尖閣諸島は日本固有の領土
1885年(明治18年)以来、沖縄本島の西に点在する尖閣諸島を新政府は調べている。そこに清国(現在の中国)の関与の痕跡が無いことを確認して1895年1月には標杭を建設する旨の閣議決定を行なっている。
ところが同じ1895年5月に当時の清国と日本は下関条約を結び台湾及び澎湖諸島(ほうこしょとう)の割譲を受けた。戦争に負けたことによりこの割譲は反故になったが、この割譲に尖閣列島も含まれていたのだから当然返すべきだってのが中国側の主張の一つになっている。わずか4ヶ月の差だが、尖閣諸島は日本が領土宣言をしているのだから、割譲を受ける必要も無い地域なのだ。
また、1971年6月17日のアメリカと日本の沖縄返還条約には尖閣諸島は返還領土として明記されており、アメリカのお墨付きもある。
遡ることサン・フランシスコ平和条約の第3条により尖閣諸島はアメリカの施政下に置かれることとなり、この条約は当時の連合国として中国も批准している。
以上の理由から他国から「我が国の領土」と言われる筋は無い。そのことを外務省は声高にメッセージを発するべきだろう。それも、早急に。
1971年以降に中国や台湾が尖閣諸島(魚釣島)を自国領土と言い始めたのは、1968年に日本と韓国の海洋専門家が国連アジア極東経済委員会の協力で東シナ海海底学術調査を行った結果大陸棚に石油資源が埋蔵されてる可能性が高いとの調査結果による。この頃から中国は大陸棚は全て自国の領土って「とんでも理論」を始める。
1996年7月に国連海洋法条約が日本でも発効し排他的経済水域に指定されることにより中国、台湾の漁船が閉め出されたことで国内で不満が出ていることも「とんでも理論」を誘発している。
日本の領土問題には外交が無いのか
外国に領土が侵略されたら自衛隊を発動してでも自国の領土を守るのが自衛隊の本来業務では無いのか。竹島の問題は置いておくが、尖閣諸島(魚釣島)についても日本の領土問題として何もメッセージを発しない日本の外交はまったく機能していない。
2003年6月には中国人活動家の船が尖閣諸島の領海侵犯。10月にも領海侵犯があった。2004年1月にも領海侵犯。2004年3月には7名の活動家の魚釣島への不法上陸まで許してしまった。
このような背景を受けて、尖閣諸島は2005年2月から海上保安庁が常時警備を行っている。尖閣諸島で一番大きい魚釣島に日本の政治団体が1988年に灯台を設置したものの所有権放棄したため国の帰属財産として管理することになった(ま、政治団体は巧い方法を考えたものだ)。このために海上保安庁では定期的に航空機も飛ばし警備を行っている。
しかし、日本の領土問題として政治的決着が付かないまま放置したので、今回の台湾や中国の政府を代表する者にまで言いたい放題された訳だ。
そもそも、事故(事件)から3日経っているのに日本国政府からの公式メッセージが無い。解っているのは遊漁船が沈没したことと16名が救助されたことだけ。イージス艦「あたご」の時の情報伝達の不備が改善されてない。外国船と、しかも領海侵犯した船と衝突したのなら相手が何か言い出す前にメッセージを発しなくてはいけない。
それが外交の基本だろう。それが出来ていない外務省もさることながら、松井が誕生日ホームランを打ったなんてニュースを脳天気に流しているマスコミも完全に外交ボケとしか思えない。
早急な対応が必要だろうが、ま、土日休んで月曜日にでもと考えてるんだろうなぁ。