選挙で政治は変わるはず
参議院選挙運動が始まったが
選挙期間中なので政治の話も自粛気味のようだが、選挙の盛り上がりが今ひとつ感じられない。参議院の選挙であることも響いているが、そもそも国民が選挙に関心を示さなくなっているのではと思う。
代表民主主義制度では代表を選ぶのが基本にあり、選ばれた代表が多数決制を利用して立法を行う。制度的欠点は国民の多くに立法に携わらないいわゆる死に票が多く存在すること。前にも書いたが2%の強固な支持があれば政権を持っている集団は長期的に確実に政権を維持し続けることができる。
立法の権利を持っているのだから、現職有利の選挙制度に流れる。そのため政治の刷新が遅れ、時代の流れにそぐわない政治が横行し、国民と政治の乖離が進む。1985年の通信自由化以来、多くの社会情勢が変化してきたのに、未だに国会で牛歩戦術がまかりとおるような国会運営がなされてる。
昔は不透明な金の流れ問題で「政治家不信」が叫ばれたが、昨今は正真正銘「政治不信」になっている。小泉純一郎首相が当初アピールした「わかりやすい政治」も3年も続けているとわかりにくくなっている部分が沢山出てきている。選挙の投票率の低さが、今回の参議院でまた際だって低い数値が出るのではと心配する。
低投票率は有権者の責任か?
政治が活力を失っているのが低投票率に繋がっていると思う。活発な政策提言がなされ、国民が判断する材料を提示しなくては国民は政治への関心を失う。密室で官僚が作った政策を内容を熟知していない国会議員や大臣が国会に提出しても本質を隠したまま政党間の駆け引きのみに終始し、そこは国民不在のままなのだ。
ニセコ町の逢坂町長や、三重県の元知事の北川氏が言っているような「おまかせ民主主義でやってきた弊害」ってのには一理あるが、そもそも代表議会制は政治の仕組みとして有るのだから、その仕組みがうまく回っていない現状こそ問題だ。「おまかせ民主主義」が制度として駄目ならば、直接民主主義制度に変える必要が出てくる。しかし、問題はそこに有るのでは無く、選ばれた代表側にこそ問題があると思う。
「おまかせ民主主義」で選ばれた代議員が政治を私物化し主権者である国民に対して情報を隠し、税金を分配を私物化した事に問題の根本がある。また、逢坂町長も北川元知事も地方自治の特徴である住民から直接選ばれた議会議員と首長が互いに牽制する仕組みと、議院内閣制の国政の仕組みの違いを念頭に置いての発言なのか気になる。表現を変えれば地方自治では自分たちの選んだ議会と首長が対立すれば、どちらの主張が正しいか住民は判断を迫られる。国政においては、そもそも手が届かないのだ。だから諦めてしまう。それが悪い意味でのおまかせ民主主義」に陥る遠因にもなっている。
「有権者は寝ていてくれれば良い」ってのいは、じつはジョークで無く偽らざる本音だろう。特に公明党と連携したのだから浮動票は投票しないでくれたほうが当選の確率は上がる。結局、森首相が本音が出てしまうほどに低投票率が現状の閉塞感のある政治を守りたい人々には有利なのだ。うがった見方をすれば、いかに低投票率に留めておくかが、重要な選挙対策になっている。
投票しなければ「死刑一歩手前」の刑
そもそも、そんな法律を上記の理由で現与党が作るわけが無い。しかし、現在の日本の状況をみてもらいたい。国債を発行して借金を子孫に残し、年金問題では将来の子孫の負担を当てにし、海外では高度成長を遂げた日本のやることかと、笑われる非効率な給水事業を自衛隊が行っている(一説ではミネラルウォータを買って搬送するほうが安く上がるらしい)。年金積立金でグリーンピア事業なんかを行って膨大な損失を出しても罰せられない。国民の税金を無駄に使っても誰も責任をとらない。
そして、自衛隊の国連軍への参加がなしくずしてきな武力行使、もしくは戦闘状態に巻き込まれる事態になるだろう。
長期的に考えると、アメリカは10年おきに戦争をして経済を活性化する。そのためにイラクが終われば北朝鮮と戦争する準備をしている。だから、今は北朝鮮を泳がして置いて2015年あたりに開戦するのがスケジュールだ。その時、日本のアメリカ軍基地は戦場になる。
こんな日本に幻滅だと思っていても、まず投票に行かなければ何も始まらないのが議員代表民主制度の基本だ。「そんな日本にしたくない」と思っていても投票に行かないのなら、やはり「死刑一歩手前」の罪をかぶることになるのではないか。最近特に現在の国政の状況放置は子孫への罪と考えるようになってきた。経済が少し上向いて、国の借金地獄を気にしなくなる風潮が出てきているが、国民個人貯蓄の半分まで国の借金が膨らんでいる。このままでは年金どころでは無い、預貯金も棒引きになる事態が訪れるだろう。これも子孫の貯貯金が紙切れになるってことだ。
政治を放置した責任は国民個々人に降りかかってくる。
民主党当選者数が自民党を上回る時
その時、何かが動き始めるだろう。民主党に追い風が吹いているとは思われないが自民党はずいぶんな向かい風の中に居る。
「人生いろいろ、会社もいろいろ」この後に小泉純一郎首相が言った言葉が報道から漏れている。正確には「人生いろいろ、会社もいろいろ。なんで、30年も前のこと言われなきゃならないんだ」と言ったのだ。国民に対して真摯である態度に欠ける首相は日本の代表では無い。年金法改悪は「嘘をついた」の一点が焦点になる。未加入は真摯に詫びれば良い。衆議院では支給50%と言いながら参議院では「50%以下もありうる」。何故衆議院で法案説明の時に言わなかったのかと質問されると「聞かれなかったから、言わなかった」。
そして、国連軍への参加に至っては民主主義のルール違反を犯している。これこそ「死刑一歩手前」の刑に処すべきだ。
こんな向かい風のなかで、唯一の追い風は公明党層が効果を発揮する低投票率だろう。いかに投票しないことで日本を悪くしてきたか、今一度、個々人が考える必要がある。