選挙前のバラマキは公職選挙法違反の買収に該当

バラマキに比例して支持率回復
 未曾有の経済危機に対して経済対策とかで補正予算のアドバルーンを上げてみた自民党。じざアドバルーンをあげると麻生総理大臣の支持率が上がったものだから、あれよあれよと補正予算規模が膨らむ。仕舞いには経済見通しもへったくれも無くて「3年で40兆円でどやぁ」の暴走ぶり。これでGDPが上がろうが下がろうが、麻生総理大臣の支持率さえ上げれば目的は達したって感覚なんだろう。衆議院の解散総選挙が迫った現時点で税金をバラマクだけの無策ぶりに国民はあきれかえっている。
 株価がアドバルーンに反応して回復基調なのは今回の経済危機は金融の仕組みのリストラクチャリングによって回復する予測に対して的確に各国が対策を打ったから。そしてその効果が見えてきたから。
 GMに代表される企業不況は特定の企業の問題であって今回の経済危機と呼ばれる事象とは別な次元で起きている問題。
 にも係わらず「100年に一度の経済危機」を標榜し「政局より政策」と詭弁を弄して衆議院の解散を先送りにしたオオカミ少年が、自らの言動に酔って必要も無い税金のバラマキを経済対策と称して、実は麻生内閣支持率を国民の税金を使って買おうってとんでも無い政策に陥っている。
 もはや自民党は補正予算熱に冒された暴走機関車で誰も止めることは出来ないようだ。現実には選挙での当選を目指した買収行為で立派な選挙違反だ。

3年先まで補正予算計画
 補正予算額が大きいほど景気への期待感で株価も麻生総理大臣の支持率も回復するってんで、単年度では金額に限度があるから「3ヶ年補正予算計画」なる妖怪が自民党内で暴れ回っている。そもそも単年度会計の基本も何もあったものでは無い。一番肝心なのは3年先の経済見通しを無視してひたすら税金をバラマク方策を積み重ねただけの補正予算案にマスコミも踊らされて本質的な議論の土俵を覆い隠してる点だ。
 そもそもマネージメントとはPDCAのサイクルを回すことで花火をぶち上げることでは無い。景気対策(PLAN)を実施(Do)し、その効果を調べて(Check)、更なる手を打つ(Action)のがマネージメントだ。今の自民党はその政策の基本も忘れアドバルーンをより大きく、より高く上げることに酔っている。
 経済対策に限らず政策はこのマネージメントが大切で、現在の「前例主義」や「官僚の保身主義」がPLAN(予算措置)とDo(予算執行)だけに限られていることでいかに多くの税金が非効率に使われてきたかは周知の事実だ。
 その行政を睨む役割の立法府が行政と一緒になってPLANとDoだけで日本丸を操船しようとしてきたのが自民党政権だ。政策が「やりっぱなし」なのだ。今回の補正予算もその効果を計りながら効率的に手を打っていくって視点はいっさい無い。いかにバラマクか、民主党のバラマキ政策をじゃんじゃん取り入れてとにかく金をバラマクためのネタがあれば金を付けてアドバルーンを大きく高くあげることだけに邁進している。

立法府と行政府が責任を相互回避
 日本の国がどうなろうと立法府は行政府に政策を任せ、最終的に行政府は立法府の責任で立案された法律を「粛々と」実行するだけって構造には双方が責任を持たないなれあいが潜んでいる。
 立法府と言えど特別公務員で任期は平均3年程度。やりたい放題して逃げ切れる立場だから課題は国家天下の問題では無く次回の選挙対策になる。地元に成果を誇ることで次回の当選を勝ち取ろうと奔走する。政策は「俺が次回当選できる政策を頼むぞ」と官僚に振る。まったく、やりたい放題なのだが、こあれがここに来て補正予算アドバルーンの上げ方で鼻につくまで露骨になった。
 選挙が近くなると国民に補正予算の名目で税金をバラマク慣習が定着しては日本に政治は不在になる。今までも予算と選挙が微妙なタイミングでリンケージしていたのだが、今回は露骨でエゲツナイ。
 それでもマスコミはアドバルーンの様子ばかりを報道し、基本的にこの国の行く末なんて話題は取り扱わない。「だって、そんな記事誰も読まないもの」との上から目線だ。
 暴走補正予算に踊らされては、祭りの後にカラッポの金庫に上納金を迫られるだけだ。

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2009.03.23 Mint