民主党の迷走は「氏と育ち」の悪の相乗効果

生方幸夫衆院議員の処遇
 仲間割れなのか勢力争いなのか、解任とまで言われた生方幸夫衆院議員に関して副幹事長を継続留任になった。党内での発言の自由の侵害だと言うが、ま、少なくとも副幹事長の役職にあるのだから、体制批判は無責任だろう。
 ある種の運命共同体の中で自らも含めて批判の対象になるのだから、その前に自ら辞任して後の批判でなければならない。
 どうも、大学院生と称せられる民主党にはこの種のボタンの掛け違えが多い。トップの鳩山由紀夫総理に関しても言動に一貫性が無く、踏むべき手順もチグハグに感じられる。一度振り上げた拳の持って行きようが無くなる事態は事前に避けるべきで、拳を振り上げてから回りをキョロキョロしてはリーダーでは無い。その脆弱さが一番国民は肌で感じるから支持率が下がっているのだ。いや、支持率が下がっているのでは無く失望度合いが高まっているのだ。
 そもそも小泉純一郎総理から正確では無いが政治屋の家に育った国会議員が総理大臣を連綿と続け、どうも、この政治家一家出の二世議員や三世議員には自らリーダーシップを発揮したように装うことすら出来ないようだ。
 安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏、鳩山由紀夫氏全部共通項がある。
 それは誰かが引いた線路の上を進んできたことだ。線路の無い場面に遭遇すると物事が決められないでキョロキョロ線路を探す。もしくは、線路を引いてくれる人を探す。
 自らが線路を引くことは無い。それが政治家一家で育った故の「氏と育ち」の悪の相乗効果だ。

副幹事長が多すぎる
 ま、一人二人減っても良いのではと思う。
幹事長小沢一郎氏
幹事長職務代行輿石東氏
筆頭副幹事長高嶋良充氏
副幹事長伴野豊氏
副幹事長一川保夫氏
副幹事長細野豪志氏
副幹事長広野ただし氏
副幹事長生方幸夫氏
副幹事長山根隆治氏
副幹事長吉田治氏
副幹事長今野東氏
副幹事長阿久津幸彦氏
副幹事長富岡由紀夫氏
副幹事長樋高剛氏
副幹事長佐藤公治氏
副幹事長青木愛氏
 こんなに副幹事長が必要なのか? 船頭多くて船山に登るになるのでは。これだけ居ると意思の疎通も中々できないと思うのだが。結局、小沢一郎幹事長の腰巾着を集めただけで全然機能していないと思われる。
 そもそも民主党は人材不足で政府に持ち駒を使い切ってしまったら党務に残る人材は不足で、ドングリの背比べだから大量の副幹事長になったのでは。
 そんな中で生方幸夫氏一人くらい減っても態勢に影響は無いと思うのだが。
 ましてや、一度辞めろと言った既定路線を翻して続投では国民は益々失望感を強くするだけだ。人材不足と強権小沢一郎氏の組み合わせもこれまた悪の相乗効果だろう。

結局、何をして良いのか解らない集団
 普天間問題も残すところ2ヶ月。政府としての方向を決めてから現地でのネゴシエションが必要だから、時間はほとんど残されてない。唯一「自民党が決めた既定路線で行くしか無い」って結論なら時間があるが。
 悪の相乗効果に陥って、何も決められない政治家くらい邪魔なものは無い。国民から代議員として国家運営を預託されているにも係わらずオロオロして何も決められない。そもそも一番リーダーシップが求められている鳩山由紀夫総理大臣が冗談めかした発言を繰り返し根無し草では政治はたちゆかないだろう。「官僚支配からの脱却」も官僚に支配されないと何も決められないのはこの半年で証明済み。
 党内人事でゴタゴタし、政治のリーダーシップは取れない。これじゃぁ「みんなの党」に票が流れる訳だ。
 去年の総選挙前は「自民党に不満、民主党に不安」であったが、昨今は自民党にも不満、民主党にも不満」状態だろう。その不満の根源に気がつかない両党だが、逆に言えば気がついたほうが先手必勝となる。特に自民党は敵失につけ込むのでは無く、自らのアイデンティティを国民に訴えるばきだが、その知恵が無い。もちろん一方の民主党はマニフェスト至上主義でマニフェストで避けていた外交と防衛は不得意分野のまま積み残し放置状態だ。
 政権を担うのに何が必要なのか。長い自民政権の時代に政治はそのアイデンティテイを失った。そもそも「次回選挙に勝つことが政治家の使命」なんて発言に誰も噛みつかなくなった。
 政治の終焉の跡に来るものは...現在の国会議員の多くは民主主義の敵なのかもしれない。行きつくところがヒットラーのような独裁体制では困るのだ。

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2010.03.23 Mint