銀行は恥を知れ、サラ金施策で横並び

サラ金に全ての銀行が熱心なのは何故
 この話は取り扱いたくないのだが、今の銀行は何でも有りの「金貸し」本業特化に邁進している。社会的使命とか「経済の動脈」とか銀行業の存在事由(レーゾンデートル)をも危うくする「サラ金銀行」に熱心だ。これはバブルの頃にノンバンク経由で金を貸付てガンガン土地を買った方法と大差が無いだろう。
 企業は社会的責任を負うと考えるのが日本的経営である。がアメリカ的な企業の存在事由は「株主のため」なのだ。資本主義(資本本意主義経済)が危ういのは資産を持つものが資産を投資に回して増やすのが基本の仕組みになっている点だ。持たざるものは永久に持たざるもののまま残されるのだ。そこが民主主義と微妙にストレスが発生する遠因になっている。だから、少数とは言え共産党が各国で議席を持っているのだ。ま、世界同時共産革命を夢見ている層も若干居るのだろうが。
 株主優先とは企業がその拠り所を顧客だと考えるのでは無く、出資してくれた人々が拠り所だと考えるってことだ。もちろん企業はどちらかを選ぶのでは無く両者のバランスを何処に置くかを考えながら経営されてるとは思う。
 でも結局、企業は何故存在するかって問いかけに答えを提示していない。僕は「社会的に許される許容範囲」にしか企業は存在出来ないと考えている。豊田商事事件とか社会の許容範囲を越えたから問題なのであって、実は許容範囲中にある会社は沢山ある。ただ、最近の「サラ金銀行」には怒りを覚える。昔のヤスさんの発した放送禁止用語をあえて確信犯(誤用の方)で使うが「銀行はヤクザと同じ金貸しになった」と叫ばせてもらいたい。

収益こそが銀行の使命なのか
 企業に10億円貸し付けて年間利息は2%。個人に貸し付けると年間利息は10〜20%ってことでリスクが大きいが収益率が高い個人金融に大手の銀行が手を伸ばしている。それがインタネ以外にテレビでも宣伝されている。これって「経済の動脈としての銀行」の機能を果たしてない。単なる金もうけだ。で、銀行は市中金融を通して経済に貢献する機能を捨てて収益命でサラ金やって利益上げればそれで良いとするのか。それが、先に書いた企業は株主の為に存在するのか国民のために存在するのかの命題だ。
今のサラ金まがいの銀行(全部の銀行が持っている)は株主(監督官庁である財務省)からのオシオキが恐くてサラ金やっている。これこそ「収益改善」と竹中が言う方針の結果なのだ。そこに何も言わない行政府ってのは何処か矛盾を包含している。つまり、金融機関に収益向上を計れと言う。そのために銀行はサラ金を目指す。
 収益向上ってのは銀行にとっては「利息が大きい市場に出る」ってことなのだ。国は経済を活性化して税収を上げ財政赤字を縮小しようとしている(って、自民党の政策がある)。民間企業である銀行に経済の活性化で収益を上げるなんて経営方針は無い。ただひたすら儲かる事を目指すのが収益向上だ。
 で、結局「馬鹿と弱いものから吸い上げる」って江戸時代からの経済と何も変わらないのだ。固有名詞は避けるがサラ金並みの利息が得られるので提携し、実質的にサラ金業者になって経営改善をはかっている。経済の動脈って地位を捨てて金利の高い、なんて格好が良いが、実は誰からも金を借りられない弱いものから沢山取るって姿勢でサラ金と共同路線を形成したのだ。
何処の世界に年利12%も取る銀行が有るのだ。出資法の制限を越えて「双方合意金利」を利用して銀行が弱いものいじめをしているのが今の銀行系サラ金だろう。テレビでCMを流し借金をファッション化し、将来働いて返してもらえる若年層にターゲットを絞り貸し付ける。若者の人生のスタートが借金(金利負担)から始まる。そんな文化を広めようとしているのに自民党の超保守的な議員も何も言わない。
 個人ローンを分かりやすく年利24%と仮定して計算してみると解る。複利計算は面倒なので単利で計算するのはご容赦いただきたい。仮に120万円を借りたとする。これを一年間で返済するとして毎月10万円(元本)+2万4000円(利息)=12万4000円を返済することになる。入社数年のサラリーマンの手取りは20万円を切るだろう。実に給与所得の半分以上を返済に当てなければならないのだ。とても現実的な金利では無い。
 世の中には常識が有って「家を買うなら年収の3倍以内、金を借りるなら年収の10分の1」って目安がある。年収300万円程度の入社数年のサラリーマンには30万円以上借金すると返済で生活が成り立たなくなるってことだ。学生時代を借金して楽しんで、就職してから返済に追われる、それも20%って金利はべらぼうな高さなのだってことを教えることが社会の使命で、簡単に借金しましょうって広告を打っている風潮は銀行が反社会的行動を行っているってことなのだ。「次の給料日に完済出来ない利用は辞めましょう」とハッキリ広告に書くべきなのだ。
 サラ金化に乗った銀行も馬鹿だけど、そもそも銀行の経営者は経営能力無いのではと思う。

銀行経営者の実態
 銀行の経営者が新しい企画を承認する基準は以下の3点しか無いらしい。
 1)大蔵省(現財務省)が認めたのか
 2)損失は出ないのか
 3)他の銀行もやっているのか
これは内部の人間から聞いたのだが、とにかく銀行の経営層ってのは決済しない。周りから言われた事にうなずくだけで企画も方針も無いとのことだ。結局銀行のトップは財務省への窓口で経営者では無いってことらしい。
 となると、今の「サラ金銀行」は財務省の司令なのだろうか。だとしたら、サラ金銀行は国の方針なのだろうか。先に銀行名は書かないと書いたが僕が解る範囲で「サラ金銀行」を挙げておこうかなぁ。
 ま、インタネで検索すれば解ると思う。
銀行系個人ローンの実体で情報収集中。その実体を見て欲しい。まったくもう「横並び」なのだから。
 「こんな銀行はいらない」って思わないですか。


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2003.08.17 Mint