選挙制度はIT化の目玉になるはず
選挙制度改革を巡って与野党対立
まったく「来年の参議院選は森では戦えぬ」から始まって、参議院の選挙制度改革が急浮上してくる。そもそも、参議院の選挙制度の改革勧告は8年も前に出された答申。これを野ざらしにしておいて、急遽「昔、改革しろと答申されたのだから改革する」、「今度の選挙に間に合わせなくてはまた野ざらしにされる」とまぁ、恥を知らない自民党の倫理には恐れ入る。
その改革の方向たるや2大政党制を目指した衆議院の「小選挙区制」に逆行する「否拘束比例名簿方式」、なんのことは無い昔の「全国区」方式を名前を変えたもの。どう考えても自民党が公明党に配慮しつつ、自らも有利になる方式を編みだしたとしか思えない。
これに野党が一斉反発ってのも良く解らない。唯一説得力あるのが「選挙制度は国会議員が決めるのでは無く、選挙制度審議会のような組織で答申すれば良い」。がしかし、その答申を国会議員は立法化に向けて努力しなかった事実が有ることを忘れてはならない。
つまり、「どっちも、どっち」の世界に突入してる。
週刊ポストで「票田のトラクター」が復活してる
あ、定期購読の読者では無いです。あまりヘアヌードも好きではないですし(笑い)。
会社の近くの「大晦日に休む珍しい蕎麦屋」で、週1くらいに読むのですが、明らかに「ネット選挙」を意識した五輪の動きはコミックとは言え拝聴に値する。たぶんと憶測だが、新しい選挙制度によって今の国会の仕組みが変わるのを描くのが復活した「票田のトラクター」の目的だろう。今までのを「第一部」として、政治の駆け引きと裏舞台をアナウンスするを主眼に書かれていたが、今回の「第二部」では「新しい政治の仕組みの提言」を主眼とするのだろう。
どんな企画が出てくるか楽しみだが、実際の政治は、そんなコミックの先を走らなければと思う。前に書いたが、
今の選挙制度そのものが憲法違反なのだから、抜本的解決を計らねばならないと思う。
参議院の「理念」を議論を
今の日本の政治は本来の仕組みを逸脱している。衆議院に対して参議院の存在が薄くなっている。まずは参議院の「理念」を検証してみよう。
衆議院は立法府として、ガンガン法律を作り、それを審査するのが参議院の役割。とすれば、衆議院はん2大政党制が進み、参議院はその「お目付け役」って地位で生き残りをはかる。それが参議院の「理念」ではないのだろうか。
そのためには、衆議院は「立法の府」、参議院は「にらみの府」って性格を明確にする必要がある。
そのために「選ばれる仕組み」が違っても良いのだ。理念が違えば方法論も違って良い。だから、極論を言えば「参議院は政党政治は禁止する。全て、代議士の個人の資格で選ばれる」ってのは分かりやすい。それを、名簿の得票として党利に結び付ける自民党は、どんな「参議院の理念」って思想をお持ちなのか、うかがいたい。
次に理念に立脚した方針があり、方針を受けて、戦略があり、戦略を受けて個々の戦術がある。テレビの政治家同士の議論を見ていると、一方は戦術を語り、一方は理念を語る。全然かみ合わない。
特に菅直人を見ていると歯がゆい。誰かの作った制度を批判する事が染み着いているので、まず戦術ありき。当然、理念で突っ込まれる。この受け答えが「後付けの理念」に見える。個々の事象を取りだし反論する。そこには政治家としてリーダーシップが見えない。まさに、労組の委員長的な現体制批判しか無い。
参議院は政党支配排除、個の集団たる方法論
結局、政党政治の中で翻弄されている「もしかして、不要な参議院」。
森田健作なんか、本来衆議院の地方区で選ばれる人では無くて、参議院が似合うキャラクター。どうも「参議院」は「名誉年寄り」の場で、老人ホームのような雰囲気がある。
参議院は個の集団たるべきである。政党支配は弱くする。
1)参議院議員の政党からの金銭の授受の禁止
2)選挙広報はテレビの「政権放送」とインターネットのみ
3)選挙区は全国区一本とする
4)現在の議員定数の半減(地方区の廃止)
5)当選後も会派は組まない
以上の制度により、抜本的に参議院を改革する。
これくらい、森さんの好きなIT革命の目玉として実行できると思うが、ブレインが既存の政治家の反撃を恐れて改革を口に出来ないでいる。
ならば、別途、国民の代表による「選挙制度審議会」(国会議員の代表は全体の半分以下。直接選挙で選ばれている地方自治体の組長を中心にする)を発足させて制度答申を行い、国民投票により、是非を決める。そんな改革のレールを敷くべきだ。