イラク人質事件>様々な不可解な行動(1)

事件当初から不可解な行動が多すぎた
 現時点(5月09日)で解る情報の範囲で考えているが、今後、より多くの情報が出てくることにより真実が見えてくると思われる。
不可解な行動を時系列に上げていくと、
1)自衛隊のイラク撤退を3日以内とした犯行声明。
 スペインがイラクからの撤退を早めると宣言しているが「早くとも1ヶ月以内で撤退を終わらせる」と声明を出しているように、撤退は3日では出来ない。せめて「撤退を宣言せよ」であれば考慮の余地が少しだけ有っただろうが、物理的に実現不可能な要求が犯行声明に盛り込まれているのが解らない。
 犯行声明の日付の記載が日本的記載になっている。yyyy/mm/ddで日付を記載するのが常識になっているのは世界でも日本人しか居ない。英国ではdd/mm/yyyy、米国ではmm/dd/yyyyもしくはdd-jan-yyyyと表記する。
だから、犯行声明は、日本人が書いた声明文に見えるのだ。
この声明が出た(4月8日20:45頃、以下日本時間)直後、掲示板に「自作自演では無いのか?」と書いたが、現時点では自作自演よりも連合赤軍のシナリオ、3人の演技と考えを変えている。
2)家族および支援者(と称する人々)の行動。
 翌日、通勤途中の札幌地下鉄南発寒駅では「今井君救出の署名を..」と叫びながら署名をつのっている。東京では国会前に向けてのデモ行進。Creative Spaceの掲示板で「イラクで日本人三人の身柄拘束★今井くんが捕まったぁ!」の記事がアップされる。http://www.creative.co.jp/top/main1022.htmlを読むと文章が下手なのか、時間の経過が良く解らない。事前に知っていたとしか思えない書き方に読めるのが疑惑を助長した。
 で、「3人の解放に向けて自衛隊撤退を求める」って原因と結果をはき違えた運動が動き始める。この運動の趣旨がよく分からない。「3人の解放に向けて」と「自衛隊の撤退を求める」は因果関係が不明確だ。3日以内に自衛隊の撤退を政府が宣言する余地はほとんど無い。そもそも、自衛隊の撤退を宣言したら3人が無事解放される保証は無い。にも関わらず、なんで、あんな運動に繋がっていくのか不可解なのだ。
 余談だが、西区の朝日新聞の販売所では地下鉄で配られているチラシをコピーして朝刊に折込み、全世帯に配るなんて行動もしている。朝日系の報道が妙に左に傾いているのは、その後、随所で散見される。

組織的行動は事前調整
 国会前のデモひとつとっても当日申請、当日許可だったとは考えにくい。事前に所轄の警察に届け出ておく必要がある。10日のデモは1000名と言われているが、8日の夜に届け出が受理されたのだろうか。それとも、無許可デモだったのか。
 デモの主眼が「3人の救出」よりも「自衛隊イラク撤退」に重心があり、最後部では「小泉靖国参拝反対」のプラカードまで有るってのはご愛敬なのだろうか、基本的に事前に届け出をした「自衛隊イラク撤退」のデモに「3人救出」が絡んだとしか思えない。
実は、この情報を追っていたら、以下のような情報が手に入った。
>●戦争反対、有事法案を廃案に! 市民緊急行動
>●フォーラム平和・人権・環境

>連絡先
>許すな!憲法改悪 市民連絡会 TEL: 削除
>日本消費者連盟        TEL : 削除
>現場連絡携帯・削除

>日程
>4月 9日(金)12:00〜13:00
>4月10日(土)12:00〜13:00
>4月11日(日)12:00〜13:00
>4月12日(月)12:00〜13:00
>        18:00〜19:00
>集合場所
>衆議院議員面会所(東京メトロ国会議事堂駅・永田町駅下車 徒歩2分)
結局、届け出を沢山出しておいて、人が集まらなかったら中止ってことで届け出を沢山出しているらしい。ここから「事前に知っていた」は導き出せないが、やれやれなデモ活動であることは解る。「小泉首相は靖国神社参拝をやめよ」のプラカードが混ざっているのもうなずける。
 3人の家族の行動も不可解だ。小泉首相に会わせろの一点張り、その趣旨を聞かれると「人質解放の選択肢に何故、自衛隊撤退が無いのか直接聞きたい」って意味の発言。これには苦笑せざるを得ない。家族が小泉首相に自衛隊撤退を訴える絵が欲しくて屁理屈をこねくり回している。
 国策と個人の問題は別なのだ。サンデープロジェクトで佐々淳行さんが言っていたが「3人を人質では身代金程度がリーズナブルではないでしょうか」ってのは、まさに、3人の命と引き替えに国策を変更することは考えられないってことだ。民主主義国家ってのはそうゆうものだ。その基本原理を無視して、もしくは自分に都合良く解釈して「小泉首相に会わせろ」ってのは、論理破綻している。
 自衛隊撤退要請署名15万人を組織(「劣化ウラン廃絶キャンペーン」「NO!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」「PEACE ON」の3団体と支援する個人)は内閣府にその一部を提出した。この種の署名は貯めて置いたものや、重複分が含まれるが、事件発生から11日までの3日間に15万人集まったような会見をしているが、今までの手持ち分を使ったか、15万なんて数字は嘘っぱちで単なるパフォーマンスだろう。そもそも、署名により釈放される保証は無いのだから、何故、署名運動を行ったか、その目的すら不明である。
もっとも取材記者にまで署名を求めて、署名を拒否すると「何故、署名しないのだ」と恫喝するあたり、何となく昔の学生運動のシンパに似た臭いを感じる。

24時間以内釈放が反故になった
 日曜日の午前中の報道番組には事前のシナリオに横から「24時間以内に釈放」のニュースが飛び込み直前まで調整に手間採ったような番組の組立が目立った。
 一番興味深いのはサンデープロジェクトで田原総一郎さんと対峙した家族だろう。「24時間以内に釈放」のニュースが有るにも関わらず意気消沈しているのだ。裏を知っているのか田原総一郎さんが釣っていたが、家族の表情は「祭りは終わった」みたいな気落ちした姿だったのだ。
 このあたりから釈放の15日までの間、家族の対応は豹変する。
 国民の義務と責任ってバランスの中で家族の感覚はバランス感覚が欠落していたと考えられる。
1)危険地帯に入るのだから危険に遭遇するのは覚悟の上であるはずだが、覚悟が有ったのかって疑問に、本人からも家族から答えは得られない。
高遠さんの両親は「外務省が渡航制限地域に指定していたのは知らなかった。知っていれば止めた」みたいな、自己の責任を外務省に転嫁する発言を行っている。
2)身内がテロに拘束された事実をもとに、自衛隊撤退を家族が求める論理的根拠が何処にも無い。にも関わらず声だかに叫ぶのは何故か。
共産党が組織したデモ(前述)に感化されたのか一味なのか解らないが「自衛隊イラク撤退」と「人質解放」が何処かで妙なリンケージを起こしてしまい、国民から見たら非常にイデオローグな活動に映ってしまう事態を招いた。
 世間の常識よりも、日常接している仲間の論理を信じてしまったと言えば同情的だが、正直言って背景にあるイデオロギーが前面に出たが故に、国民は疑問を持ったのだ。その対応の不味さに、国民の意識に気が付いた瞬間に家族の態度は豹変するのだ。
 まず、高遠弟がヒゲを剃ったことかな(笑い)。
蓮池兄と高遠弟は同じに見える。置かれた立場背景は違うのだが、国家に対峙する理は我に有りって思想だ。実は国家は国民の総意で形成されており、国家に対峙するってことは国民に対峙するってことで、そもそも民主制度の国では少数意見なのだ。
もちろん、少数意見の存在は大切であり、主張することは認める。
人質解放が自衛隊撤退によって実現するとは誰も思わないだろう。にも関わらず、家族も含めて自衛隊撤退が決まらないうちに解放されては困るって意識が有ったのではないのか。だから、自衛隊撤退の言質を得られない時点での釈放に家族は意気消沈してサンプロに出演したのではないのか。

言葉の整理をしておこう
 現時点での情報なので情報が増えるに従い暫時書いていくつもりだが、今までの用語の用法に疑問の部分がある。
 小泉純一郎首相は「テロに屈して自衛隊を撤退しない」と言ったが、そもそも現在イラクで起こっている事象はテロなのだろうか。僕に言わせれば「レジスタンス」である。双方を考えると、イラクでの外国人拘束はテロでは無いだろう。日本人が好きな「集団的自衛権の行使」であり、自国が認めている権利の行使を「屈しない」とは、ちと理論武装が足りないと思うのだが。イラク人から見たら、「イラク人はアメリカに従え」って小泉首相は言ったのだ。
 日本政府の姿勢の表明も権力闘争かどうか知らないが福田氏の発言は安倍幹事長を意識した権力闘争でしか無い。本来首相を補佐するのなら、言葉の用法に気を配って欲しい。
 「テロ」に拉致されたのでは無い。まさに、先に述べられているように、自国の統治を他国による占領統治があって、その状況の中でイラク集団(的な)によって拘束されたのだ。だから、その行為を「テロ」と呼ぶのには言語的矛盾がある。
 自国を統治する制度が自国民によって構築されてない国家では一般的な用語で言えば「暴力による統治」が行われる。これを美化して「レジスタンス」、悪く言うと「弱肉強食の無法地帯」が生じる。それを能天気に「テロ」と言う小泉純一郎首相は馬鹿じゃないの?

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2004.05.09 Mint