ASPって解ってるのかぁ>日本経済新聞社

ちょっと「情報ネタ」と発言を分類しておこう
 どうも誤字脱字に加えて文脈が良く解らない。これって文章添削例題じゃないのかと自分の文章を見て思う。「ま、誰が見てる訳でもないのだから、適当に手抜きして」って意識が無いとは言えない。それほど反応が無いのだぁ
 と叫んでもしかたがない。曲がりなりに、カウンターが上がっているのだから。
 素人の突っ込み漫才「責任者出てこぉい!」みたいなのは控えているつもりなんだけど、自分で読み返してそう見えるのが情けない(笑い)。
 で、今回は少し周辺有事に対応してみる。
日本経済新聞のミスリードは今に始まったことでは無いが、ことASPについては「ミスリード」+「マッチポンプ」でリャンハン付いて、間違って裏ドラ2枚なんかあると満貫になってしまう大変な事態。
 どうして「情報」については日経はミスリードを繰り返すのだろうか。CAPTAINをフランスのミニテル(だったっけ)を引き合いに出して「このバスに乗り遅れた企業は死ぬ」みたいな(文字面では「この時代の変革に企業がついていけるか」とか、はなはだ挑発的だが、言ってることは同じ)書き方をする。
 この事態に恐れをなして、某シンクタンク(詳しくは書かないが、鎌倉に本拠地が有って、今は情報処理部門と合併した証券系の某シンクタンク)のトップセミナー「光ファイバーが開く情報化社会」に駆けつけた北海道の某社の副社長。結局目の前で「これが光ファイバーです」とケーブルを振り回されて「この技術は先端技術なんです」、「これを接続するのが難しくてねぇ」なんて話しを聞いてくる。結局「光ファイバーが開くのは、土建屋の仕事だけじゃないのか」ってのが彼の人の感想。
で、結局「バスに乗り遅れてはいけない」ってんで電電公社(NTT)とIP契約して自社のホームページ(じゃなくて、あの画面登録を何と呼ぶのだったっけ)を作成して、結果的に「だまされた!」
 今年の春先に「これからのインターネットプロバイダはASP事業者でなくてはならない」って大々的にミスリードしたのは日経。9月には「成功していないASP事業の特集」。もうもう、いいかげんにせぃ! 社内の反省会まで紙面にしないと紙面が埋まらないのか。

日経の考えていたASP
 ASPが何の頭文字を取ったものかすら定かでないのだが、いちおう「アプリケーション・サービス・プロバイダー」をここでは採用しておく。日経もこれと同じと思う。で、この事業がこれからのインターネットのプロバイダの主たる事業になるであろうことはアメリカでは常識。ただし日経も注意深くアメリカ情報を調べれば、ASPの単語に付随して「データー・センター」って単語が見えたはず。実はこれとセットになってASP事業なのだが、日経は解らない言葉を飛ばして記事にしている。
 答を述べる前に、日経のミスリードをさらに検証をしておく。まず「アプリケーション」。これはコンピュータ用語として単純に考えるとプログラムを指す。基本的機能を担うプログラム部分をOS(オペレーション・システム)と称し、実際の業務に対応した部分をAP(アプリケーション・プログラム)と称するので誤訳しやすいのは確かなのだが。
次に「サービス」。これくらい日本語に同意の語彙が無い言葉は珍しい。僕が知る範囲では日本にある文房具の「下敷き」(もう、日本でも無いかぁ)に匹敵する。これを訳すには新しい日本語が必要と思うのだけれど、あえて「提供」と日経は訳したのだろう。僕は「サービス」に匹敵する日本語としては「奉仕、提供者、供給者」あたりを想定するのだが、一方には関西では「サービスしまっせぇ」って訳の解らない用法もあるのは確かだ。
話しは逸れるがコンピュータ業界で禄をはむ人間として風俗店などの看板に「明朗会計システム」なんてのを目にすると逆上してしまう。逆上より正確な語彙として「キレテしまう」(笑い)とも表現する。「システム」なんて用語は客と予算の板挟みになりながらコンプロミス・デザイン(妥協の設計)を完成させた高度な仕組みの名称である。下半身系の作業では無く、どちらかと言えば首から上の部位の労働によって生み出される創造的産物である。がぁ! これが下半身系の風俗で使われるなんて、許せない! 責任者出て来い、君はどんな思い入れが「システム」にあるのか。そもそも...と永遠に続くのだ。
 話しが逸れた。
 で、最後の「プロバイダ」。これって、接続業者って軽い気持ちの訳しかしてないと思う。それでも良いのだけれど、インターネットの中では昔の「接続業者」って意味のプロバイダは少し意味が変わっていると思う。今は「接続され業者」、ま、業者に限らないので「接続されるホームページ掲載者」にまで拡大解釈をしても良い時代になったと思う。
 で、日経の書いたデザインは、「中小の事業者で自分の会社用にアプリケーション開発を行えない(資金力に乏しい)会社に、インターネットを利用して接続してもらい、サーバーに用意されたプログラムを提供して、廉価で目的を達してもらうサービス」てなことになる。
 既に200mも外している。中国大使館誤爆には十分な距離だ(笑い)。

既存のサービスの置き換えで考える日経の頭の硬さが招いた誤解
 おお、タイトルとして長いな! アルビントフラーの「第三の波」が決定的に早すぎたのはインターネットが現実のものになる前に書かれたこと。インターネットが普及するぞ、って警告は会津泉さんの著書を抜かせば1995年前に語られたものは無い。このわずか5年の間に社会環境は大きく変わった。日経は遅れている。つまり、時代に柔軟に対応できない頭の硬さがある。
 では、ASP事業とは、本当はどんな事業なのかを書き進めよう。いちおう裏打ちしている情報はアメリカ発信のMLやホームページなことを断っておく。つまり、日経にも触れることが出来る情報ってこと。
 ASPに類似した略称でAHPってのがあった。これはアクティブ・ホームページ・プロバイダの略のようで(確かめる前に下火になった用語なので)、HTMLだけのホームページを動きのあるホームページにしようとしてactiv−xなんかが出てきたが、もっと軽くて安全な動的ページ、ひいていは双方向性のあるページを作るための手法として語られていた。これは、意外と歴史が古い「動くホームページ」と一線を介して、力点は「双方向性」にかなり傾いている。
 CAPTAINの失敗を考えるとき、星の数ほどあるホームページの中で自分のホームページを訪問してくれた人に、更にマウスのクリックで情報にたどり着かせる方法は利用者サイドに立ったものとは言えない。訪問してくれた人の訪問の目的に素早く応えるのもAHPの重要な機能である。
 で、これを踏まえての「ASP」なのだ。つまり、利用者の使い勝手を補佐する機能を提供するプロバイダ(提供者)が望まれているってこと。利用勝手(アプリケーション)、向上提(サービス)、プロバイダ(提供者)が、これからのインターネットのWWWサービスに求められるって、しごくまっとうな考え方。
 つまり、インターネット上で起こる新しいサービス(機能)の拡充のことを日経は読み違えたのである。

世界を席巻するのは「俺」、が雨後の筍のように現れる
 例えば「データーベース」ってものを考えてみよう。日本語に直訳すれば「情報基地」、情報って言葉に蘊畜の無い人に対しては「資料基地」と言っておこう。「資料と情報の違い」については、ここで書いた事が無いので、後で書くので、ここでは軽く流しておいてもらいたい。
 ASPを考えるときに重要なのは「利用者の側に立った配慮」。
今までの「看板掲載」のホームページははたして「利用者の側に立った配慮」をしていただろうか。僕が良く引き合いに出すのが「わき見運転するな!」の看板。看板は立地条件が重要である。人の目にとまらない所に看板を設置しても意味は無い。伝えたい側が相手が目にする機会が多いところに設置するのが看板。しかし「わき見運転するな!」の看板は、わき見運転してる人にしか見えない。それも、見せたくて設置しているのだから囮捜査みたいなものだ。その看板の下に「xx交通安全協議会」なんて書いてあると、「この町の民度は、それがおかしい、と発言出来ないくらい低いのだ」と哀れに思ったりする。
 で、データーベースと言えば「奥が深い」(笑い)。シソーラスなんて、原子力潜水艦シービュー号の姉妹艦のような名称が出てくる。いかに情報(資料)を体系化するか。それが、人類の永遠の課題だった時代がある。図書館の司書なんて職業はまさに、膨大な書籍を「いかに分類するか」って資格だったりする。
 さて、ASPってのは、結局、立地条件に恵まれた看板(掲載側の論理)ではなくて、目的の情報を得たい(利用者側の論理)にいかに応えるかってことなのだ。そのために沢山の手法があり、互いに互いを非難しながら自分が最高の技法と語る。がしかし、そこに利用者の論理が抜けている。
 端的な例を上げれば資料をアクロバットリーダー形式で掲載しているホームページである。裾野が広がった故に、今パソコンユーザの中で、新しいプログラムをダウンロードしてインストールできる人は10人に一人と言われている。ちなみに、ホームページを閲覧して、右のスクロール・バーを下げてホームページを見る事の出来る人は10人に5人と言われている。それくらい、どうしようも無いくらい情報の送り手と受けてのギャップがあるのが今のインターネットだ。
 でも、大事なことは方法の稚拙は別にして発信する情報を持っているってことだ。で、次に出てくるのが「いかに持っている情報を提供出来るか」。それがASPなのだ。情報を得たいと思っている人に的確に情報を提供する機能。それを持つかどうかが、プロバイダ(情報提供者)に求められる時代に入ったってこと。
 冷静に考えれば、「勘定奉行」を買えない会社がその先のインターネットやってるとも思えない(だいたい、そこまでのテクニックがあればアングラの違法コピー入手するためにエナルギー注ぐだろうに)。
 で、解りますね。日経ってのはネームバリュを利用して直接骨髄に注射を打つような機能で生きてる会社なんです。経営者を情報ってテーマで脅して「日経読まなければ経営者って呼ばれない」って世界で生きている新聞(そもそも、新聞てのは10年すれば無くなるのだけれど)はタブロイド版以下なんだけど、日本ではニッケイって馬鹿な経営者の友ですね。
 本当に馬鹿なんだからぁ。騙されたシト(それも自己責任だ)多いんだよ。

Back
2000.10.23 Mint