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会見で事を荒立てて墓穴
中国の習近平国家副主席の訪日に合わせて天皇陛下との会見を強く要望したのが政府では無くて小沢一郎幹事長だった公算が高い。大議員団を引き連れて中国訪問を行いリップサービスが過ぎる小沢一郎幹事長だが、今回の行為は党務専任と言いながら政府に指示を出す「越権行為」が過ぎた。民主党にとって小沢一郎幹事長は民主党の幹事長であって、政府の要職は任せられない。その意味でも小沢一郎幹事長は党務のみ行っていれば良い。ところが、党と内閣の垣根を越えて政府に指示を出せば、現在の鳩山由紀夫内閣は小沢一郎傀儡政権と揶揄される場面に陥る。これは政策より政局好きの小沢一郎氏の壊し屋の本領発揮になり、政権交代後混乱を積み重ね安定感に乏しい民主党にとって致命的な災いになる可能性がある。 そもそも小沢一郎幹事長は記者会見で「憲法で天皇は内閣の助言と承認で行うと定義されている」と抗弁したが、そもそも外国要人との会見は国事行為では無い。しいて言うなら象徴天皇の公的行為と解釈される。記者に「憲法読んで出直しこい」ってのは少々無理がある。そもそも、国事行為で小沢一郎幹事長は政府に指示を出し、政府がそれに沿った対応をしたのなら、党務専任を逸脱した行為になる。 日本人の天皇家への特別な心情を逆なでするような行為を、しかも中国よりの立ち位置で強引に進めた今回の行為はよほど上手に治めないと鳩山由紀夫内閣の致命傷にりかねない重大案件だ。鳩山由紀夫総理大臣も慎重に事を進めないと、思わぬほころびが全体に広がる亀裂に発展する可能性がある。 |
2009.12.15 Mint
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