信州善光寺のオリンピックの聖火リレー返上の英断
仏教への弾圧への抗議
「さまざまな事情で辞退するしかないと考えた」と表明されているが、会見の場で連日チベット問題に関する抗議の電話が善光寺にあったとか、「五輪憲章は人種や宗教、イデオロギーを超えた平等の理念がある憲章だと考える」の言葉にあるように中国のチベット弾圧に抗議する意味が強い会場辞退であることに間違いは無い。
日本政府の特に中国よりの福田康夫総理大臣が残念な事と述べるにとどまる程度でNHKなどは今回の信州善光寺の会見をチベット問題とはリンケージさせない報道に終始している。
信州善光寺のホームページでも政治的判断は含まずに出発会場の辞退を淡々と伝えているだけ。
なんでそんなに気を遣わなければならないのか。こと人権問題に関しては内政問題だなどとアナウンスするのでは無く、世界共通の問題として機会ある毎にアピールするべきだろう。
どうもこの問題を考えると裏に「人権擁護法案」が見え隠れする。中国から「国内問題説」を持ち帰った「へたれ」議員が人権擁護法案推進派だったことも見え隠れする。人権擁護法案については調査中なんだが、聖火にかこつけて中国へ抗議行動を取ってもこの「人権養護法違反」となってしまう、とんでも無い法律なのだ。
また、一部報道されているが日産がチベット問題に抗議したリチャード・ギアをクルマの広告から外したなんて「へたれ」事象も起こっている。なんで、正面から中国に抗議をしないのか、それが中国にクルマを売りたいがためだとしたら、日本人は魂を売ってまでクルマを売りたい世界の笑いものだ。経済行為にのみ終始し企業の品格を失った日産は世界からボイコットされる。政治的活動をする人物を広告に使わないと言うのならきっちり会見で述べるべきだろう。
今回の信州善光寺の判断は「へたれ」に感染した日本人の中では大英断と高く評価されるだろう。
中国への抗議がまったく報道されない
インタネの世界とマスコミの世界の乖離を感じるのが今回のチベット問題だ。インタネの世界では中国の人権侵害に抗議する姿勢が大半だが、マスコミではチベット問題はタブーになっている。特にNHKはその姿勢が強い。
そもそも仏教徒がそれも僧侶が弾圧されている現状を宗教団体である公明党も中国万歳で一向に抗議する気配がない。そもそも胡錦涛国家主席が5月6日に来日するが、この歓迎をチベット旗で迎えようとの動きがインタネで広まっている。これに対して甘く見ていると国賓として迎えた胡錦涛国家主席をお怒らすことになる。
そもそも4月30日に道路関連の暫定税率を衆議院で再可決して政治情勢が不安定な所に胡錦涛国家主席が来日し、チベット問題には触れず、オリンピックのボイコットの話も無しでは国民は納得するはずがない。
福田康夫首相は4月30日の再議決で参議院から問責決議案を可決され国会を混乱から長期休暇におとしめ、7月の北海道洞爺湖サミットを花道に勇退する作戦を固めたようだが、その作戦には「国民感情」を読むって要素が抜けている。KYな福田康夫総理の行動は驚きの連続だが、今回の胡錦涛国家主席の国賓としての来日と中国のチベット弾圧、そして北京オリンピックの開会式ボイコット問題と三題話をリンケージさせたシナリオが描けてない。
実はチベット弾圧問題は10年も前から明らかにされていた。いや、中国の国民解放軍がチベットに入ったのは1950年だ。それが今回急激にインタネの注目を集めるようになったのは、ラサでの暴動に近い反中国騒動を力でねじ伏せようとした行動が明らかになったから。それでなくてもインタネではYOU-TUBEで国境を越えるチベット僧侶を阻止する中国軍の映像が数年前に流されている。
マスコミは中国に配慮して政治問題化しないのはスポンサーへの配慮だろう。ジャーナリズムの志が感じられない。しかもNHKまでが政治的配慮から問題を明確にしない。実は中国への抗議行動を起こそうって動きはインタネで深く浸透してるのだ。「国民の民意」を読み違えてはいけない。
中国に関するDデイのカレンダー
4月26日
長野での聖火リレーには2000人の日本在住の中国人が聖火を守るために動員されるらしい。これは全て中国政府からの資金援助を得ているとの説がある。一方インタネではチベット旗を掲げて抗議しようとの運動が組織されている。これで中国人グループと日本人グループの小競り合いが予想される。双方、デモ行為には慣れてないので不測の事態が発生する可能性がある。
4月30日
中国オリンピックとは直接関係が無いが、道路関連特措法が衆議院で再可決された場合は国会が休眠状態になる。もっとも、一般財源化すると表明した福田康夫首相の姿勢と再可決は矛盾するので自民党内にも造反組みが出て福田康夫総理は親子二代の悲願であるサミット開催を実現できずに去る辞退になるかもしれない。直前の山口補欠選挙の行方も気になるところ。この日を境に日本国内の政治状況は大きく舵をとることになる。
5月6日
中国の胡錦涛国家主席が国賓待遇で来日。可能性としては来日延期もありうる。日本の国内情勢がどのように推移するかによって、警備が可能かどうか決まるだろう。現在までインタネでは多くのチベット旗が用意され胡錦涛国家主席の行動する場面に登場するだろう。
5月12日
道路財源特例法の改正案の再可決が可能に。これが通らないと地方自治体は道路特定財源を受け取れない。これが通ると向こう10年間の道路建設も通ってしまう。政治状況によっては国会が暗礁に乗り上げる火だねになっている。
7月7日
北海道洞爺湖サミット。この後、福田康夫総理はどのような対応を取るだろうか。解散総選挙の可能性は低いので「勇退」の可能性が高い。そのシナリオは「国民不在」で覆い尽くされているのだが。
8月8日
北京オリンピック開会式。その時の日本の政治状況は現在では読めない。
どちらにしても、これからの半年は激動の状況にあるのは間違いない。