大波連続の麻生太郎総理
バニシング・ポイントは1971年のアメリカ映画だが、単に「消滅地点」と訳しておく。麻生太郎内閣は衆議院解散総選挙を待たずして「消滅」してしまう可能性が急に浮上してきた。第二次補正予算の大波は2兆円をバラマク定額給付金だったが、他人の財布からの金を使うのは気にならないようで、自民党内部で明確に反対する勢力は生まれてこなかった。唯一、渡辺喜美氏の自民党離党と立浪氏の退席程度のパフォーマンスしか起きなかった。 国会議員の先生達にとって定額給付金は次回の選挙での当落に影響しないと踏んでの行動だろう。もはや残り任期が1年を切って選挙のことしか頭にない国会議員が増えているのだろう。定額給付金のバラマキは選挙にプラスに作用すると踏んでの行動だろう。実際には雇用対策に生かす代替案が最もアピールするのだが、これについては知恵が浮かばないのだからしょうがない。 しかし、定額給付金以上に大波になって麻生太郎首相に襲いかかるのが2011年度の消費税アップの明記。この文言を付帯事項として入れるか入れないかで自民党内部で定額給付金以上の大波が起こっている。 先の定額交付金は民主党の攻撃に晒されたものだから自民党が一枚岩になって防げば通すことも可能だ。仮に野党が過半数を占める参議院で否決されても予算案は30日以内に自然成立、関連法案も60日以内に衆議院の2/3が賛成して通すことができる。衆議院を与党の全会一致に近い形で通したのだから、参議院から戻ってきても2/3で通す体制は整っている。 しかし、2011年に消費税をアップするって付帯事項は与党内部にも異論があり簡単に衆議院を通過しそうも無い。仮に通過しても2/3で再可決出来る保証の無い一方通行の可能性も考えられる。自民党内で造反が16名以上出るのか出ないのか。出ると解って衆議院を通過させるのか、どちらにしても麻生太郎総理は消費税問題を定額給付と同列な対応では墓穴を掘るって政治感覚を持ち合わせていないようだ。 消滅点は意外と年度内に置かれているのかもしれない。 |
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2009.01.20 Mint
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