衆議院解散の時期は2009年の春以降になるのか
今さら解散は出来ない
すったもんだで麻生太郎総理大臣の指導力の無さを見せた定額給付金だが、やっと概要が固まった。そう、概要が固まっただけだ。これから関連法案を成立させて財源を確保し、市町村との業務分担を明確にしてバラマキが始まる。
臨時国会を11月末で閉めるのなら、定額給付制度は年明けの通常国会で法案が審議される。これで参議院で野党の反対で否決されると60日制度を使っても国会を通るのは3月の中旬。これでは年度内に給付はまったく出来ない。
かりに野党が反対しないでも1月末法案成立で3月中旬からバラマクのはかなりタイトなスケジュールだ。ましてや、繁忙期の年度末に市町村が事務処理をこなせるか配慮が必要だろう。
で、この定額給付金のバラマキは自民党と公明党の選挙対策だから、国民に定額給付金が渡るまえに選挙を行うってのはあり得ない。そんなこんなで衆議院の解散総選挙は「定額給付金が出るまでは無い」と言い切っても良いだろう。
そもそも、福田前総理大臣の頭の中には9月なら自分が辞めても自民党総裁選挙で盛り上がり、その勢いで臨時国会の冒頭で衆議院の解散総選挙。この結果「ねじれ国会」は解消しないものの、国民の審判を受けた政権政党ってお墨付きで国会運営を自民党主導に戻すてなストーリーだったのだろう。
今になって自民党内部でも「あの時、解散しておけば良かった」なんて愚痴が出ている。
定額付与の問題点
消費が低迷しているなら金をバラマキすれば良い。それが経済政策ってもんだって発想は政治の無策でしか無い。
ここに2兆円って財源がある。国民総生産(GDP)の0.3%に近い。この程度の金を広く薄くバラマキしても貯金にまわったりで実質のGDPに寄与する割合は0.15%程度だろう。。それが100年に一度の経済恐慌に対して政治選択した施策なのだろうか。
もっと言えば、本気で「100年に一度の」なんて思っていないのだろう。衆議院の解散総選挙を避ける方便が何時しか催眠術にかかったようにお題目になって政策決定にまで悪影響を及ぼしたと言うのが真相ではないのか。
本当に100年に一度の経済恐慌なら、まず麻生太郎総理大臣には任せておけない。即刻総理の座を降りてもらいたい。リチャード・クーレベルの経済学者ではとても難局を乗り切れないだろう。つまり、100年に一度の経済恐慌では無いのだ。
金融工学の失態が原点にあり、トヨタのように積極拡大路線を選んでいた企業は痛手も大きいが、日本企業の基礎体力を考えると一時的な不況が訪れる程度で、舵取りを間違わなければこの波は乗り切れる。
そのための政策を立案するのが国会の使命だが、定額付与制度はまったくの無策であり麻生太郎総理大臣の舵取りでは避けられる不況も避け得ないのでは無いか。
政治では無策は悪であり、国民を奈落の底に引き込む。それが麻生太郎総理が犯した過ちだ。
昨今、国会では「次の選挙は衆議院では無い。どうも、自民党総裁選挙らしい」との噂が飛び交っているらしい。
自民党にしたたかさが無い
「あの時衆議院を解散しておけば」なんて声が出る自民党だが、「あの時」を見誤っている。あの時、つまり自民党総裁選挙で小池百合子氏を総裁に選ぶ以外に自民党に衆議院解散総選挙のチャンスは無かったのだ。
だから完全に「解散も出来ない総理大臣」になってしまった。もう「あの時」は戻ってこない。
小泉純一郎元総理は直感で動く変人だが、先の自民党総裁選挙では直感的に麻生太郎では自民党は保たないと思ったのだろう。しかし、小池百合子の応援演説をするにも自分が総裁になった時の田中真紀子氏ほどの気概が残っていなくて引退する者が出しゃばる訳にも行かないってことで動かなかった。
実は自民党のしたたかさってのは窮地に追い込まれると発揮されてきた。2代続けて自民党が推した総理大臣が辞任しているって事実は大きい。国民には自民党は内閣を支える力が無い。一枚岩で無くなったと思われている。その時に麻生太郎総裁では自民党が一枚岩になったイメージは無理だろう。昨今の漢字の読み間違いを見ているとマンガ好きでは無くてマンガしか読めないインテリジェンスの低い金持ちのボンボンだとメッキが剥がれ始めている。
小泉純一郎氏の「小池百合子で選挙。誰が考えてもわかる」が自民党の過去のしたたかさだったのだが2世議員やチルドレンの未熟な自民党にはそのしたたかさが無かった。
だから、次の選挙は自民党総裁選って噂が流れるのだ。
ま、総裁選をやるにしても選挙直前だから、臨時国会を延長しないなら、衆議院は任期満了まで解散しない可能性が高いと言えるだろう。
それまでに民主党も次の代表を決めておくべきだ。自民党が失策をするから小沢一郎で保っているのだって現実を直視しなければいけない。