51議席が今後の政局を占う議席数

参議院議員選挙はいよいよ投票日
 選挙期間中なので個別の候補者の事例を述べるのは避けるが、新聞各社の予想も出そろい、自問党が改選議席の51議席を越えることが出来るかどうかが最大の注目点になっている。おおむね新聞各社による調査では51議席にいくら及ばないかが焦点になり、51議席を越えると調査結果を出した所は少ない。特に比例区において民主党の躍進が予想され、前回の小泉ブームの20議席が今回は14議席程度に下がると予想されている。
 比例区は昔の全国区で政党への投票になるので、民主党と自民党の差が歴然と出やすい。ここで民主党圧勝の構図が見えてくる。
 各紙の予想は以下の通り、朝日41〜53、読売42〜55、毎日42〜49、産経40〜56となっている。51議席を挟んで下よりの世論調査結果になっている。
 また、投票率だが、55%程度と朝日新聞は報じている。ま、過半数以下の45%だった95年の選挙は上回るが、55%では固定票を持つ公明、自民層に有利にはたらいてしまう。

期日前投票が伸びている
 昔は不在者投票と呼んだ当日投票の出来ない人の事前の投票が期日前投票と名前を変えて行われている。これが前回を上回る投票数を積み上げている。もっとも、不在者投票制度が名前を変えたのでは無く、不在者投票制度は純然として残っている。指定病院や指定老人ホームや選挙時20歳だが期日前投票時点では20歳未満の人は「不在者投票」になる。
 その期日前投票の投票数が前回に比べて格段に多い。制度の新設で利用勝手が良くなったが、所詮、会場に脚を運ばなければならないのに、投票所に向かう人が20%程伸びている。単純比較をすると今回の参議院選挙の投票率は60%を越えるのではと僕は予想している。
 年金制度の改悪と強行採決、イラク派遣(派兵)問題と国民の政治への関心が高まっているのかもしれない。これは前回参議院選挙時の小泉フィーバーとは違った、純粋にこの国の行く先を憂う人々が投票所へ脚を運んでいるのではないだろうか。そして、いわゆる無党派の票が多きく今回の選挙に反映される。その結果が自民党51議席割れだろう。

ずばり何議席と予想するか
 一人区でどれだけ民主党が取るか決め手だが、自民vs民主では民主党の議席数が上回るだろう。その数は50議席の上と下、つまり、民主党は50議席以上、自民党は50議席以下の結果を予想する。
 特に1人区の青森、岩手、秋田、山形、富山、石川、福井、山梨、三重、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の出方が注目される。民主党は比例区で勝っても一人区で負けていては政権を狙えない。一人区で何議席を確保できるかが、これからの民主党の足がかりになる。
 自民党が怖くて衆議院の解散総選挙に打って出られない。そんな状況が発生するのが民主党の一人区での大勝だ。ここ一人区26で13は無理でも10議席は確保できると大きな政治の流れが発生する。

投票に行ってこそ、開票速報が楽しい
 野次馬でも何でも、選挙に行って、その夜開票速報を楽しむ。これが正しい選挙の楽しみかただろう。国民は当事者意識を持って政治に携わらなくてはいけない。前にも書いたが「お任せ民主主義」になってしまうのは、常識の府とかなんとか標榜しながら国民から預託された「睨み」の機能を発揮できない参議院側に問題がある。地方自治で言えば、議会議員と組長をそれぞれ別に直接選挙で選んでいるのに、互いの牽制機能が働かず、なれ合いになるから「おまかせ民主主義」になる。制度の欠陥では無く、当事者の欠陥なのだ。だから、ニセコ町長の逢坂氏や元三重県知事の長洲氏に国民は「おまかせ民主主義を辞めろ」と言われても説得力無いぞと言い返したくなる。
 ただ、お任せの相手を選ぶのは選挙なのだ。だから、選挙でしっかりとお任せする人を選ばなくては、これまた、当事者である国民の責任として国政は良くならない。そして「政治は国民のレベルに左右される」などと政治家にうそぶかれる。
 希な天体現象なみに、今後2年間は国政選挙が無いと言われてる。であれば、選挙を楽しむのも、ここしばらくは出来ない貴重な体験になるわけで、是非とも投票所に脚を運ぼう。

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2004.07.06 Mint