ようこそ、空母インディペンデンス

兵器嫌悪思想の原点は?
 札幌の隣町の小樽市に9月5日に米軍の空母インディペンデンスが来港する予定とか。
日米ガイドライン(これって、ウォーマニアルが原典の表記らしい)の先取りとか、反対運動はいまいち盛り上がっていないが、戦後52年間、日本は「戦争は悪」の一点張りで、米軍の寄港についても回避したい事項と考えていたからではないか。
ところが、日本人がPKOで海外に派遣(派兵には当たらないだろう)され、湾岸戦争で日本への金は出すけど血は流さない批判を耳にし、そろそろ、ただ避けて通るだけでなく、戦争とはいかなるものか研究する必要が有るだろう。
何が正しいかは別にして、歴史観なんて議論が今でないと出来ないのは、ベースに戦争を外注(核の傘)に出し、経済行為のみの活動を是としてきた期間があまりにも長かったとあきれかえる。
考えてみると、日本の戦後の平和教育の原点は戦前を否定することにより成り立っていたように思う。社会党の活動なんかは、戦争の臭いがするものは全て非である発想で、それなりに国民の支持を得ていたのだろう。
もっとも、日教組なんかに教育を握られていては、日教組の意向に沿った国民ができあがってしまう懸念がある。それと戦うには、あまりにもマスコミが「戦前否定」に凝り固まっていたのだ。
朝日新聞社の戦後の反省は「僕が悪いんじゃないもん」であり、焼け太りの朝日・毎日新聞は、関東大震災から、東京大空襲まで、その焼け太りにより成長してきたのだ。

少し国際人になったかな
 日本人の常識が国際社会で通用しないのは良く言われることだが、紛争や戦争に至っては、もはや日本人は国際社会の中で思考停止民族と言わざるを得ない。そもそも、自国の軍隊である自衛隊が憲法に違反していると主張し、主張するだけで一向に憲法順守状態、つまり、自衛隊解隊にならないのは、国際社会では、威嚇のために軍隊だけではなく、平和貢献の軍隊も存在することを暗黙の了解で、もしくは、漫然と知っていた国民が存在したからではないだろうか。
平和憲法が戦後の経済復興に果たした役割と勘違いして議論されるが、振りかえってみると、日米安全保障条約が平和憲法よりも実質的に日本の経済成長を幇助したのは自明である。決して平和憲法なるお題目が貢献したのでは無い。
日本人は紛争や戦争を外注してきた。ところが、国際社会ではそこを外注しては独立国扱いはされない。自国の国民の生命、財産を守る部分は国家の根元である。それは、内に向けても外に向けてもである。
警察は軍隊では無い、所轄も自治省であり、国外で武力行為は出来ない。がしかし、自国の国民の生命や財産が、自国内だけで脅かされるとは限らない。中国が空母を竣工させた時に、シーレーン防衛を核の傘で行うのか、自国の武力にて行うのか、既に就航が時間の問題の今、論議しておかねばならない。
日本人は、武力無き平和維持の幻想に迷わされている。平和と武力は表裏一体で、平和維持のための武力をしっかり使いこなせるノウハウを早急に構築しなければならない。
国際社会でリーダーたる時に、「何を言っても、言わせて置け、所詮、武力は無いのだから」と判断されて、それでリーダーシップが発揮できるだろうか。逆説的に、国際社会で日本がリーダーたりえないのは、実行を迫る迫力に欠けるからだ。
外は、西部の荒野の場末である。ここで、丸腰で歩くのは「馬鹿」と呼ばれる。まして、一度も撃ったことのない人間がガンを持ち歩くのは基地外に刃物である。

ようこそ、インディペンデンス
 情報が意図的に隠蔽されるのは、情報を持つ側に公開すると都合が悪い場合である。神戸港は馬鹿としか言いようが無いが、米国の戦艦が入港するとにに「核兵器不所持証明書」の発行を求める。あまりの馬鹿さ加減に米艦船は寄りつかないそうだ。これを、馬鹿日教組は平和行為と呼ぶようだが、とんでも無い。核兵器不所持宣言が何をもたらすのか考えたときに、そんなもの戦略的に明示出来ないことすら解らない。ま、須磨事件でインターネットのプロバイダのリンクに市長の公印を押して、実名掲示を削除しろと迫った街らしいと言わざるを得ない。(もう少し、インターネットの構造をご理解いただきたい。と諭されたが)
核の傘の下で、核を否定して生きる矛盾を国際社会に弁明出来なければいけない。そして、実は、弁明の余地が無いのだ。非核三原則がまやかしの国内プロバガンダであったことは、佐藤栄作の日記を見てから気づく問題では無いだろう。アタリマエ、なのである。
それが、日米安全保障条約なのだから。 「太平の眠りを覚ます蒸気揃、たった4はいで、夜も眠れず」
もうすこし、平和維持武力への考察をしておかないと、冷戦が終わり、外注していた核の傘はほころびているのだから。
空母インディペンデンスの商業港への寄港が、黒船騒動を起こし、新しい日本が生まれるキッッカケになれば幸いである。
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1997.08.18 Mint