大成町の「てっくいランド大成」だが、ここはワーストナンバー2かもしれない。日本海情報センターってなんだ。パソ通、しかも全国から上ノ国にまでアクセスするべき情報あんのかぁ。中心の水槽には何も入っていないし、ただ、2階の食堂だけが流行っているようだ。
 たぶん、上ノ国を楽しむためには自転車では駄目で、車が必要だろう。山の上に沢山史跡がある。残念ながら海岸線にはあまり無い。今度機会があれば車で来るべきかもしれない。

厚沢部(あっさぶ)町
 上ノ国を後にして再度江差に戻る。ここから厚沢部町に分岐している。
どうも厚沢部町は農業を中心に江差町のベッドタウンとなっているようだ。道の駅「あっさぶレクの森」は、自転車で訪れるにはちと無理があって、森にまで入ることはしなかった。ま、ここの問題は自販機に空き缶を入れるカゴが用意されてないことかな(笑い)。
ここでポカリを一気のみ(これから、間違いが始まる)して、スタート地点に戻る。
 サイクルメーターで80km程なのだが、若干の向かい風を受けながら走っていると典型的なハンガーノック。足に力が入らないだけでなく、足がつってしまった。あと20km程が走れない。単なる練習不足でなく、長距離を走る場合の給食の仕方が悪いのではと常々感じていたのだけれど、今回も失敗しているようだ。100kmを越えるサイクリングでは体力よりも補給が大切で、見事に失敗した。
 無理をせずに15km/hほどで、それでも、先の風力発電を偵察に行く。

デンマークのENG製の400kwが2機。風が弱いせいか、泊で見た風車よりも騒音が少ない。どうも、太陽光発電よりも風力が採算性が良いようだ。北海道では特に冬場の降雪が問題だし、なんせ昼間以外は施設は遊んでしまう訳です。
トンネルを迂回して、出発点のしびの岬に戻る。
江差はなんておもしろい、そして、気付かれない穴場なんだろうか。
1998.07.18 本日の走行 116km

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