鳩山由紀夫代表でなければ民主党に先は無い

衆議院選挙までは暫定政権が必要
 マスコミは数字稼ぎに「鳩山由紀夫代表では小沢一郎色が抜けていない。」などと批判するが、基本的に民主党は過去、時間を費やして政権交代に向けた戦術を実行に移してきた。その功罪は別にして小沢一郎代表を中心に積み重ねた政権交代に向けた衆議院選挙対策は先の「小泉純一郎郵政選挙」でつまづいたけれど、確実に成果を上げている。
 その積み上がった資産を数ヶ月以内に衆議院選挙が行われる今ご破算にして民主党の政策を実現する方法論はあるのか。現実的にはここまで来たら数ヶ月以内の衆議院選挙に向けて現行の体制を維持しつつ、選挙が終わったら仕切り直す体制整備が妥当なところだろう。
 いくら小沢一郎色が残ろうと、いまさら新生民主党なんてのを立ち上げるべきで無いことを民主党の各議員は自覚すべきだろう。それは衆議院議員選挙直前の開戦前夜に行うことでは無い。今の勢いを持って選挙戦に突入し、まさに選挙後はchangeすると民主党をアピールすべきだ。それが、政治だ。
 大学院生のようなと称される民主党が、また勉学の徒に戻るのでは永久に政権は奪取できない。勉学は国政のための手段であり、目的は政権奪取なのだと気がつかない若手議員が多すぎる。政権を奪取するには「自民党的な」部分の参考になる所は取り込まなければならない。それが戦略ってものだ。
 最悪のシナリオは「話し合い一本化」だ。これだけは是非とも避けなければならない。密室の話し合いでは国民に開かれた政党とは認められず、仮に衆議院議員選挙で勝利しても政権を担うことは出来ない。政界再編の火付け役になるだけだろう。
 現在の課題に対処する候補者、次回以降の政権を運営する候補者、この両者の一騎打ちになるのが一番望ましい。
 加えて、国政を担えることを担保する政治感覚だ。大学院生の集まりには国民は政権を渡さない。まさに、今、その事が「試される民主党」なのだ。

岡田克也代表では引力不足
 民主党議員の中には「田中角栄首相の後に三木武夫首相を出してクリーンをアピールした自民党を参考にすれば岡田克也代表が良いのでは」とのあきれた意見がある。この自民党の例は自民党が「政権」って引力が有ったからできた人事で、政権を持たない民主党には暗黙の引力は無く、引力が無い中で前任者の考え方を継承しない新代表が生まれたら、惑星は他の太陽系へと離れていくのだ。
 ある意味、その惑星の最大のものは衛星を50個も持つ小沢惑星系だろう。衆議院選挙の前に政界再編が起こるのは時間切れだ。引力の無いまま漂う惑星系に選挙での訴求力は無い。
 そもそも小沢一郎代表は受託収賄罪で本人が起訴されているのでは無い。政治資金規正法違反で、それも前例に比して金額が大きいので秘書の起訴に踏み切ったと検察も表明している。つまり、他にも世の中に政治資金規正法違反の事案は沢山あるが、あえて、この事案は控訴に踏み切ったって苦しい言い訳だ。
 例えてみると、スピード違反はどのドライバーでも日常茶飯事だが、25km/hオーバーは「前例に比して大きいので」起訴したって程度の、ま、言い方を変えれば容認できない範囲って非常に主観的判断基準で起きた事件なのだ。
 「選挙のために看板を変える」が小沢一郎代表の偽らざる本音だろう。
 それをマスコミは今回の事案の特異性を無視して「議員は辞めないのか」みたいなセンセーショナルに扱いたいだけの世論操作的な情報を流す。もはや真実を見通す目はマスコミには無いのだって事実をしっかり受け止め、マスコミに流されないように情報面での自己防衛をしないと我々国民はマスコミに流される流民に陥る危険な社会が今の日本なのだ。

鳩山由紀夫代表は選挙管理代表
 まずは釘を刺しておきたいのは、自民党は麻生太郎総理大臣を総裁に選出した時に「麻生内閣は選挙管理内閣」と暗黙の了解をしていたはず。9月30日の自民党の世論調査結果を受けて急遽、経済対策とか4段ロケットだとかの理由を付けて衆議院の解散総選挙を先延ばしにしてきた。「政局よりも政策」と言ってきたが内容は「民意より政権」ってものだった。
 民主党はこの轍を踏まず「選挙管理体制の代表であり、選挙後は再度党員による代表選挙を行う」と新代表は宣言すべきだろう。党内の不満を抑え、党員が選挙で誰を選べば良いのか明確になる。極論すれば今度の衆議院選挙は内閣の要員を国民が選ぶ選挙と位置づけられるのだから。
 小沢一郎代表が築いた資産を生かしてこそ戦略だ。何がある何が無いを見直す(戦略)、無いものはどうやって補う(戦術)と課題がどのポジションで語られるか良く考えるべきだ。戦略無き戦術こそが先の日本軍の逐次投入戦術で結局失敗の憂き目を見た。
 ここは、大局的に「小沢一郎イズム、最後の聖戦」とか割り切って体制を整え来たる衆議院選挙に挑むのが最善の道だろう。

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2009.05.13 Mint