環境先走りで国を危うくする民主党

温暖化の影響が少ない日本
 四方を海に囲まれた日本列島は気候変動の影響が世界で最も出にくい地域だと言われている。海水の持つ比熱の高さが暖まりにくく冷めにくい気温をもたらす。
 先の氷河期後期(諸説あるが、1万年ほど前)に日本列島は大陸との間に日本海が出来上がった。このことで日本は四方を海に囲まれた列島として太平洋西部の島(諸島)となった。この氷河期の終わりによって大陸を覆っていた氷がとけ海に流れ込み、海面は現在の高さまで上昇した。この時に沖縄を含む南西諸島が飛び石の島の点在する地形になった。
 日本の縄文時代が世界各地に比べ温暖であったのは最近の考古学で証明されている。日本列島は非常に気候変動の影響の少ない1万年を過ごしてきた。これは四方が海に囲まれてることに起因する。
 とまぁ、過去の考古学の話では無くて現在トレンドになっている地球温暖化の話。
 民主党は通常国会に「温暖化基本法」を提出する予定だ。この素案は環境大臣から既に提示されているが「環境税」、「国内排出量取引制度」などが盛り込まれている。あくまで素案だが、他の国がどのような政策を展開してくるか手の内が見えない時期に先走って制度設計まで行うのはいかがなものだろうか。
 特にCO2排出と地球温暖化の間には強い相関があるとは言えず、今後10年で地球の気温がどのように変化するのか確実な事は誰にも解らない。
 ただ、有限な化石資源の消費を抑制するって点で、自然エネルギーへの転換には賛成するが「地球温暖化基本法」なんて名称は科学的に十分な知見が得られておらず、「自然エネルギー転換基本法」のほうが、物事の本質を現していると思う。
 そもそも鳩山由紀夫総理は「2020年まで温室効果ガスを25%削減」と言っているのであって、日本の場合、地球温暖化ガスに限れば、地球温暖化効果がCO2の千倍も高い代替フロンを全てCO2媒体による冷蔵、冷凍機に代えれば達成できてしまうのだ。
 自然エネルギーの利用には産業構造の転換も必要になる。それをソフトランディングするには、まさに地球規模で他国の動向を見ながら判断していく必要があるだろう。現在は「地球温暖化効果ガス削減」と「CO2排出削減」が一人歩きしていて、本来の地球温暖化防止に無関係なトレンドが一人歩きをしている。

CO2排出権ビジネスはリーマンと同じ穴の狢
 地球規模でCO2の排出を減らすってことが、地球温暖化とリンケージしないのは明白なのだが、このCO2を排出する権利を証券として売買しようっての本末転倒だ。誰かがCO2削減を行い、削減量を証券として売り出す。それをCO2排出権として買った企業はその分CO2を多く出して良い。つまり、地球全体ではCO2の排出量は変わらない。こんな制度がビジネスモデルとして大手を振ってまかり通るのはおかしい。しかも地球温暖化防止に効果があると宣伝されている。嘘っぱちなのだ。
 環境税もおかしい。CO2を排出した量に応じて炭素税を取るってのなら解る。しかし、、エネルギーを使って製品を作り、最後は製品の価格に上乗せし消費者に転嫁されるのは自明だ。これでは消費税だ。
 地球の気候変動は解っているだけでも4つの大きな氷河期があった。また、小氷河期と呼ばれる気温の低い期間も多数存在する。その周期は50年程だ。これに太陽活動由来の11年周期も加わって、氷河期や小氷河期が何故起きたのか明確な知見は無い。
 そんな地球の環境に対して人間が産業革命以降CO2を排出し続けて現在地球が温暖化していると言い切れるだろうか。もしかしたら地球温暖化ビジネスを作るための大きなプロバガンダが行われていないだろうか。アルバート・ゴア氏の「不都合な真実」からは強くそれを感じる。
 政治と金から目をそらすために地球環境を持ち出して稚拙に法案を作ると日本だけ置き去りになる可能性がある。世界の状況を見ながら少しづつやっていけば良い。
 どうせ、日本列島は最も影響が遅れる地勢的特性を持っているのだから。

宇宙人なんだから、宇宙的発想を
 なにやら鳩山由紀夫総理の宇宙人ぶりは諸外国にも広く行き渡っているようだ。鳩山ドクトリン」なんておだてられてるが世界の外交手腕はそう甘くない。自国の経済への影響を少なくし、相手国の経済を衰退させて、相手国を自国の工業製品の消費地にする。これが20世紀後半からの国家運営のビジネスモデルだ。
 1867年日本が明治維新を迎えた頃は世界は植民地政策の渦の中にいた。その前の大航海時代は資源を未開の新天地に求め多くの貴金属を自国に運び込んだ。そして食料にまで手を伸ばしたのが1800年代だろう。植民地は搾取される対象だった。
 そして20世紀の後半1950年頃からは植民地政策はマーケット政策に変化してきた。つまり、経済を持って覆い尽くすって新たな覇権主義だ。年々成長を続ける中国は共産党一党独裁で民主国家では無い。そんな国に国連の常任理事国の席をあたえ牽制しながらマーケットはしっかり利用させてもらうってのが諸外国の外交だ。
 地球温暖化対策と言うか、資源エネルギー問題はマーケットへ供給を商品の製造を担保する基本的な問題だ。エネルギーが無ければ製品は作れないし、製品が作れなければマーケット覇権主義は成り立たない。他国よりも多くのエネルギーを得て、マーケットの国には少量のエネルギーで自製できず購入する構造を作った者が勝者だ。
 日本の将来を見据えて地球規模で考えなければならないテーマにあまりにも稚拙な国内の政党の問題隠しで対応をしている。ま、成長戦略が書けてない民主党はこの面でも筋が通っていない。まず、成長戦略ありきでエネルギー問題をどのように成長戦略に組み込んでいくかだ。

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2010.02.17 Mint