まずはお手並み拝見の安倍総理大臣

「ばんそうこう敗戦」が妥当か
 安倍晋三内閣の「だらしなさ」は予兆が有った。閣議に安倍晋三総理が入場しても席を立たない閣僚が居るって情報は早くから流れていた。(たぶん防衛大臣の久間章生氏だと思うが)政治と金の問題では証明できない不透明さが「事務所費」に隠れている閣僚が続出。これも政治と金の問題と言うより「だらしなさ」を露呈した結果になった。現役の農水省大臣の自殺、これも庇い続けた結果と決断力の無さが「だらしなさ」を感じさせる。
 決定的なのは投票日を前にして領収書のコピー流用が報道された赤城農水大臣が無精ひげのまま顔に大きな絆創膏を二枚も張って閣議に出てきたことだろう。それも理由を説明せずに憮然と「たいしたことは無い」では印象が悪い。閣議に無精ひげでは「だらしない」の典型だろう。
 そもそも社会保険庁の年金問題が怠慢と言うか、役人の管理に「だらしない」結果なのだから国民はキッチリやって無い行政を非常に厳しく見ていたのだ。クールビズなのかもしれないが、閣議くらいはネクタイで行う演出くらい考えるべきだろう。
去年の総裁選びでも参議院選挙で小泉純一郎旋風が無いのだから議席を減らすのは判っていた。だから、森元首相は安倍晋三氏を候補者にするのに難色を示した。にも係わらず29日に負けた場合の数によっては辞任しろと森氏からの要請を受けて中川氏が安倍晋三氏に会うと「結果に係わらず辞めない」との返答で、中川氏も困り森元首相と安倍晋三氏が直接電話で話して森氏を一括、続投を了承させてしまった。
 結果のいかんに係わらず続投が安倍晋三氏のシナリオとして固まっていたのだ。

何処まで奇策を使ってくるか
 結果がどうあれ辞めないとシナリオを決めた安倍晋三氏にとって国会運営が難しくなるのは想定内だろう。その国会運営に向けて秘策があるから結果がどうあれ辞めないってことになる。その秘策はなんだろうか。
実は2大政党ならぬ1大政党構想らしい。
一番乱暴な方法は内閣解散で首班指名選挙に持ち込む。ここで最大派閥の安倍晋三氏は民主党の岡田克也氏を担ぎ出す。もちろん、民主党は首班指名で小沢一郎で一本化してるから動揺が起こる。民主党の岡田一派はどちらに入れるか票読みを始めて党内で疑心暗鬼になる。結局民主党の分裂を招き、首班指名された岡田氏は自民党入りしてピンチヒッターの役割を果たす。
衆議院解散の切り札よりも内閣解散のほうが議席を減らさないで「改革」が出来る。しかも自民党主導で。そこまで読んでの続投なのか、いまは憶測でしか無いが。

政治の世界は一寸先は闇
 誰にも予想は出来ない。ただ、安倍晋三氏にとっては憲法改正が自民党総裁より優先する悲願なのだから、奇策の幅は広がる。3年後に憲法改正の発議を行うには2/3の国会議員の賛成が必要で、それが全て与党である必要は無い。
逆に今の延長線上には憲法改正の発議は難しいと読んでいるのかもしれない。公明党は乗ってこないだろうから、自民党と民主党の一部で改正を目指すシナリオが必要だ。そのためには今から国会を揺すぶっておく必要があるだろう。
そんな深慮遠謀から「結果がどうあれ辞めない」であるとすれば、一番危険なのは権力を持っている安倍晋三氏と言えるだろう。
誰にも止められない機関車が前小泉純一郎首相だとしたら、後継の安倍晋三氏も多分に誰にも止められない面を持っているのかもしれない。(あくまで憶測だが)

button 民主党代表選挙に隠れる小沢戦略
button 小沢一郎戦略で地固め、千葉7区補欠選挙勝利

Back
2007.07.31 Mint