小沢一郎戦略で地固め、千葉7区補欠選挙勝利
選挙で勝利することが小沢一郎流
所詮、数の論理で押し切られてるうちは政権交代なんか無いってまともな考え方を小沢一郎氏はする。どんなに立派な政策を作ろうが数の論理で廃案にされては考える意欲も削がれる。今の自民党をジワジワと締め上げ、来年の参議院選挙で地すべり的敗北を自民党にあたえ、新たな政界再編成に持ち込むのが小沢一郎戦略だろう。
そのための試金石でもあった千葉7区補欠選挙は民主党が押した大田和美氏の僅差による勝利であった。
但し、自民党の稚拙な選挙戦が背景にあり、圧勝では無く僅差ってのは首の皮1枚がかろうじて残ったって程度で危険なタイトロープ上にあったことは肝に命じるべきだろう。
「負け組みゼロへ」のスローガンは武部幹事長の「最初はグー、さとうけん」より数段政策に近いものであった。なんで「最初はグー」で選挙が戦えると武部幹事長が思ったのか不思議だが、緊張感の無さと驕りが出たと森元総理に苦言を呈されてもいたしかたないだろう。
もっとも、大田和美氏も元キャバクラ勤務経験があり、女を武器に安直に給与を得ていたのは、どうなのかなぁと思う。いや、それ以前に、よく店側で雇ったなぁって容姿なのだが、それには触れないでおこう。
2chに面白い書き込みがあったので、紹介しておこう。
今回の大田和美氏の当選でキャバクラ嬢への関心が高まり、国をあげてのキャバクラ政策が始まる。小泉チルドレンが政界の重鎮になるころに一方の民主党もついに悲願30年で政権を奪取する。総理大臣はキャバクラ経験のある大田和美氏。庶民はこの政府を「キャバクラ幕府」と呼んで長く歴史に名をとどめたとさ。
小泉純一郎首相の動向に覇気が無い
先の予算委員会で民主党はあえて菅直人氏を質問に立たせたが、その質問の方法は小沢一郎氏も含めて党役員で練りに練った戦略的方法だった。
最初に小泉純一郎首相に質問してはぐらかし答弁を引き出しておく。そこで、財政問題に踏み込んでプライマリーバランスの改善と国債残高の解消方法について次の総裁候補である安倍晋三氏に質問を振る。その答弁を受けて財務大臣である谷垣禎一氏に振って、安倍晋三氏との矛盾を突く。そして、財政に弱い安倍晋三氏の間違いを正す。
この戦略によって小泉純一郎弱体化、安倍晋三氏の能力不足を国会の予算委員会の場で演じてみせた。ただ、相変わらずの菅直人氏の質問者であるのに野次を飛ばすのはいただけない。
谷垣禎一氏はある種、増税による財政再建論者なので適宜使って自民党の増税政策を攻撃する時のネタになる。小泉純一郎体制の弱体化は単に質問を振らないで話させなければたりることだ。秋に向けて弱体化しながら世襲のように安倍晋三自民党総裁になれば民主党の思惑は達成されることになる。
民主党としては安倍晋三総理大臣が一番戦いやすいのだから。
民主党の失策無しで参議院与党過半数割れ
現在参議院の与党の議員数は自民党112、公明党24の136議席。民主党・新緑風会が82議席。2007年の改選数は自民党66、公明党13、一方の民主党・新緑風会は31。
現在の与党:民主党は136:82、改選時の与党:民主党は79:31。改選時の民主党人員は極端に少ない。
先の2004年の参議院選挙では自民党46、公明党11、民主党51が当選してる。この時は都市部に小泉純一郎首相効果が現れていたが、自民党は民主党に敗れてしまった。今度の2007年参議院議員選挙では小泉純一郎首相効果は無くなり、あいかわらず都市部に弱い自民党に戻ってしまう。改選数の66をそのまま確保できないだろう。せいぜい前回並みの46議席。方や民主党も前回並みの51議席を確保すれば参議院の勢力図は民主党。新緑風会102、自民党92、公明党はそのまま24となる。
その結果、自民党と公明党の連立は参議院では116議席で総定数の242の半分である121を割り込んでしまう。
また、民主党・新緑風会は102議席と一歩届かないが残り19は国民新党・新党日本が6議席、無所属が5議席あれば連立して過半数に達することができる。
つまり、与党の参議院過半数割れは現実の問題として存在する。
自民、公明連立が参議院で過半数割れしたら
先の「ねじれ現象」は自民党単独の過半数割れが招いた事態だが、2007年の参議院議員選挙の結果次第では「ねじれ現象」では無くて「完全逆転現象」が起きる。
ここで、その時の総理大臣の判断が非常に難しくなる。逆転をゆりもどすには更なる連立が必要になるが、参議院は一桁台の会派しか残っていない。複数の会派と連立するにしても共産党、社会民主党は論外だろう。すると、上乗せできても無所属の5議席程度。これではたして過半数を確保できるか非常に微妙な問題だ。
衆議院は圧倒的な数を確保してるのだが法案が参議院で通らない。差し戻しでいちいいち3分の2の多数派工作を余儀なくされる。政治の停滞が始まる。民主党は衆議院の解散総選挙を迫るだろう。が、衆議院を解散したら絶対多数を手放すことは確実だ。ま、それでも公明党との連立で過半数は確保できるかもしれないが。
統一地方選での表の出方にもよるが、自民党は政権を投げ出さざるを得ない窮地に追い込まれる事態に遭遇するかもしれない。
ここまで読んで小沢一郎戦略が組み立てられるとしたら、安倍晋三氏で大丈夫か?との声が自民党内で上がってきてもおかしくない。でも、人材不足はいなめない。谷垣氏が安全パイだが麻生氏が首を突っ込んできて外交から財政からかき回し自滅するのも怖い。あと1年後に迫る自民党の危機に対して何も考えなくて良いのは引退する小泉純一郎首相だけなのだが、どうも誰も考えているふしが無いなぁ。