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月の自転周期と公転周期は同じ
「地球は1年に何回自転するの?」と聞かれたら、たぶん「365回」と直感的に答える人が多いでしょうね。少しひねった答えだと、「閏(うるう)年があるので365.25回転」なんて回答する人もいるかもしれません。でもね、それだと年によって正午の時間が変わってしまう。たぶん、小数点以下はないでしょうね。地球は太陽系の惑星で、太陽を中心に回っています。正確には、太陽系の惑星の位置が日々変わるので、太陽系の中心のまわりを回っているのだけど、太陽の中心とほとんど差がないので「太陽を中心に」と表現しても間違いではないでしょう。 「惑星にはそれぞれ固有の『自転周期』と『公転周期』がある」って小学生の頃に習いましたよね(今は「ゆとり教育」で教えないのかもしれませんが)。「自転」は惑星自らのスピン。「公転」は太陽のまわりを回る軌跡です。「なんか習ったことあるなぁ」程度で先に読み進んでも大丈夫です。 話題を少し別な方向に振りますが、小学校の教科書にある「月は公転周期と自転周期が同じ」って意味が分かりますか。 実は私は、小学生のころに理科の教科書でこの難解な説明を読んで、意味が分かりませんでした。「公転」とは先に書いたように、主星(この場合は地球ですが)を回る軌跡。自転は自分のスピンです。それが同じって教科書に書いてある。非常に難解でした。 この授業は今でも記憶しているのですが、教師が「実際にやってみましょう」と児童を2人前に出して「さて、この本には自転周期と公転周期が同じと書いてあります。では、Aさんを地球として、Bさんが月でやってみましょう」と実験を始めました。 「Aさんを中心に、Bさんは1回りする間に1回転してみましょう」 何回か試みたのですが、どうやっていいか分からない。フィギュアスケートの選手のようにAさんの周りをクルクル回ると先生は「違う、違う」の連呼。「Aさんの周りを回る時に1回転ですよ」と何度も指導します。 「1回転やってみて。そうそう、それをAさんの周りをやってみて」 で、結局、Aさんを見たまま、Aさんの周りを回るのが「月は公転周期と自転周期が同じ」って意味なのだと授業で理解できたのです。当時の先生は理系が専門ではなかったのですが、この理科の授業は見事な授業だったと思います。なんせ、小学生だった私の天文への関心を開いたのですから。 |
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