日経の記事になったよ

市町村ホームページ拝見
 市町村のホームページの評価と言うか、案内をしたくて、「ホームページ拝見」を作ったのだが、これが日経北海道の記者の目に留まり、3月2日の道内版の記事になってしまった。
 実際に記事になった内容と、話した真意のギャップはいつものことで、しょうがないのだけれど、ま、インターネットの双方向性ってのは、記事に対しても有るわけで、記事を引用しながら、僕の解説を入れてみたい。

 表題はショッキングに「市町村のホームページ合格は15%」となっているのだけれど、「合格」とか「不合格」とかの用語は話した覚えがないのだが、どうも、この見出しが一人歩きするような気がする。要は、「水準にバラツキガ激しい」と言いたかったのだが。

道内の市町村が開いているインターネットのホームページは内容がありきたりで合格を与えられるのは全体の一五%に過ぎないーー。札幌市のソフト会社役員(46)が道内の市町村が運営しているホームページを細かく点検して評価、自分のページで結果を公開して話題を呼んでいる。ブームに乗り遅れまいとホームページを開いたものの、その後、新たな情報をほとんど加えず”ほこりをかぶったまま”のページが圧倒的に多いという。ここにもお役所の硬直的な運営ぶりがうかがえる結果と在っている。
役所の硬直的運営以前に、運営出来てないのだから、このあたりを深く書いてもらいたかった。役所の硬直化は今に始まったことではなく、インターネットについて言えば、そもそも情報開示に関する認識の欠如が最大の問題であり、我が町を背負う公僕としての気概が欠如してるのが問題なのである。小さな町では役場職員は名士かもしらんが、大海のインターネットの中で大恥をさらしてることに気が付いていない現状を、日経たるもんが指摘できないのだろうか。
要は、内向きにえばりくさった役場の職員が、外の基準では箸にも棒にもかからないって認識を持たせないと結局そこに住む住民の幸福には繋がらない。

調査結果をまとめたのは、札幌市のソフト会社取締役の○○さん。自治体向けのインターネットに関するコンサルティングなどの仕事を手掛けるかたわら、「個人の趣味として」、道内自治体のページのチェックに取り組んだ。
 ま、動機としては的を射ていると思うが、「チェック」って用語が醸し出す意味を考えると、「実態調査」って用語が適語だと思う。特に可否を問題にしようとは思っていないのだから。

更新が頻繁かどうか、情報を公開しているかどうかなどの観点から出来のよい順に青・黄・赤の三段階で「独断で」評価、色分けした。○○さんの評価では、合格の「青」は二百十二市町村中三十三だけ。残りは開設していない場合も含め赤や黄色。人口や名産品などの平凡な情報しか載せていないページが圧倒的で、メールの送り先すらないものも多いという。
「合格」じゃないつぅの!(笑い)
観点はかなり外している。ホームページが稚拙であれ、情報発信に一生懸命になっている市町村を紹介したい、その市町村のページを見て、他の市町村は範として真似てもらいたい。ってのは、話したのだけれど。

情報不足以外に問題を抱えるホームページもある。蘭越町の場合、一部が「アクロバット」という特殊な書式でかかれており、専用ソフトを入手しなくては見られない仕組み。「これを活用して見る人がいったいどれだけいるのか」と○○さんは指摘する。
 この記者は実は「.LZH」の解凍のためのソフトのアドインに苦労していて、標準のWin95で出来ないものがネットに流れているのは変ではないかとの意見を持っており、このような表現になったのだと思う。僕は「アクロバットファイルのアーカイブなんかアップして、紙で見せられてOKだし、自分たちではアクセスしていない。全て業者任せ、業者に騙されてるんじゃないの」(わ!、過激)って言ったのだが。

帯広市のページはカラフルで凝りすぎており、データ量が多いため、ページをめくるたびに「少しお待ちください」の表示が出る。長野五輪のカーリング代表を出している常呂町のページは、大部分がカーリングの記事で、町と言うよりオリンピックのページになっている。
実は、常呂は旧来の市町村ページは張ってるのだが、何時戻すのか興味がある。それよりも、タイトルが「nagoya olinpc」ってのを教えるのを忘れた。Macでmillで書いているページなので、かなりオタクな職員が居るのだろうが、それでは、その後地元で10年も行われているカーリングの全国大会である「NHK杯」の結果はどうなった。書いてないじゃないか。単なるミーハーじゃないか。ってことですなぁ、常呂町については。

一方、○○さんが出来のよいホームページとして挙げるのが羅臼町と標茶町。羅臼町のページは自然の風景を美しい写真入りの日記の形で収めている。ただ同町によると、実際に制作しているのは町の職員ではなく、地元在住の自然観察家という。
標茶町では町議会での質疑応答をホームページで紹介している。そもそも議会のページがあること自体が珍しい。

「出来のよい」って表現は止めろちゅーに!(笑い)
羅臼の週単位の自然情報はほのぼのとしてくる。羅臼に住んでいれば日々の変化は目に付かないものだ。よく言われるのだが、「皆が知りたい情報が町には無い」ってのはとんでも無い誤解で、実は、日々まわりにリソースはことかかない。それに気づく感性が欠如してるから「情報が無い」って発言になる。たぶん、羅臼のページを見たら解るが、非常に日常的なことが、何故か我々に訴えてくる情報リソースとして上手に加工されている。そこが勉強になると思う。

○○さんの”勝手な格付け”に対しては、「うちの町のページは確かにひどい」「ページを開設しました。評価を楽しみにしています」といった電子メールがちらほらと舞い込むようになっているという。
これだけは、具体的町名はオフレコにしてもらった。「どうもならん町のページを外して俺のページにしてくれ」って血気盛んな訴えが有ったのは事実。たいへんたのもしかった。また、「楽しみにしています」ってのは雨竜町。ほんとう、自分の情報が外部に晒されるのを嫌う町村が多いのに頼もしいと思う。

「ひどいホームページが多いのは北海道に限った傾向ではないはず。よい内容のものを作れは安いコストで絶大なPRができる。意識を変える時」と○○さんは話している。

 もうちょっと具体的に書いて欲しかったのだけれど、どんな小さな僻地の町でも始まったばかりのインターネットのホームページで日本一になるのは無理では無い。そこに、地域情報への高い感性と、情報とはどうやって流通させるのかの見識と、そしてなによりも、俺がこの町の知名度を広めてやるって気概と、これが有れば優秀な公務員であり市民にとってたのもしい公僕である。で、それが居ないつーの!。

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1998.03.02 Mint