参議院選挙は秋の衆議院選挙に向けた前奏曲

安倍晋三政権は失態続き
 選挙を控えて支持率を上げておかなければならない時期に現役国務大臣の不明瞭な自殺、防衛大臣の重なる失言問題での辞任とマイナス点ばかりが積み上がっていく安倍晋三内閣。
すでに国民は安倍晋三内閣を見放している。発足以来半年で3人の国務大臣の異動。その内の1件は不透明な事業請負いに絡む官僚と政治家の癒着が背景にある。おれがこの内閣を作ったんだと閣議で安倍晋三総理大臣を迎える時に起立もしない国務大臣。はては「自民党の為に辞める」とは国民を無視したやりたいほうだいが今国会で行われている証左だ。
 国民は安倍晋三総理大臣に留まらず、自民党政権の過去戻りにうんざりしている。旧来の官僚の政策を通してきただけの立法府では何も変わらない。逆説的だが前小泉純一郎首相は誰が何を言っても聞かないことで官僚へのぶらさがりを絶った。郵政事業の民営化は郵便事業は残し郵貯と保険は民営化って官僚のストーリを一刀両断してしまった。
この小泉純一郎流の手法が国民に受けたのであって、旧来の自民党が国民に受け入れられたのでは無い。逆である。自民党内で自民党をブッコワスと行動したから小泉純一郎氏は国民の支持を得られたのだ。つまり、国民は自民党を見限っているのだ。
 その傾向が春の統一地方選での自民党議席の著しい減少である。
対抗勢力の民主党も阪神タイガース並の内紛と不統一で勢いが無いが、自民党は自滅って方法で民主党を押し上げてしまった。国民からすると選択肢は「こっちしか無いか」って程度の緩やかな選択なのだが。

過半数を取れなかった辞める
 ここに来て小沢一郎流が選挙に向けて動き始めた。どちらにしても選挙までの小沢一郎代表って暗黙の了解が民主党内にあるし、当の小沢一郎氏もゴタゴタばかりの民主党に居なくて良くなるなら何でもするって感じなんだろう。でも、国民には一方の将が進退を掛けて選挙に挑むメッセージを発したと受け止めるだろう。で、もう一方の安倍晋三氏はどうするのか着目している。
 攻防ラインは44議席と言われているがこれを下回った時に安倍晋三氏の進退問題になるのか明言を避ける動きが自民党内にある。
 実は例え44議席を割ることに成っても誰も責任を取らない方法を模索してるのだ。本来は参議院議員選挙であるから、負けたら自民党の参議院会長である青木幹雄氏、幹事長の片山虎之助氏、ついでに、政策審議会長の舛添要一氏あたりが責任を取らなければならない。その上で安倍晋三氏も交代するかどうかの議論だろう。
現場の保身から将の首だけ変えれば良いなんて決着はとんでも無い。まさに、責任の取れる政党なのか自民党は問われる。私利私欲で責任論を棚上げするようでは国民はまったく何も期待しないで自民党を見捨てるだろう。
 では、この3人に責任はとれるか。実は腹の中で「安倍が馬鹿だから政治できへん」とたかをくくった所が青木幹雄氏にはある。自らの責任では無くて安倍晋三氏の責任って論理展開をする。舛添要一氏も同じような傾向にある。
自民党の中だけで丸く治めてしまうとマスコミを筆頭に反自民のうねりが高まるだろう。

秋の衆議院総選挙の足音が聞こえる
 本来政治家は国家、国民のために法案を立案するものだ。小沢一郎氏がお好きな「数の論理」は個々の政治家を「党議拘束」なんてもので縛るから「数の論理」が必要になってくる。もっと、個々の政治家をフリーにして法案ごとに是々非々で投票させれば良い。「党議拘束」は憲法に違反すると誰か訴えたら良いのだ。
 小泉純一郎人気が望めない参議院選挙で国民がどの程度自民党を見放してるか解るだろう。消費税問題も選挙までは議論しないと言っていたが、ここは政権政党としての自民党の辛いところ。なんらかの財政的な手を打たなければ年金・福祉の政策は組めない。民主党は労組を刺激したくないので声高に言わずに誤魔化しているが大幅な公務員リストラをその財源にしようとしている。小沢一郎氏の「無駄な歳出をカットすれば財源が確保出来る」が官公労に向けられてるとまだ気がついていないようだが。
 春の地方統一選挙から参議院選挙へ、そして秋の衆議院選挙へ一連の流れは歴史の必然として流れ始めているのだろう。

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