海外派兵がなし崩し的に広がる
まず断っておきたいのだが、ソマリア沖への自衛隊の派遣は反対では無い。しかし、国際貢献の一部として警察行動を主とした「海上警備行動」の範疇であればだ。実際には綱をとかれたように出動した自衛隊部隊が警察行動の範疇を逸脱して言葉は悪いが「軍事行動」を行っている現状を目にすると、とてもじゃないが賛成しかねる状態だ。今月(5月)末には 結局、自衛隊の海上自衛隊+陸上自衛隊+航空自衛隊の派遣に、オミソで海上保安庁が付いている本末転倒な自衛隊主役の「海上警備行動」に変化している。 追記:派遣されたP-3Cは正確には海自「派遣海賊対処航空隊」(司令・福島博1佐以下約150人、P-3C哨戒機2機)であり、海上自衛隊に所属するので、この部分は訂正 国際感覚では自衛隊は軍隊であり、日本を代表する日本軍の進駐である。マスコミはこの事実を何故問題にしないのか。国民の知らないところで着々と自衛隊の海外派兵を既成事実化する政府の欺瞞に満ちた行動はやがて国際社会から日本を孤立させ、外交カードとしての自衛隊を侵略のための皇軍と解釈される危険をはらんでいる。 治安維持のために国際協力する名目で、事実上軍隊の海外駐留を行っている今の政府の行動は日本の国際的評価を損ねるばかりでは無く、日本の海外での軍事行動を既成事実による拡大をはかった姑息な行動である。自衛隊に外国籍の船舶と戦闘状態に陥った時に対応できる危機管理が出来てるとも思えない。事件の後始末は外務省に丸投げして知らん顔の自衛隊になる。それは、戦前の軍部暴走となにも違いが無い。 シビリアンコントロール(文民統制)が出来ているのか。そもそも、シビリアンコントロール(文民統制)とは自衛隊内で背広組が制服組をコントロールすることでは無い(自衛隊内部にすらそのような誤解があるが)。政治が軍隊をコントロールすることだ。その最高責任者は日本国総理大臣なのだが、とても麻生太郎総理大臣が現状を知り責任が持てる雰囲気は無い。つまり、麻生太郎総理大臣が知らないところで自衛隊の「軍事活動」が進められている、まさに、シビリアンコントロール(文民統制)欠如の自衛隊任せの海外駐留が現実の問題として起きているのだ。 |
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2009.05.20 Mint
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